米国株:下落、金融株に売り-ドイツ銀行への懸念が波及

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29日の米国株は下落。ドイツ銀行をめぐる懸念が世界的に金融セクターに波及するとの見方から、銀行株が下げた。ヘルスケア銘柄は規制強化で利益が圧迫されるとの観測で売られた。

  ブルームバーグ・ニュースが確認した内部文書によると、デリバティブ(金融派生商品)取引をドイツ銀行と決済するファンドの幾つかが、同行に置いている余剰現金やポジションを引き揚げた。ドイツ銀に対する取引相手方の懸念の高まりが示唆され、米金融株は午前の上げを失い、下げに転じた。ヘルスケア関連では、ジョンソン・エンド・ジョンソンやファイザーが下げた。

ドイツ銀行のロゴ(ベルリン)

Photographer: Krisztian Bocsi/Bloomberg

  S&P500種株価指数は前日比0.9%下げて2151.13 。ダウ工業株30種平均は195.79ドル(1.1 %)安の18143.45ドルだった。ナスダック総合指数は0.9%下げた。

  フランク・キャピタル・パートナーズのポートフォリオマネジャー、ブライアン・フランク氏は「金融業界は今、問題を抱えている」と述べ、「株式市場に不安やボラティリティがないからこそ、ドイツ銀のような材料を受けて投資家は、これほどバリュエーションが高い状態でのトレードに不安を感じるのかもしれない。ウェルズ・ファーゴの問題もあり、米銀にとっては厳しい状況だ」と続けた。

  S&P500種の産業別11指数はすべて下落。ヘルスケアは1.8%安。米大統領選挙で民主党候補のヒラリー・クリントン氏が勝利した場合、製薬業界に対する規制が強化されて利益が圧迫されるとの懸念が広がった。
   
  利上げが近づいている可能性を示唆する発言が米金融当局から相次いだ。アトランタ連銀のロックハート総裁は、米経済が最大限の雇用および2%付近での安定したインフレという当局の目標に近づきつつあり、そう遠くない将来に利上げが可能な状態になるとの認識を示した。 

  ウェルズ・ファーゴは2.1%下落。顧客に無断で口座を開設した問題で揺れる同行は、今度は複数の軍関係者の自動車を不正に差し押さえたとして米司法省から制裁を科される見通しとなった。この調査に詳しい関係者2人が明らかにした。

  ニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が続伸し、1カ月ぶりの高値をつけた。石油輸出国機構(OPEC)が8年ぶりに減産で合意したことを受けた買いが続いた。エネルギー株指数はほぼ変わらず。マーフィー・オイルやトランスオーシャンが上昇した一方、バレロ・エナジーやテソロが売りを浴びた。

原題:U.S. Stocks Retreat as Deutsche Bank Woes Hit Financial Shares(抜粋)

(第2段落を追加し、第4段落以降を追加します.)
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