日本株反発、欧州の銀行懸念後退と円安定-輸出や素材、内需買われる

更新日時
  • 日銀短観の大企業製造業DIは横ばいに
  • 東証1部売買代金は1カ月ぶり低水準、相場も「鯨幕」

3日の東京株式相場は反発。ドイツ銀行に対する懸念が和らいだことや為替の安定から投資家のリスク許容度が改善し、精密機器など輸出株、化学や非鉄金属など素材株、小売や証券などの内需株と幅広い業種が買われた。業界再編による競争緩和期待で、飲料メーカー株も高い。

  TOPIXの終値は前週末比7.94ポイント(0.6%)高の1330.72、日経平均株価は148円83銭(0.9%)高の1万6598円67銭。

  明治安田アセットマネジメントの林秀執行役員は、「米銀行の懲罰や資本規制などにも絡んでくることから、市場ではドイツ銀の支払いはある程度減額されそうとの見方があった」と指摘。為替動向については、「米景気は意外に強いとの印象があり、今週の米経済指標で利上げ予想が高まれば、円安の芽が出てくる」との見方を示した。

東証

Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  9月30日のフランクフルト市場で、ドイツ銀株は6.4%高と急反発。住宅ローン担保証券(RMBS)問題で、54億ドル(約5460億円)の支払いで米司法省との合意が近い、とAFPが報じたことを受けた。司法省は当初、140億ドルを求めていた。米国株投資家の恐怖心理を示すシカゴ・オプション取引所のボラティリティ指数(VIX)が5.2%低下するなど、30日の海外市場では投資家のリスク回避姿勢が後退した。

  岡三証券の森本敏喜エクイティ部長は、ドイツ銀の支払いが報道通りの金額で決着するようなら、同行の「積み立ての範囲で問題はない」とし、市場はひとまず様子を見ようとの落ち着いたムードになっていると言う。「欧州金融機関に対する不安がなければ、日銀のETF買いによる株式需給の引き締まりで日本株は上がりやすい状況にある」との認識も示した。

  また、この日のドル・円相場は1ドル=101円台前半と前週末の日本株終値時点101円9銭に対し落ち着いて推移。米国では、日本時間今夜に供給管理協会(ISM)製造業景況指数、5日にISM非製造業指数、7日に雇用統計と今週は9月重要統計の公表が相次ぐため、明確な方向感は出にくくなっている。みずほ証券エクイティ調査部の三浦豊シニアテクニカルアナリストは、「市場の関心は米指標に移っており、8月の数字が一過性の悪さだったのかどうか予想がつかないため、投資家心理が強気にも弱気にも振れにくい」と指摘した。

  取引開始前に公表された日本銀行の企業短期経済観測調査(短観、9月調査)は、大企業製造業の業況判断指数(DI)が6と前回から変わらず、非製造業は19から18へ低下した。事前予想は製造業が7、非製造業が18。企業の2016年度の想定為替レートは1ドル=107円92銭と、前回調査(111円41銭)から修正された。明治安田アセットの林氏は、「投資家は日本の景気がそれほど良いと思っていないため、短観は現状の追認的な内容」とみる。

  業種別指数で上昇率上位に並んだ食料品では、アサヒグループホールディングスなど飲料メーカーが堅調。コカ・コーラウエストとコカ・コーライーストジャパンは30日、株式交換と吸収分割を併用する経営統合で合意した。野村証券では、国内トップのコカ・コーラが健全な競争を主導することで、飲料業界全体の収益性改善につながる可能性があり、ポジティブとの見方を示した。

  一方、日本株は先週から高安が日替わりとなる「鯨幕相場」だ。ドイツ銀の支払い額について最終的な決着を確認したいとのムードが根強く、為替動向も不透明で、東証1部の売買高は14億9684万株、売買代金は1兆6280億円にとどまった。代金は9月6日以来、1カ月ぶりの低水準。値上がり銘柄数は1322、値下がりは520。

  • 東証1部33業種は証券・商品先物取引、精密、小売、食料品、化学、海運、非鉄金属、水産・農林、サービスなど27業種が上昇。鉱業や石油・石炭製品、その他金融、不動産、保険、繊維の6業種は下落。

  • 売買代金上位ではキーエンスや花王、野村ホールディングス、良品計画、トクヤマが上げ、通期利益計画の上方修正と自社株買いを受けたアダストリアは急騰。半面、業績予想を下方修正した川崎重工業は急落、オリックスや三菱重工業、IHIも安い。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE