米国債:続伸、金融緩和維持期待でボラティリティは14年来低水準

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接戦が予想されている米大統領選挙やドイツ銀行の財務健全性をめぐる懸念も、金融当局の緩和政策で落ち着きを維持している国債市場を動揺させるには不十分なようだ。

  米国債市場のボラティリティを示す指数は27日に2014年12月以来の水準に低下。米国債以外の金融市場での混乱から、安全資産を求める動きが強まっている。27日の米国債市場では10年債相場が続伸した。

  米国債市場が比較的落ち着いているのは、金融政策でのサプライズは当面ほとんどないと市場が見込んでいるためだ。

  BMOキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、アーロン・コーリ氏は「ほとんど意図された通りの展開だ。主要金融当局は何もしないからリラックスしてよいと市場に伝え、市場はそれを真に受けている」と分析した。

米金融当局は静観か

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.56%。同年債(表面利率1.5%、2026年8月償還)価格は99 15/32。

  ボラティリティの指標であるバンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチのMOVE指数は26日に58.9と、終値ベースで1年9カ月ぶり低水準となった。同日まで5営業日連続で低下した。連邦公開市場委員会(FOMC)の政策発表の前日となる20日以降では14%低下している。

  日本銀行は21日、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の導入を決定した。短期政策金利のマイナス金利を維持すると同時に10年国債利回りを0%に誘導する。

  TDセキュリティーズの金利ストラテジスト、ジェナディ・ゴールドバーグ氏は「金融危機を受けて債券市場はグローバル化が強まっている。多くの投資家がより良いリターンを求めて海外に目を移しているためだ」と指摘。日銀の決定は、米英独の国債市場で「ボラティリティの低下をもたらすだろう」と述べた。

  ブルームバーグがまとめた先物市場のデータによれば、米大統領選の約1週間前に開かれる次回FOMC会合での利上げ確率は約15%。年末までの利上げ確率は50%となっている。この算出は、利上げ後の実効フェデラルファンド(FF)金利が新たな政策金利レンジの中央値になるとの仮定に基づいている。

  BNPパリバの米国担当ストラテジスト、ティモシー・ハイ氏は、米大統領選が予想より接戦となるか、欧州銀行セクターの混乱が深まれば、それをきっかけにボラティリティが上昇する可能性があると指摘する。

  同氏は「ボラティリティ上昇につながるようなイベントが起きる前に明確な警告があるとは思わない」とし、「鳥の群れが方向を変える時の状況に似ている。一羽が方向を変えれば、他の鳥も一斉に方向を変える」と述べた。
  
原題:Bond Market in Deepest Central Bank-Induced Slumber Since 2014(抜粋)

(第6段落以降を追加し、更新します.)
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