欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ユーロ上昇、ドイツ銀制裁減額の観測で切り返す

  30日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが上昇。住宅ローン担保証券の(RMBS)問題でドイツ銀行が米司法省と当初よりも低い金額の支払いで合意するとの観測から、ドイツ銀株が反発し、ユーロに買いが入った。

  ユーロはこの日の安値から大きく反発した。ドイツ銀は54億ドル(約5460億円)の支払いで米司法省との合意が近いとの報道に反応した。これは司法省が当初求めていた金額の半分未満。ユーロ圏のインフレが9月に加速し、物価指数が2014年終盤以来の高水準となったこともユーロ買いにつながった。

  ジェフリーズ・グループ(ニューヨーク)の通貨ストラテジスト、ブラッド・べクテル氏は「対ドルでのユーロはドイツ銀株につれて動いている。ドイツ銀が支払う金額が予想をはるかに下回るとの臆測が本当になれば、欧州の銀行にとってプラスになるのはもちろんのこと、対ドルでのユーロにとっても強材料になるだろう」と述べた。

  米司法省が今月、ドイツ銀に対して140億ドルの支払いを求めたため、ドイツ銀の株式と債券は売り圧力を受け、ユーロも下げていた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比0.1%高の1ユーロ=1.1235ドル。一時は0.6%下げる場面もあった。月間では0.7%上昇し、3月以来の大幅高。四半期ベースでは1.2%上昇した。ドルは対円で前日比0.3%高の1ドル=101円35銭。

  ドイツ銀株は一時9%下げた後、6.4%高で終えた。一部のヘッジファンド顧客が同行へのエクスポージャーを減らしたことが明らかになったとブルームバーグ・ニュースが29日夜に報じたため、同行株価は30日に一時、最安値を更新した。

  アナリストらも安値からの反発に援護射撃した。オートノマス・リサーチのアナリスト、スチュアート・グレアム氏は29日のリポートで、ドイツ銀はトレーディングの顧客が取引を減らすなどで深刻なストレスにさらされても2カ月以上持ちこたえるのに十分な流動性があると分析した。

  トロント・ドミニオン銀行のシニア為替ストラテジスト、メイゼン・アイサ氏は「ドイツ銀をめぐる臆測で市場は荒い動きになっている。当社は今後数カ月、ユーロに大きな動きはないとみているが、現在は欧州の政治リスクを考慮し弱気なスタンスだ」と語った。
原題:Euro Strengthens on Speculation Deutsche Bank Fine Will Be Lower(抜粋)

◎米国株:上昇、欧州の銀行に対する懸念が緩和

  30日の米国株は上昇。ダウ工業株30種平均は160ドル超の値上がりとなった。ドイツ銀行の住宅ローン担保証券(RMBS)問題で、当初見込みよりも低い制裁金で米司法省と合意が近いとの報道に反応した。これを受けて、欧州の銀行に対する懸念が緩和された。

  AFPが報じたところによると、ドイツ銀行がRMBS問題をめぐり米当局と54億ドルの支払いで合意に近づいている。これは当初の金額を半分以上下回る。コストコ・ホールセールは四半期利益が市場予想を上回ったことが好感されて上昇した。

  S&P500種株価指数は前日比0.8%高の2168.27。ダウ工業株30種平均は164.70ドル(0.9 %)値上がりして18308.15ドルだった。ナスダック総合指数は0.8%上昇した。

  オッペンハイマーのチーフ市場ストラテジスト、ジョン・ストルツファス氏(ニューヨーク在勤)は「ドイツ銀の実態はリーマンとは違うとの認識が若干ある」と述べ、「世界危機以後、規制が全て変更された結果、銀行はこうした問題にもより良く対処できるようになった。まもなく四半期の終わりになるが、投資家は多くの人が考えていたほど9月は悪くなかったと気づきつつある」と続けた。

  月間ベースでのS&P500種は0.1%安と、2カ月連続のマイナスだった。CBOEボラティリティ指数はこの日5.2%下げて13.29。

  投資家は、まもなく始まる企業の四半期決算発表に注目している。アナリスト予想ではS&P500種採用企業の7-9月期利益は1.5%減で、6四半期連続のマイナスが見込まれている。

  この日のS&P500種の産業別11指数は8指数が上昇した。金融株は1.4%高と、前日の1.5%安の下げをほぼ埋めた。エネルギー株やヘルスケア関連銘柄も上昇。一方、公益事業株は6日続落となった。 

  シティグループやバンク・オブ・アメリカはいずれも上昇した。モルガン・スタンレーやチャールズ・シュワブも高い。

  半導体銘柄はテクノロジー株の上げをけん引。クアルコムは1.6%高。前日報道されたNXPセミコンダクターズの買収検討が手掛かりとなっている。
原題:U.S. Stocks Surge as Worries Ebb Over Health of European Banks(抜粋)

◎米国債:下落、リスク志向戻る-年末にかけての予想分かれる

  30日の米国債相場は下落。ドイツ銀行への制裁金が大きく減額されるとの観測が広がり、世界的にリスク志向が戻るなか、米国債には売りが出た。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.59 %。同年債(表面利率1.5%、2026年8月償還)価格は99 1/8。

  この日の金融市場では米国債相場が下げた一方で、株式が上昇。ドイツ銀行が米司法省と54億ドル(約5460億円)の支払いで合意する可能性が高いとの報道に反応し、同行の株価は急伸。司法省は当初140億ドルを求めていた。

  10-12月(第4四半期)の米国債相場については、ウォール街の大手金融機関2社の間で予想が割れている。改善しつつある経済データと海外金融当局の緩和策の効果について、ストラテジストの見方が分かれている。

  ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストは、10年債利回りが年末までに2%に上昇すると予想。インフレと経済成長の見通し改善を理由に挙げている。一方でモルガン・スタンレーは1.25%への利回り低下を予想。世界の緩和的な金融政策と安全資産への需要継続が背景にあると説明した。

  モルガン・スタンレーの世界金利戦略責任者、マシュー・ホーンバック氏は30日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「金融政策は今後もおおむね債券市場に支援的だ」とし、「それが国債市場の利点だ。リスクオフの状況では投資家は国債に向かう」と続けた。

  ブルームバーグがまとめたデータによると、年末の10年債利回りは予想加重平均で1.76%となっている。

  ゴールドマンのチーフエコノミスト、ジャン・ハッチウス氏は27日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、インフレ上昇圧力が生じ始めていると語った。

  ハッチウス氏は「米国が完全雇用にかなり近いことを示唆するデータは数多い。インフレ上昇圧力が生じ始めている」とし、「米金融当局は徐々にではあるが、これに対処すると思う」と述べた。

  同氏はまた、12月の米利上げ確率について65%との見方を示した。ブルームバーグがまとめた先物市場のデータによれば、12月までの利上げ確率は約59%。この算出は、利上げ後の実効フェデラルファンド(FF)金利が新たな政策金利レンジの中央値になるとの仮定に基づいている。
原題:Morgan Stanley, Goldman Split on Where Treasuries Will End 2016(抜粋)
Stocks Climb as Treasuries Fall on Deutsche Bank’s Speculation(抜粋)

◎NY金:下落、四半期でも下げる-ETFへの流入額が減少

  30日のニューヨーク金相場は世界的にリスク志向が市場に戻るなか、米国債とともに下げた。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金12月限は前日比8.90ドル(0.7%)安い1オンス=1317.10ドルで終了。銀は小じっかり。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のパラジウムは小幅上昇。プラチナは小幅安。

  四半期ベースでの金先物は0.3%下落。1-6月には25%上昇し、上期としてはほぼ40年ぶりの大幅高となっていた。  

  金を裏付けとする上場投資信託(ETF)最大手、SPDRゴールド・シェアーズに4-6月期に流入した投資資金は、2015年終盤以来の最小となった。
原題:Gold-Mining Investors Hit by the Jitters as Share Rally Sputters(抜粋)
Stocks Rally as Treasuries Fall on Deutsche Bank’s Speculation(抜粋)

◎NY原油:月間で5カ月ぶり大幅高、OPEC減産合意を好感

  30日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が続伸。月間ベースでは5カ月ぶりの大幅高となる7.9%高で9月を終えた。石油輸出国機構(OPEC)は28日に8年ぶりとなる減産で合意した。ドルが下げ、商品の投資需要が高まったことも原油買いを促した。

  エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「極めて重要な週だった」と振り返る。「OPECがまとまろうと努力を始めたことは報われてよいだろう」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は前日比41セント(0.86%)高い1バレル=48.24ドルで終了。週間では8.5%の値上がり。四半期では0.2%下げた。ロンドンICEのブレント11月限は18セント下げて49.06ドル。同限月はこの日が最終取引。12月限は38セント高の50.19ドルで引けた。
原題:Oil Caps Biggest Monthly Gain Since April After OPEC Output Pact(抜粋)

◎欧州株:銀行株が反発、ドイツ銀が米当局と合意近いとの報道で

  30日の欧州株式市場では銀行株が反発。ドイツ銀行が財務状態への懸念から売りを浴びたものの、米当局との合意が近いとの報道を手掛かりに反発した。

  指標のストックス欧州600指数を構成する銀行銘柄は一時3.8%下げたものの、0.6%高で引けた。一時9%安となったドイツ銀は6.4%値上がりした。取引時間終盤に住宅ローン担保証券問題をめぐり54億ドルの支払いで米司法省と合意に近づいていると伝わった。これは司法省が当初求めていた額の半分にも満たない。約10社のヘッジファンド顧客がドイツ銀へのエクスポージャーを減らしたと報じられ、同行株は朝方に最安値を更新する場面もあった。

  ランプ・アセット・マネジメント(デュッセルドルフ)のシニア株式マネジャー、ミヒャエル・ボイシュネック氏は「第3四半期の最終取引日で、多くの投信会社にとっては年度末にも当たる。これら投信の多くがドイツ銀株を保有している。株価が1桁台になることを望んでおらず、そのため買っている可能性もある。午前中にあった問題は全て今もあり、来週も存在するだろう」と語った。

  ストックス600指数は前日比0.1%高の342.92で終了。一時は1.7%安となったが下げを埋めた。前週末比では0.7%安。ユーロ圏の株価下落に備えたオプション費用に連動するVストックス指数は今週17%上昇し、ここ1カ月余りで最大の上げとなった。
原題:Europe Lenders Rise With Deutsche Bank to End Week of Stock Woes(抜粋)

◎欧州債:独10年債、週間ベースで続伸-ドイツ銀めぐる不安で

  30日の欧州債市場ではドイツ国債が週間ベースで3週続伸となった。10年物利回りは7月以来の低水準に接近した。ドイツ銀行の財務健全性をめぐる懸念の高まりを受け、ユーロ圏内で最も安全とされる同国債の需要が強まった。

  だが、ドイツ銀行が米当局と当初伝えられたより大幅に少ない金額での支払いで合意に近づいているとの報道が取引時間終盤に流れ、同行株は上場来安値から反発。併せてドイツ国債はそれまでの上げを消した。周辺国債は序盤の下げから切り返した。

  ドイツ2年債は週間ベースで6週続伸。欧州中央銀行(ECB)の量的緩和プログラムの購入対象から外れている同銘柄の上昇は、リスク資産に対する投資家心理が引き続き弱い状況を示唆している。

  ソシエテ・ジェネラルのグローバル金利・外為戦略責任者、バンサン・シェニョー氏(ロンドン在勤)は、「われわれはどちらかと言えばリスクオフで、質への逃避の状態にある。質への逃避で株式と国債相場は連動している」とし、「現在は極めて危険な状態にある」と語った。

  ロンドン時間午後5時現在、独10年債利回りは前日比ほぼ変わらずのマイナス0.12%。一時は4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げ、7月12日以来の低水準に並んだ。同国債(ゼロクーポン、2026年8月償還)価格は101.186。

  独2年債利回りはマイナス0.68%。前週末比では1bp下げた。

  オランダ10年債利回りはほぼ変わらずのゼロ%。マイナス0.04%まで下げる場面もあった。同年限のスペイン国債利回りは4bp下げて0.88%。
原題:German Bonds Post Third Weekly Gain Amid Deutsche Bank’s Woes(抜粋)

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