PIMCO、アジア債務リスクを警告-ドル建て債発行が過去最大に

  • 7-9月期のアジア太平洋発行体による発行額は前年度同期比66%増
  • アジア太平洋のレバレッジ鈍化は予想せずとPIMCO

アジア太平洋地域の発行体による7-9月(第3四半期)のドル建て債発行が過去最大規模となったことを受け、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は債務水準が上昇するリスクを懸念している。

  ブルームバーグの集計データによれば、同発行額は前年同期比66%増の1520億ドル(約15兆4000億円)となった。バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチ指数によると、これら債券の国債に対する平均上乗せ利回りが今年、72ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して206bpとなる中で、発行体が一斉に調達コスト減を活用しようとした。事情に詳しい関係者の情報では、地方政府の資金調達事業体(LGFV)である株洲市城市建設発展集団はシンガポールと香港、ロンドンで4日から投資家会合を開始する。

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Photographer: Brent Lewin/Bloomberg

  投資家は日米欧の中銀が超低金利政策を採用する中で高い利回りを求め、危険サインにもかかわらず高リスク資産に資金を投じている。ブルームバーグがまとめたデータによると、アジア太平洋地域の上場企業が抱える純負債の対利払い・税引き前利益(EBIT) 比率は3.1倍(中央値)と、1年前の1.9倍から大きく伸びた。アナリストらが同地域の今年の経済成長を2009年以来の低水準と予想する中、企業の債務返済は一段と難しくなっている。

  PIMCOの新興市場担当ポートフォリオマネジャー、ローランド・ミース氏(シンガポール在勤)は「アジアのクレジットは増加している」が、成長は同じ速度ではないと指摘。「われわれはアジアのレバレッジ、すなわち債務増大ペースが鈍化するとは予想していない」と述べた。

  中国の政策当局者らは金融政策をやや景気支援的に維持してきた。しかし人民銀の易綱副総裁は先月、中国の短期目標をレバレッジ抑制にすべきだと指摘。CLSAは中国の債務総額の対国内総生産(GDP)比率が今年1-6月期の261%から2020年には321%に達する可能性があると推定している。

  BNPパリバは9月、投資家が高利回りを求めるあまり、アジアのドル建て債券市場のデフォルト(債務不履行)リスクに十分な注意を払っていないと警告。特に中国の地方当局に絡んだ債券発行に警戒を呼び掛けた。

  BNPパリバ(香港)のアジアクレジッド戦略・セクタースペシャリスト部門責任者、チャールズ・チャン氏は「LGFVが海外で極めて低コストでの債券の大量発行を続ければ、ファンダメンタルズが悪化する恐れがあり、デフォルトリスクに影響が及ぶだろう」と指摘。「実際にそうなるまで少々時間がかかる可能性があるが、こうしている間にもリスクは高まっている」と説明した。

原題:Pimco Warns of Asia Debt Risk After Record Dollar Bond Sales (1)(抜粋)

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