OPEC、8年ぶりの減産で合意-イラン増産容認でサウジが譲歩

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  • 日量3250万-3300万バレルまで減産する枠組みで合意
  • 各加盟国の目標設定や非加盟国への働き掛けが課題、懐疑的な見方も

石油輸出国機構(OPEC)は28日、アルジェリアの首都アルジェで非公式会合を開き、8年ぶりの減産の枠組みで合意した。イランとサウジアラビアの対立解消は容易でなく、生産目標の棚上げ状態が継続すると予想していた市場は不意を突かれた。

  同会合に出席した石油相らによれば、OPECは原油生産を日量3250万-3300万バレルのレンジまで減らすことで合意した。これを受け、同日のニューヨーク原油先物相場は5%強上昇した。

OPEC

Photographer: Lisi Niesner/Bloomberg

  今回、合意に至ったのは、OPECの盟主サウジが大幅に譲歩し、イランに限って増産を認めたためだ。詳細の多くは今後詰める必要があり、OPECは11月末の次回会合まで各国の目標生産量を決めない方針。

  合意の影響はOPEC以外にも波及しそうだ。米エクソンモービルのような石油メジャーから米国の中小シェールオイル企業に至るエネルギー業界全体にとって明るい兆しとなる。また石油埋蔵量が豊富なロシアやサウジの経済を押し上げる見通しだ。ただ消費者にとってはガソリンなどの値上がりを意味する。

  生産レンジ下限の日量3250万バレルとなれば、OPECの8月の生産水準から日量75万バレル近く減らすことになる。

新局面か

  ソシエテ・ジェネラルの石油市場調査責任者、マイク・ウィットナー氏(ニューヨーク在勤)は「減産は明らかに強材料だ」とした上で、「より重要なのはサウジが市場管理へと回帰していると見受けられることだ」と指摘した。
 
  今回の合意はまた、サウジとイランの関係が新たな局面に入ったシグナルといえそうだ。両国は2014年以来、産油政策で対立。シリアとイエメンの内戦でも異なる勢力を支援してきた。ロシアとアルジェリア、カタールの仲介によって、サウジ、イラン両国政府が相違を克服できたことを合意は示唆している。

  イランのザンギャネ石油相は会合終了後、「われわれは日量3250万-3300万バレルの生産レンジはOPEC加盟国の間で配分すべきだと決めた」と語った。

  ロンドンのブレント原油は一時6.5%高の1バレル=48.96ドルを付けた。エクソンモービルの28日終値は4.4%高の86.90ドル。

懐疑的

  国際エネルギー機関(IEA)が来年も原油軟調の見通しを示す中、減産合意はOPECの利害に大きく関わってくる。世界最大の石油取引会社ビトル・グループのイアン・テーラー最高経営責任者(CEO)はロンドンでこの日開かれたブルームバーグ会議で、産油国が市場への大量供給をやめない限り、原油市場の供給過剰は18年まで続く可能性があると指摘していた。

  OPEC会合を見守るためアルジェに滞在中のコンサルティング会社メドレー・グローバル・アドバイザーズのディレクター、ヤサー・エルギンディ氏はアルジェでの合意について、放逸な原油市場を2年間試した後、「供給管理への回帰」を示唆すると指摘。「サウジが供給を減らしても価格が上がれば収入が増えるということだ」と説明した。

  今後OPECは生産目標の詳細設定で加盟国の合意を取り付ける必要があるほか、ロシアなどの非加盟国に生産上限を設けるよう説得しなければならない。

  暫定集計によると、ロシアの9月の産油量は日量1110万バレルと前月を40万バレル上回り、ソビエト連邦崩壊後の最高水準を記録した。ロシアはアルジェでの会合に参加したが、OPEC合意には加わっていない。

  しかし市場ではOPECが今回の合意をどの程度実行に移せるかについて懐疑的な見方も出ている。石油コンサルティング会社ラピダン・グループ(ワシントン)の創設者、ボブ・マクナリー氏は「OPECは口先介入で市場センチメントを巧みに操れることをあらためて示した」とした上で、「OPECが実際に供給管理を実行するかについては、時がたてば分かるだろう。しかし、アルジェ会合の結果からは不透明だ」と指摘した。
 
原題:OPEC Agrees on Framework for First Production Cut in Eight Years(抜粋)

(3段落目以降にイランに関する情報などを追加して更新します.)
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