市場がみる長期金利下限はマイナス0.1%、10年入札が試金石との見方

  • 下限からどのくらい上振れて入札できるかがポイント-三菱モルガン
  • 入札強いと減額される可能性出てくるのでやりにくい-メリル日本証

日本銀行が新たに導入した金融緩和の枠組みで、操作対象となる長期金利の下限めどは政策金利と同水準のマイナス0.1%近辺との見方が市場で出ている。4日実施の10年債入札が一つの試金石になりそうだ。

  日銀が前週末に発表した当面の長期国債買い入れの運営によると、今月最初に実施するオペについて、残存10年超25年以下と25年超の買い入れ額を前回から100億円ずつ減らす。「5年超10年以下」は9月最後のオペで買い入れ額をすでに減らし、他の年限も金額を据え置いた。

黒田東彦総裁

Source: Bloomberg

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテストは、「日銀の国債買い入れは減額されたが、少しずつ様子を見ながらの減額という感じ」と指摘。「日銀が思っている長期金利の下限はマイナス0.1%程度だろう」と述べた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日銀による国債買い入れの減額を警戒し水準を切り上げ、新たな金融政策の発表があった9月21日には0.005%と半年ぶりにプラス圏まで上昇した。その後は日銀が示したイールドカーブ・コントールの解釈をめぐって、金利の下限を試す動きが強まり、先週はマイナス0.09%まで達した。

  日銀は新たな金融政策の枠組みで長期金利に目標を据えたが、操作が可能な短期金利とは違って、完全にコントロールできるものではないとしており、誘導目標のゼロ%に一定の幅を持たせている。しかし、マイナス0.09%を3営業日連続で付けた30日に、長期ゾーンの買い入れオペを減らしたことで、市場参加者の間ではマイナス0.10%が下限との見方が強まっている。

  日銀が導入した「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の下で金利低下がどこまで許容されるかというテーマについて、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは「一応マイナス0.1%との見方になっている」と述べた。

  メリル日本証の大崎氏は、「長期金利がマイナス0.1%を下回ると日銀がコントロールできていない印象に見える。このため、マイナス0.1%程度が目安だろう。市場もこれを下回って突き進むわけにはいかないと思う」との見方を示した。

  財務省は4日に10年利付国債入札を実施する。344回債のリオープン発行となり、表面利率は0.1%に据え置かれる見込み。発行額は2兆4000億円程度となる。10年債入札結果が新たな金融政策の本格開始後の投資家需要にどのような影響を及ぼすかを見極めたいとの声が聞かれている。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証の稲留氏は、「取りあえず長期金利はマイナス0.1%が下限という目線になっているので、そこからどのくらい上振れたところで入札ができるかがポイントになる」と話した。

  一方、メリル日本証の大崎氏は、「あすの10年入札が強くなると今後も減額される可能性もあるのでやりにくい」と指摘。「10年入札が強い結果となって長期金利がマイナス0.1%に近づく時に、日銀がさらに減額していくのかどうか。今のところはマイナス0.1%に近づくと買いが引いてしまう感じになっているので、コントロールできている印象」と述べた。

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