ドル・円は101円台、欧銀不安後退で一時円売り-離脱警戒でポンド下落

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  • 一時101円66銭までドル高・円安に振れた後は一進一退の展開
  • ドル・円の上値は重い-クレディ・アグリコル銀

3日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=101円台で推移した。ドイツ銀行の財務不安後退で投資家のリスクセンチメントが改善する中、円売りが先行したが、英国の欧州連合(EU)離脱に対する警戒感もあり、上値は限定的となった。

  午後3時35分現在のドル・円は前週末終値比ほぼ変わらずの101円33銭。一時101円66銭までドル高・円安に振れる場面が見られたが、その後は一進一退の展開となった。朝方発表された日本銀行の企業短期経済観測調査(短観、9月調査)では、大企業の業況判断指数(DI)が市場予想をやや下回った。

  クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は、短観は弱めで政策期待から当初円売りになったが、予想から大きくはぶれておらず、週末に米雇用統計も控えて「これでは動きようがない」と指摘。週後半に20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議や米雇用統計の発表を控えているほか、英国のEU離脱に対する懸念もあり、「ドル・円の上値は重い」と話した。

  9月30日のフランクフルト市場でドイツ銀行株が急反発。住宅ローン担保証券(RMBS)問題で、54億ドル(約5480億円)の支払いで米司法省との合意が近いとの報道に反応した。司法省は当初140億ドルを求めていた。同行は今週中に従業員代表との間でコスト節減に向けた措置で合意に達し、ドイツ国内で約1000人を削減する準備が整う見通しだと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  ドイツ銀をめぐる不安の後退から前週末の米国株は上昇。週明けの東京株式相場も反発し、日経平均株価は0.9%高で引けた。

  先週は原油相場の反発もリスクセンチメントの改善につながった。30日のニューヨーク原油先物相場は続伸。石油輸出国機構(OPEC)が28日に8年ぶりとなる減産で合意したことを好感し、月間ペースでは5カ月ぶりの大幅高で9月を終えた。

  上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人氏は、週明けもドイツ銀に対する信用不安の和らぎでリスクオフの巻き戻しが進んだ先週末の流れを踏襲するとみられるが、原油価格安定への不透明さは残っており、欧州銀行の財務不安も完全に消えたわけではないと指摘。「日米の金融政策へ期待が後退しているなど、複数要因が重なってドル・円の戻りも慎重」との見方を示した。

  日銀短観では大企業・製造業の業況判断指数(DI)はプラス6と、2期連続で横ばいとなった。非製造業DIはプラス18と6月の前回調査から1ポイント悪化した。ブルームバーグ調査の予想は製造業がプラス7、非製造業がプラス18だった。

  日銀の黒田東彦総裁は衆院予算委員会で、金融緩和の余地は「十分ある」と答弁し、金融政策の新たな枠組みについて、従来の枠組みをさらに強化し、より柔軟で持続性のある枠組みになったと述べた。フィッチは、日銀の直近の措置が銀行の収益性への圧力を緩和することはなく、金融機関が直面するリスクを増大し、経済押し上げの取り組みを損なう恐れがあると指摘した。
  
  米国ではこの日、供給管理協会(ISM)が9月の製造業景況指数を発表する。ブルームバーグ調査の予想中央値は50.3。8月は49.4と6カ月ぶりに50を下回り、経済活動の縮小を示した。今週はその他に9月のADP雇用統計、ISM非製造業景況指数、週末には注目の雇用統計が発表される。

  週明け早朝の取引ではポンドが下落。メイ英首相は2日、EU離脱プロセスを2007年1-3月(第1四半期)中に開始する方針を明らかにした。ポンドは対ドルで一時前週末比0.5%安の1ポンド=1.2902ドルと、8月16日以来の安値を付けた。

  みずほ証券投資情報部の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、英国のEU離脱については、「スコットランドの離脱などを伴うと破壊力が大きくなる可能性があるので成り行きを注目しなければならない」とし、まずはこの日の欧州市場がどう反応するかが重要と指摘した。

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