9月29日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル指数が反発、米経済指標受けて利上げ観測強まる

  29日のニューヨーク外国為替市場ではドルが堅調。ドル指数は反発した。米国内総生産(GDP)や新規失業保険申請件数を受けて年内の利上げ観測が強まった。

  ドルは主要通貨の大半に対して上昇した。4-6月(第2四半期)の米実質GDP確定値は改定値から上方修正された。先週の米週間新規失業保険申請件数は、前週比で増加したが市場予想は下回った。アトランタ連銀のロックハート総裁は、金融当局は最大限の雇用および2%付近での安定したインフレという目標に近づきつつあると指摘。カンザスシティー連銀のジョージ総裁は引き締め政策を支持する考えを示した。

  BNPの外為ストラテジスト、サム・リントンブラウン氏は「米金融政策当局者は引き続き最善を尽くして、市場が織り込む12月利上げの可能性を高めようとしている」と述べた。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は28日、連邦公開市場委員会(FOMC)の大半のメンバーは年内の利上げを見込んでいるとあらためて説明した。これを受け、ドル指数は年初からの下げを4%安に縮小した。金利先物市場が示す年末までの利上げ確率は53%となっている。

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は4日ぶりに上げ、前日比0.2%高。月初からでは0.4%、四半期ベースでは0.2%それぞれ下げている。ドルは対円で前日比0.3%高の1ドル=101円03銭。対ユーロではほぼ変わらずの1ユーロ=1.1222ドル。
原題:Dollar Gains for First Day in Four as U.S. Data Back Rate Hike(抜粋)

◎米国株:下落、金融株に売り-ドイツ銀行への懸念が波及

  29日の米国株は下落。ドイツ銀行をめぐる懸念が世界的に金融セクターに波及するとの見方から、銀行株が下げた。ヘルスケア銘柄は規制強化で利益が圧迫されるとの観測で売られた。

  ブルームバーグ・ニュースが確認した内部文書によると、デリバティブ(金融派生商品)取引をドイツ銀行と決済するファンドの幾つかが、同行に置いている余剰現金やポジションを引き揚げた。ドイツ銀に対する取引相手方の懸念の高まりが示唆され、米金融株は午前の上げを失い、下げに転じた。ヘルスケア関連では、ジョンソン・エンド・ジョンソンやファイザーが下げた。

  S&P500種株価指数は前日比0.9%下げて2151.13 。ダウ工業株30種平均は195.79ドル(1.1 %)安の18143.45ドルだった。ナスダック総合指数は0.9%下げた。

  フランク・キャピタル・パートナーズのポートフォリオマネジャー、ブライアン・フランク氏は「金融業界は今、問題を抱えている」と述べ、「株式市場に不安やボラティリティがないからこそ、ドイツ銀のような材料を受けて投資家は、これほどバリュエーションが高い状態でのトレードに不安を感じるのかもしれない。ウェルズ・ファーゴの問題もあり、米銀にとっては厳しい状況だ」と続けた。

  S&P500種の産業別11指数はすべて下落。ヘルスケアは1.8%安。米大統領選挙で民主党候補のヒラリー・クリントン氏が勝利した場合、製薬業界に対する規制が強化されて利益が圧迫されるとの懸念が広がった。
   
  利上げが近づいている可能性を示唆する発言が米金融当局から相次いだ。アトランタ連銀のロックハート総裁は、米経済が最大限の雇用および2%付近での安定したインフレという当局の目標に近づきつつあり、そう遠くない将来に利上げが可能な状態になるとの認識を示した。 

  ウェルズ・ファーゴは2.1%下落。顧客に無断で口座を開設した問題で揺れる同行は、今度は複数の軍関係者の自動車を不正に差し押さえたとして米司法省から制裁を科される見通しとなった。この調査に詳しい関係者2人が明らかにした。

  ニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が続伸し、1カ月ぶりの高値をつけた。石油輸出国機構(OPEC)が8年ぶりに減産で合意したことを受けた買いが続いた。エネルギー株指数はほぼ変わらず。マーフィー・オイルやトランスオーシャンが上昇した一方、バレロ・エナジーやテソロが売りを浴びた。
原題:U.S. Stocks Retreat as Deutsche Bank Woes Hit Financial Shares(抜粋)  

◎米国債:上昇、一時の下げから反転-ドイツ銀めぐる懸念で逃避需要

  29日の米国債相場は上昇。一時下げていたが反転した。ドイツ銀行の一部顧客が同行へのエクスポージャーを減らしているとの一部報道が手掛かり。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.56%。

  ブルームバーグ・ニュースは、デリバティブ(金融派生商品)取引をドイツ銀行と決済するファンドの幾つかが、同行に置いている余剰現金やポジションを引き揚げたと報じた。これに反応し、米国債や金、円といった安全資産の需要が強まった。

  コロンビア・スレッドニードル・インベストメンツのシニアグローバル金利アナリスト、エド・アルハッサイニー氏は「一歩引いて見てみれば、ドイツ銀の支払い能力はまだ重大リスクではないようだ」としながらも、「実際に問題となり始めた場合、事態は非常に急速に進むものだ」と加えた。

  米国債の年初来リターンは5%超。英国の欧州連合(EU)離脱の余波などをめぐる懸念や世界的な成長停滞から安全資産を求める動きが広がった。

  BNPパリバの米金利戦略ディレクター、ティモシー・ハイ氏は「銀行銘柄を中心に株式相場が下げる状況では質への逃避が起きる」とし、「市場では多くのうわさが流れており、安全志向が広がっている」と続けた。

  米金融当局者らは今週、利上げの論拠が強まったとの認識をあらためて示しているが、金融政策に最も敏感な2年債の利回りは9月に入りあまり変化していない。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は28日の議会証言で、大半のメンバーは年内の利上げを見込んでいると説明。カンザスシティー連銀のジョージ総裁は29日、経済専門局CNBCのインタビューで、「今こそ」動くときだとの見解を示した。

  キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャスティン・レデラー氏は「レンジ取引の環境が続いている」とし、「海外の中央銀行が金利を据え置いているためといえるが、緩慢で弱い成長環境における金利の動き方でもある」と加えた。
  
  2年債利回りは2bp低下の0.73%。利回りの動きは今月に入り11bpのレンジにとどまっている。同年債(表面利率0.75%、2018年9月償還)価格は100 1/32。

原題:Treasuries Gain as Deutsche Bank Contagion Fear Fuels Haven Bid(抜粋)
原題:Fedspeak Can’t Jolt 2-Year Notes From Tightest Range Since 2014(抜粋)
  

◎NY金:小動き、ボラティリティは1年ぶり低水準に近い

  29日のニューヨーク金先物は小動き。スポット価格はほぼ変わらず。先物は小じっかりとなった。金相場のボラティリティ(60日ベース)は約1年ぶりの低水準に接近し、上場投資信託(ETF)を通じた金の保有高の伸びは減速している。

  ミトンオプティマル・グループ(ケープタウン)の商品担当最高投資責任者(CIO)、アンディー・ファフ氏は「強気姿勢に変わりはないが、少し落ち着かない気持ちになることはある」と話す。「年初には大規模で衝動的な強気な動きがあったが、モメンタムの低下につれ、いくらか調整が入った。値固めレンジに入っているように思われる」と述べた。

  ニューヨーク時間午後2時55分現在、金スポット価格は0.1%未満下げて1オンス=1321.20ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金12月限は0.2%高い1326ドルで終了した。

  銀は上昇。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のパラジウムとプラチナも買われた。
原題:Bulls Feeling Frayed as Gold’s First-Half Run Fades Into History(抜粋)

◎NY原油:続伸、1カ月ぶり高値-OPEC減産合意で買い

  29日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が続伸し、1カ月ぶりの高値。石油輸出国機構(OPEC)が8年ぶりに減産で合意したことを受けた買いが続いた。

  シティグループの商品調査責任者、エド・モース氏はOPEC合意について、「40ドルを割り込む前に手を打つという姿勢を見せた」と指摘。「サウジは従来、原油価格は市場に決めさせるという姿勢だったが、これを少し変更した。今では収入を最大化するために季節的な調整を加える意向だ」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は前日比78セント(1.66%)高い1バレル=47.83ドルで終了。終値ベースで8月23日以来の高値。ロンドンICEのブレント11月限は55セント(1.1%)上昇し49.24ドル。同限月は30日に最終取引となる。
原題:Oil Climbs to One-Month High After OPEC Agrees on Production Cut(抜粋)

◎欧州株:小幅高、米経済指標の発表で上昇分のほとんどを消す

  29日の欧州株式市場では指標のストックス欧州600指数が小幅に上昇した。米金融当局が利上げを検討する中で同国の経済指標が景気に対する不安を呼び、欧州株は石油・ガス銘柄主導による序盤の上昇を維持できなかった。

  ストックス欧州600指数は前日比0.15ポイント高の342.72で終了。石油輸出国機構(OPEC)が予想に反して原油減産の合意を成立させたことが石油株を後押しし、指数は一時1.1%上昇したが、引け間際の1時間で上げ幅をほぼ完全に消した。8月の米中古住宅販売成約指数が低調だった一方、アトランタ連銀のロックハート総裁は雇用の最大化と2%付近でのインフレ安定という連邦準備制度の目標達成に近づいているとの認識を示した。

  個別では、ロイヤル・ダッチ・シェルが5.9%高、トタルが2月以来の上げ幅となる4.2%高、BPが4.3%高と、石油銘柄が軒並み急上昇した。石油・ガス銘柄の予株価収益率(PER)は予想ベースで約15倍で、ストックス600指数と比較して1月以降最も割安な水準にあった。

  ロイヤル・ロンドン・アセット・マネジメントの運用者でシェル、BPに投資するデレク・ミッチェル氏は、OPEC合意について「まったく減産を期待していなかったため、不意を突かれた」と述べ、「原油価格に下値サポートができたというメッセージだ。石油市場の供給減少は利益を支え、危ぶまれていた一部の配当維持を後押しするだろう。この減産が長続きしないとの見方が多いのはもっともだが、好材料には違いない」と続けた。

  この日の銀行株はまちまち。クレディ・スイスは1.8%高。住宅ローン担保証券の組成・販売をめぐる問題で、米当局と数週間以内に決着を付ける可能性があるとブルームバーグが報じた。スペインのバンキアは2%高。スペイン政府はバンキアとバンコ・マレ・ノストルムの合併を検討している。ドイツ銀行も1%高と堅調。配当停止と9600人の人員削減を発表したコメルツ銀行は朝方の上昇から下げに転じ、3.1%安で取引を終えた。
原題:European Stocks Fail to Maintain Gains After U.S. Economic Data(抜粋)

◎欧州債:ドイツ10年債が反落、OPEC減産合意でインフレ上昇に期待

  29日の欧州債市場では、ドイツ10年債が4営業日ぶりに下落。石油輸出国機構(OPEC)の原油減産合意が消費者物価を押し上げ、ECBの取り組みを後押しするとの臆測が背景にある。

  OPECが28日にアルジェで開いた会合で予想外の合意を成立させ、ドイツ10年債は11週間ぶりの安値近辺から上昇。原油価格は過去5カ月間で最大の上昇を果たした。

  トロント・ドミニオン銀行(TD)のグローバル戦略責任者、リチャード・ケリー氏はOPECの合意について、「この日の市場に影響はあったが、全世界のインフレにどのような持続的影響があり、実際に何が変わったのかなど多くの疑問がある」と指摘。「28日の会合では誰も多くの成果を期待していなかったため、やや価格水準の修正が見られている。長期的には状況は何も変わっていない」と述べた。

  ロンドン時間午後4時1分現在、ドイツ10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇のマイナス0.12%。27日にはマイナス0.16%と、7月12日以来の低水準を付けていた。2026年8月償還のゼロクーポン債価格はこの日、0.296下げ101.149となった。
原題:German Bonds Fall First Time in 4 Days After OPEC Oil Output Cut(抜粋)

(米国株、米国債を更新します.)
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