【債券週間展望】長期金利上昇か、日銀オペ減額や10年債入札が重し

  • 長いゾーン中心に売り、緩やかなスティープ化-マスミューチュアル
  • 10年債は官制相場で上値追いづらい、入札も上値抑える-岡三証

来週の債券相場では長期金利の上昇が予想されている。日本銀行が残存5年超10年以下の国債買い入れオペを減額したことで長期ゾーンの需給悪化が懸念される中、10年債入札が相場の重しになるとの見方が出ている。日銀がこの日発表する当面の国債買い入れ方針に注目が集まっている。

  今週の新発10年物国債344回債利回りは週初のマイナス0.055%からマイナス0.09%まで低下したが、その後は下げ渋った。日銀は金融緩和の軸足を量から金利に移す新しい緩和策を決め、ゼロ%程度で推移するよう長期国債買い入れを行う中、政策金利マイナス0.1%が許容する下限との見方が出ている。この日はオペが減額されたことで一時マイナス0.07%まで上昇した。

  マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は、日銀が発表する長期国債買い入れの運営方針次第としながらも、「長いゾーンを中心に売りが出て緩やかなスティープ化圧力の方向ではないか。40年債など超長期ゾーンには需要はあるが、ALM(資産と負債の総合管理)の観点からのもので、必ずしもフラット化を意味しない」と言う。

  この日の新発20年物158回債利回りが一時0.365%、新発30年物52回債利回りは0.47%まで上昇した。残存10年超の長期国債買い入れオペは応札倍率が上昇した。みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、「超長期ゾーンはオペの減額を織り込んできた面もあり、ここで減らさないとフラット化が進み、日銀の意図とは違う方向に進んでしまう可能性がある」と指摘する。

  財務省は4日に10年利付国債入札を実施する。発行予定額は2兆4000億円程度。344回債のリオープン発行となり、表面利率は0.1%に据え置かれる見込み。6日には10年物価連動国債入札が予定されている。21回債のリオープン発行で、表面利率は年0.1%に据え置き。価格競争入札によるダッチ方式とし、応札は5銭刻み。発行予定額は前回と同額の4000億円程度。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、10年債利回りについて「プラスになれば買いたい人が多いことは見えており付けづらい一方、日銀にもキャップを付けられ、官制相場だ」と指摘。「下期入りで国内投資家の押し目買いが見込まれ相場は底堅いだろうが、上値を追う動きは限られるだろう。10年債入札も上値を抑制する要因になる」と予想している。

  一方、マスミューチュアル生命の嶋村氏は、市場で長期金利の下限とみられているマイナス0.1%は気にしていないと言う。「いずれパワー切れとなって、12月ぐらいの日銀会合でマイナス金利の深掘りを議論せざるを得なくなる」とみている。

日本銀行本店

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  3日に日銀企業短期経済観測調査(短観、9月調査)が発表される。ブルームバーグの調査による事前予想の中央値は、大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)がプラス7と1ポイント改善。7日は米国で9月の雇用統計が発表される。ブルームバーグの調査による事前予想の中央値は、非農業部門雇用者数が前月比17万5000人増、失業率は4.9%。

市場関係者の見方
*T
◎マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長
*日銀の買い入れ方針で残存10-25年ゾーンの金額変更の可能性
*能動的なイールドカーブの操作や指し値オペの政策は間違い
*長期金利の予想レンジはマイナス0.15%~マイナス0.05%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*欧州金融機関の経営問題が警戒され、主要国の国債は安全資産として需要
*米雇用統計の発表を控えて金融市場は徐々に様子見姿勢を強める可能性
*長期金利の予想レンジはマイナス0.10%~マイナス0.03%

◎みずほ証券の丹治倫敦シニア債券ストラテジスト
*日銀ペッグレンジ内で推移するとみるが、中期的にはレンジの下方の推移が長くなると予想
*追加緩和の可能性も考慮すれば、金利が会合直前の水準では積極的に国債購入した方が良いだろう
*長期金利の予想レンジはマイナス0.10%~0.05%
*T

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