長期金利が上昇、長期ゾーンの日銀買いオペ減額で売り-中期債は堅調

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  • 長期金利はマイナス0.07%と3営業日ぶりの水準まで上昇
  • マイナス0.1%と示したかった以外は減額の理由見当たらず-岡三証

債券市場では長期金利が上昇。一時マイナス0.07%と3営業日ぶりの高水準を付けた。日本銀行が長期ゾーンの国債買い入れオペを減額したことを受けて売りが優勢となった。半面、中期債と先物相場は買いが優勢で堅調推移となった。

  30日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ばいのマイナス0.09%で開始。午前10時10分の日銀オペ通知後には一時2ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.07%と、27日以来の水準に上昇した。その後はマイナス0.08%を付けている。

  新発20年物の158回債利回りは1bp低い0.33%で始まった後、一時は0.365%まで上昇した。新発30年物52回債利回りは1.5bp低い0.42%で始まった後、0.47%まで水準を切り上げた。新発40年物の9回債利回りは0.5bp低い0.505%で推移した。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、「日銀オペでの5-10年ゾーンの減額は、10年債利回りがマイナス0.09%まで低下していたことを考えると『なきにしもあらず』だった」と指摘。「次の決定会合まではマイナス0.10%までは下げたくないという日銀からのサインとみることもできる。超長期ゾーンは減額しなかったため、市場の反応は10年まではベアスティープ化、10年超はベアフラット化と、完全に分断されている」と話した。

  一方、中期債は堅調。新発2年物の369回債利回りは2bp低いマイナス0.285%まで低下した。新発5年物の129回債利回りは1bp低いマイナス0.25%と8月1日以来の低水準を付けた。

  長期国債先物市場で中心限月12月物は、前日比6銭高の152円37銭で取引を開始し、いったん152円39銭まで上昇した。日銀オペ通知後は売りが優勢となり、152円15銭まで下落した。午後に入ると、オペの結果に波乱なかったことを受けて、プラス圏に値を戻し、結局は3銭高の152円34銭で引けた。

日銀買い入れ

  日銀が実施した今月10回目となる長期国債買い入れオペの結果によると、前回4300億円から4100億円へ減額となった残存期間「5年超10年以下」の応札倍率は前回から低下した。一方、前回と同額だった「10年超25年以下」と「25年超」は上昇した。 

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「10年債利回りの下限をマイナス0.1%と示したかった以外に今日のオペを減額する理由は見当たらない。10月は減額していく方向を示唆しているのかどうか発表を待ちたい」と指摘。「超長期ゾーンのオペ結果は応札倍率が上昇しており、10月のオペ方針発表前にいったん売っておこうという人もいたかもしれない」と分析した。 

日本銀行

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日銀はこの日の午後5時に当面の長期国債買い入れ運営方針を発表する。毎月、年限ごとに翌月の1回当たりの買い入れ額の目安を示してきた。新たな金融政策の枠組み導入に伴い、10月から超長期ゾーンの買い入れが減額されるかが注目されている。 

  みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、「超長期ゾーンは円高進行を警戒して減額が見送られるとの観測もあるが、超長期ゾーンは減額を織り込んできた面もある」と説明。「ここで一切減らさないとフラット化が進み、日銀の意図とは違う方向に進んでしまう可能性がある。やはり減額する方向ではないか」と述べた。

  一方、SMBC日興証の竹山氏は、「今回の動きを受け、今夕発表する買い入れ方針では、意外と超長期ゾーンを減らしてこない可能性がある」と予想。「5-10年はこのまま1回200億円減らし、1-3年と3-5年に100億円ずつ割り振ればトントンになる計算。そうなると、小幅な調整にとどめ、超長期ゾーンの金利低下抑制にはあまりこだわっていないとも取れる。日銀が10年超のフラット化についてどう考えているのか、気になるところ。減額しなければ、需給がじりじりと締まっていき、10年超はフラット化していくとみられるからだ」と語った。

  朝方発表された経済指標では、8月の全世帯家計調査・実質消費支出が前年比4.6%減少、消費者物価指数(CPI)で9月東京都区部の食料・エネルギーを除くコアコアは前年比0.1%低下、8月の鉱工業生産指数は前月比1.5%上昇となった。

  マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は、「家計調査は悪く、東京都区部コアコアが落ちている。日銀総裁は人々の期待インフレ率を上げていくことを目標にしているので嫌だろう。一方、生産は良かった」と述べた。

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