債券下落、10年債入札に向けた売りで-超長期オペ減額の影響は限定的

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  • 先物は18銭安の152円16銭で終了、長期金利マイナス0.07%に上昇
  • 海外市場動向と10年入札があるので買い進みづらい-メリル日本証

債券相場は下落。前週末の米国債相場の反落に加え、10年債入札を翌日に控えて売りが優勢となった。日銀が当面の長期国債買い入れ運営方針で超長期ゾーンを減額した影響は限定的で、同ゾーンには買いが入った。

  3日の長期国債先物市場で中心限月12月物は前週末比8銭安の152円26銭で取引を開始した。午前の日銀国債買い入れオペの通知後には6銭安の152円28銭まで戻す場面もあった。午後に入って再び売りが優勢となり、152円15銭まで下落。結局は18銭安の152円16銭で引けた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値を0.5ベーシスポイント(bp)上回るマイナス0.08%で始まり、その後も水準を切り上げ、マイナス0.07%まで上昇した。新発5年物の129回債利回りは0.5bp高いマイナス0.245%で始まった後、マイナス0.235%を付けている。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテストは、債券相場について、「海外市場の動向とあすの10年入札があるので買い進みづらい」と指摘。「先週の日銀国債買い入れは減額されたが、少しずつ様子を見ながらの減額という感じ。あすの10年債入札が強くなると今後も減額される可能性もあるのでやりにくい」と語った。

  超長期債はしっかり。新発20年物の158回債利回りは0.5bp高い0.36%で始まった後、一時0.34%まで低下。新発30年物の52回債利回りは0.5bp高い0.46%で始まった後、0.44%まで下げた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「欧州銀行問題の過度の悲観論が後退して米債が軟化した流れから売りが先行しているが、下値も限定的」と指摘。「日銀の長期国債買い入れオペ減額の影響もあるととらえるべきだろうが、一部で懸念されたほど相場が値崩れする展開にはなっていない」と語った。

  日銀が実施した今月1回目の長期国債買い入れオペの結果によると、残存期間「1年以下」と「1年超3年以下」の応札倍率は前回から上昇した。一方、「3年超5年以下」は低下した。

  メリル日本証の大崎氏は、「きょうの日銀の買いオペ結果は弱くもなくやや強め。普通の感じで相場への影響はなさそう」と分析した。

日銀本店

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日銀が前週末に発表した当面の長期国債買い入れオペの運営方針によると、10月以降の買い入れオペでは、初回のオファー額は残存10年超25年以下が1900億円、25年超が1100億円と、いずれも前回9月30日から100億円減らした。9月最後のオペで買い入れ額を減らした「5年超10年以下」など、他の年限は金額を据え置いた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証の稲留氏は、「最小限の減額から始められたという受け止め方ではないか」と説明。「金利低下がどこまで許容されるかというテーマも、10年金利は一応マイナス0.1%との見方になっている。一方、超長期ゾーンはそれほど金利が下がっていないところでの減額だったので意図が読みにくい印象もある」と述べた。

  財務省は4日、10年利付国債入札を実施する。発行予定額は2兆4000億円程度。344回債のリオープン発行となり、表面利率は0.1%に据え置かれる見込み。

  みずほ証券の山内聡史マーケットアナリストは、「入札前に調整が入らなければ必要分の購入にとどめたいが、マイナス0.05%程度まで調整された場合には、長期的なキャリー・キャピタルの両面で取り組む妙味はある」との見方を示した。

  ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストも、「イールドカーブコントロールにシフトしてから初の10年入札。マイナス0.1%からゼロ%程度が許容範囲との見方がコンセンサスとなる中、マイナス0.05%bp程度までの調整が入れば入札は順調となろうが、マイナス0.07%からマイナス0.08%程度で入札を迎えると流れる懸念もある。投資家の目線が試される」と指摘した。

日銀短観

  日銀が午前発表した9月調査の企業短期経済観測調査(短観)によると、大企業・製造業DIはプラス6と前回から横ばい。大企業・非製造業DIはプラス18と前回から1ポイント悪化した。ブルームバーグ調査によると、大企業・製造業DIはプラス7、大企業・非製造業DIはプラス18が見込まれていた。

  ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミストは、「全体的に予想の範囲内だが、景況感の先行きは弱い」と指摘。金融政策への影響については、「全体として強さはないものの、景気の底割れを示唆するような内容ではないこと、日銀は9月21日に緩和の枠組みを変更したばかりであることから、大した影響はなさそうだ」と分析した。

  9月30日の米国債相場は下落。米10年債利回りは前日比3bp上昇の1.59%程度。ドイツ銀行への制裁金が大きく減額されるとの観測が広がり、世界的にリスク志向が戻る中、米国債には売りが出た。一方、米国株は上昇。S&P500種は0.8%高の2168.27で引けた。  

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