利上げに意欲的な地区連銀総裁、慎重姿勢のFRB理事との溝深まる

  • 米金融当局内で地区連銀総裁主導の「小さな反乱」-コスターグ氏
  • フィラデルフィア連銀総裁は「後手に回る」リスクを懸念

29日の米金融政策当局者による一連の発言は、利上げに意欲的な多数の地区連銀総裁とワシントンの連邦準備制度理事会(FRB)理事との意見の溝が深まっていることを鮮明にした。

  イエレンFRB議長は連邦公開市場委員会(FOMC)メンバー17人のコンセンサス維持に懸命に取り組んできたが、ここにきてそれがほころび始めている。先週のFOMCでは地区連銀総裁3人が利上げを支持して金利据え置きに反対票を投じた。その後も他の当局者から今年初の引き締めを望む声が続いている。

  フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は29日、後手に回ることのないようインフレに先行して利上げを開始すべきだと指摘。ボストン、ダラス、サンフランシスコ、クリーブランド、カンザスシティーの各連銀総裁のここ数日の発言に同調した。

  一方、パウエルFRB理事は当局が引き続き辛抱強くなれると述べ、イエレン議長を含む他の理事3人の最近の発言に沿った見解を示した。パウエル理事は「インフレが目標値を下回っており、過去5年間はその状態だ。世界的に見ると成長は弱く、デフレ圧力もある」と語った。

  FOMCは9月20-21日の会合で、雇用の伸びが持続し、インフレ率が当局の目標とする2%に近づくさらなる証拠を待ちたいとして政策金利を6会合連続で据え置くことを決めた。ただ、利上げの論拠は強まっているとの見解も示し、大方の参加者は年内1回の利上げを予想した。ボストン連銀のローゼングレン総裁とクリーブランド連銀のメスター総裁、カンザスシティー連銀のジョージ総裁は、0.25ポイントの利上げを支持するとして、金利据え置きには反対した。

  スタンダードチャータードのエコノミスト、トーマス・コスターグ氏は「米金融当局内で地区連銀総裁主導の小さな反乱が見られる」と指摘。地区連銀総裁は最近のこのような主張にもかかわらず、イエレン議長らFRB理事の準備が整うまでは利上げを強いることはできないだろうと予想した。

原題:Fed Divide Sharpens Between Washington and Regional Chiefs (1)(抜粋)

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