アルゴリズムには限界-AI駆使するヘッジファンド会社ツー・シグマ

  • 従来型のヘッジファンドはAIの一部である機械学習に注目している
  • シーゲル氏のファンド、コンパスは1-8月リターンがプラス12.6%

クオンツ運用ヘッジファンドの先駆者、デービッド・シーゲル氏は人工知能(AI)を活用して自身のツー・シグマ・インベストメンツを資産規模370億ドル(約3兆7600億円)のヘッジファンド会社に成長させた。そのシーゲル氏が、AIには背景知識や感覚を指すコモンセンス(常識)が欠けていると警告した。

  同氏によると、アルゴリズムには限界がある。イメージ対象を差異化する方法について教えるためのトレーニングデータ量が不足しているためという。

デービッド・シーゲル氏

Photographer: Thos Robinson/Getty Images

  シーゲル氏はブルームバーグ・マーケッツの28日の会議で、「現在のAIにはコモンセンスとでも言えるようなものが欠けている。コモンセンスが知能の鍵を握る特徴だ」と話した。

  ツー・シグマはAIの一つの形である機械学習の技術を活用。株式や債券のアクティブ運用者が市場全体のリターンを上回るのに苦戦する中、ヘッジファンドはこの技術に関心を寄せている。機械学習のアルゴリズムは大量の金融データから自動的にパターンを読み取り、投資戦略を決める。この方法から利益を得ようとしているヘッジファンドには、ハイブリッジ・キャピタル・マネジメント、ブリッジウォーター・アソシエーツ、ポイント72アセット・マネジメントなどが含まれる。

  シーゲル氏は「現在のAIが解決するのは特定の問題であって、全てではない」とし、「普通の人間のような知能をつくるには今後長い道のりがかかりそうだ」と話した。

  同氏が2001年に共同創業したツー・シグマはクオンツ投資の成功例の一つ。ニューヨークが本社の同社資産は10年前の約25億ドルから大幅増加。投資家向け書類によると、同社の旗艦ファンドであるコンパスは今年1-8月のリターンがプラス12.6%と、ヘッジファンド全体の2.2%を上回った。ブルームバーグの集計データが示した。同社の広報担当ペリン・ウィーラー氏は運用成績に関するコメントを控えた。

  クオンツ運用のヘッジファンドは全体でみても、もう何年も伝統的なヘッジファンドの成績を上回っている。ヘッジファンド・リサーチの指数によると、クオンツの過去5年の成績は年平均プラス4.5%。ヘッジファンド業界の平均は3.5%。 

  ツー・シグマのウェブサイトによれば、同社の従業員は1000人余りで、国際数学オリンピックの金銀メダル受賞者8人が含まれる。シーゲル氏はマサチューセッツ工科大学(MIT)でコンピューターサイエンスの博士号を取得した。

原題:Two Sigma Says Artificial Intelligence Lacks Smarts (2)(抜粋)

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