ドル・円は100円台後半、欧州銀不安が重し-一時上昇場面も続かず

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  • 101円78銭までドル高・円安に振れた後、一時100円76銭まで反落
  • リスクセンチメントはあまり良くない-あおぞら銀

30日の東京外国為替市場では、ドル・円相場は上値の重い展開。欧州の金融機関に対する懸念を背景にセンチメントの悪化が重しとなった。

  午後3時55分現在のドル・円は前日比0.2%安の1ドル=100円88銭。正午ごろに101円78銭まで急速にドル高・円安に振れる場面が見られたが、午後3時すぎには101円を割り込み、一時100円76銭まで値を切り下げた。

  あおぞら銀行市場商品部部長の諸我晃氏は、期末ということで日中は特段方向感が出る動きはないかもしれないが、「欧州で金融機関の不安の話が出てきているので、リスクセンチメントはあまり良くない」と指摘。原油の上昇はドル・円が上に行く要因だがそれも一服しているところで、来週に向けて「ドル・円は上値の重い展開だと思う」と話した。

  30日の東京株式相場は下落。ドイツ銀行の経営懸念から29日の米国株が下落した流れを引き継ぎ、日経平均株価は200円を超える下げとなった。ブルームバーグが確認した内部文書によると、ドイツ銀のプライムブローカーサービスを利用していたファンドは今週、保有する上場デリバティブ(金融派生商品)の一部を他の金融機関に移した。

  朝方発表された日本の8月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年同月比0.5%低下となった。市場予想(同0.4%低下)を下回ったが、相場の反応は限られた。中国の9月の財新製造業購買担当者指数(PMI)は50.1で予想と一致した。  

  日本銀行の黒田東彦総裁は衆院予算委員会で答弁し、長期国債の買い入れ額は増減することはあると述べた。日銀は午前の金融調節で長期国債買い入れオペ実施を通知。残存期間「5年超10年以下」が4100億円と前回4300億円から減額となった。

  諸我氏は、今夕に日銀が公表する当面の長期国債買入れの運用は注目だとし、「量が減額されるとテーパリングが想定されてしまうので、そうなった場合には円高要因になる」と指摘した。

  サマーズ元米財務長官は都内で行われたカナダ銀行・日銀共催のイベントで記者団に対し、日銀の新たな政策枠組みは正しい方向と語った。

  日中のドル・円の急上昇については、期末に絡んだ投資家の買いなどさまざまな解説が聞かれた。FXプライムbyGMOの柳沢浩チーフアナリストは、「昨日も仲値のあたりから上がり始めたので、期末に絡んだ特殊玉の可能性はありそう。日銀のETF(指数連動型上場投資信託)買い期待もあるかもしれない」と話した。

  バンク・オブ・アメリカ外国為替本部の岩崎拓也営業本部長は、「あえてイベントドリブンのフローを期末に当ててくるというのも考えにくい」とし、ドル・円の上昇の背景は「ちょっと想像しづらい」と指摘。「 水準としては一応きのうやったような水準ではあるので、それを上抜けしていかない限りはこのまま背景も分からずに終わる可能性は高い」と話していた。

  前日の海外市場では原油高を受けたリスク選好の流れや4-6月の米国内総生産(GDP)改定値の上方修正などを受けて、一時101円84銭と約1週間ぶりの水準までドル高・円安が進行。その後は米国株の下落や米長期金利の低下を背景に100円台後半まで戻す場面があった。

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