【今週の債券】金利上昇か、超長期ゾーンオペ減額や10年入札に警戒感

  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.15%~マイナス0.03%
  • 日銀政策を考えるとスティープ化方向か-マスミューチュアル

今週の債券市場では長期金利が上昇すると予想されている。日本銀行が長期ゾーンに加え、超長期ゾーンも減額する方針を示したことで、残存期間の長い国債を中心に売り圧力がかかりやすくなるとの見方が背景にある。金融政策の新たな枠組み導入後で最初の10年債入札に対する警戒感も出ている。

  ブルームバーグが前週末に市場参加者4人から聞いた新発10年物国債利回りの予想レンジは全体でマイナス0.15%~マイナス0.03%。前週はマイナス0.09%からマイナス0.055%で推移した。9月30日の国債買い入れオペで残存期間5年超10年以下の購入額が減額されたのを受けて上昇圧力が強まる場面があった。

上空から見た日銀本店

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日銀は前週末、10月の長期国債買い入れの運営方針を発表し、10年超25年以下を1900億円程度、25年超を1100億円程度と、それぞれ直近実施のオペから100億円減らす。9月最後のオペから買い入れ額を減らした「5年超10年以下」など、他の年限は金額を据え置いた。

予想レンジと相場見通し

*T
◎アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
先物12月物=151円75銭-152円50銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.10%~マイナス0.03%
  「長期金利はやや上昇か。マーケットは長期金利をゼロ%付近を目安に推移としている日銀の姿勢を試している状況だ。金利が下がり過ぎれば、売りもあるかどうかも含めてうかがっている。ここもと株式相場がボラタイルに推移しているので、金利も下限を試しやすい。企業短期経済観測調査(短観)では、円高に伴う企業業績悪化をおおむね織り込み、下期に業績の下げ渋り感がはっきっり出てくるかを探る上で注目している。設備投資計画も9月調査分がどこまで改善するかがポイントになりそう」

◎マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長
先物12月物=151円80銭-152円80銭
10年物国債利回り=マイナス0.15%~マイナス0.05%
  「基本的に長いゾーンを中心に売りが出て緩やかなスティープ(傾斜)化圧力の方向ではないか。40年債など超長期ゾーンには需要はあるが、ALM(資産・負債の総合管理)の観点からのもので、必ずしもフラット化を意味しない。9月の日銀短観はあまり債券相場に関係ないのではないかと思う。10年物価連動債の入札も市場に影響を与えないとみている」

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
先物12月物=151円80銭-152円50銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.10%~マイナス0.03%
  「日銀短観が発表されるが、国内景気はしばらく足踏み状態で、根強い金融緩和期待も一部に残っている。欧州金融機関の経営問題が警戒されるなど、主要国の国債は安全資産としての需要が高まっている。ただ、日銀が10年債利回りは概ねゼロ%程度で推移するよう国債買い入れを行なうとしている以上、積極的に上値を追う動きも限られる。10年債入札も相場の上値を抑える要因。米雇用統計の発表も控えて金融市場は徐々に様子見姿勢を強めるのではないか」

◎大和証券の山本徹チーフストラテジスト
先物12月物=151円10銭-152円60銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.11%~マイナス0.06%
  「日銀が10年金利をゼロ%とすることで、例えば残存12年の国債は、2 年後に利回りがゼロ%となることが見込まれる。超長期債を利用したキャッシュつぶしの動きが起きよう。その場合、政策金利残高という『ババ』が投資家間で回っていく。それを回避するために、ますます超長期債でのキャッシュつぶしに迫られることになる。超長期債でのキャリーアンドロールダウン戦略だ」
*T

今週の主なイベント

3日日銀企業短期経済観測調査(短観、9月調査)の発表
4日10年利付国債入札、発行額2兆4000億円程度
6日10年物価連動債入札、発行額は4000億円程度

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