8月の消費者物価0.5%低下、事前予想下回る-6カ月連続マイナス

更新日時
  • コアコアCPIは0.2%上昇、事前予想と同じ
  • 日銀版コアCPIは0.4%上昇-7月から鈍化

8月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は6カ月連続のマイナスとなった。宿泊料が下落したほか、生鮮食品を除く食料の伸びが鈍化したことが全体を押し下げた。

  総務省が30日発表した8月の全国コアCPIは前年比0.5%低下した。マイナス幅は前月と同じだった。ブルームバーグがまとめた予想中央値(0.4%低下)を下回った。物価の基調を見る上で参考となる食料(酒類を除く)とエネルギーを除く総合、いわゆるコアコアCPIは0.2%上昇とプラス幅は前月(0.3%上昇)から縮小、事前予想と同じだった。

  第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは23日付のリポートで、「エネルギーのマイナス寄与が依然大きいことに加え、円安効果の一巡からエネルギー以外の鈍化も目立つようになっており、物価の下押し要因となっている」と指摘。当面この傾向は続き、CPI前年比は「マイナス圏での推移となる可能性が高い」としていた。

  先行指標の東京都区部9月中旬速報はコア指数が0.5%低下と7カ月連続のマイナスとなった。マイナス幅は前月(0.4%低下)から拡大した。コアコアCPIは0.1%低下と前月(0.1%上昇)を下回り、マイナスに転じた。事前の予想はそれぞれ0.4%低下、0.1%上昇だった。

  ゴールドマン・サックス証券の馬場直彦チーフエコノミストは発表後のリポートで、「エネルギー価格の前年比での影響はプラス方向へと移行しつつあるが、国内物価では円安コストプッシュの影響がはく落したばかりか、昨年に上昇した反動でテレビなど耐久財価格の前年比マイナス幅が拡大している」と指摘。コアCPIは今後緩やかに低下幅を縮小させるものの、エネルギーを除くコアコアCPIや日銀版コアCPIの「減速傾向は当面続きそうだ」としている。

  日銀は物価の基調を見る上で、独自に公表するエネルギーと生鮮食品を除いたいわゆる日銀版コアCPIを重視している。7月分は前年比0.5%上昇だったが、30日午後発表した8月分の指数は0.4%上昇と伸び率が鈍化した。ゴールドマンの馬場氏は日銀版コアCPIは0.4%上昇を予想していた。

デフレ脱却は想定以上に時間

  日銀は21日の金融政策決定会合で、総括的な検証を行い、「長短金利操作付き量的・質 的金融緩和」を導入することを決定した。長短金利の操作を行う「イールドカーブ・コントロール」と、消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%の物価目標を超えるまでマネタリーベースの拡大方針を継続する「オーバーシュート型コミットメント」が柱。

  黒田東彦総裁は26日の講演で、「デフレからの脱却には想定以上に時間がかかっている」と指摘。「日本経済のために必要であると判断すれば、ちゅうちょなく調整を行う」として、その際は「マイナス金利の深掘りと長期金利操作目標の引き下げが中心的な手段になる」と述べた。

(第5段落にコメント、第6段落に日銀コアCPIを追加します.)
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