9月27日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:円が下げを埋める、注目は大統領選討論会から欧州の銀行に

  27日のニューヨーク外国為替市場では円が下げを埋める展開。売りが先行したものの、欧州株の上値が重い上、ドイツ銀行が過去最安値をさらに更新したため買いが入った。

  円の相対的な安全性に対する需要が再び強まったことは、アジア市場で見られた米大統領選の候補者テレビ討論会の影響が欧州市場で続かなかったことを示している。欧州大陸の銀行セクターの健全性や米司法省による独フォルクスワーゲン(VW)への罰金をめぐる懸念が再燃し、円は下げ幅を縮小した。

  CNNとORCの世論調査によると、第1回テレビ討論会の視聴者の62%がクリントン氏が勝利したと回答。トランプ氏が勝利との答えは27%だった。これを受け、円は1カ月ぶり高値から下落した。アバディーン・アセット・マネジメントはトランプ氏が勝利した場合、高利回り資産が打撃を受けると指摘。BKアセット・マネジメントはトランプ氏が勝てば円を買うべきだと述べた。

  三菱東京UFJ銀行の外為ストラテジスト、リー・ハードマン氏(ロンドン在勤)は「欧州の銀行の健全性をめぐって懸念があり、円のリスクは上振れ方向に傾いている。米大統領選討論会の結果がどう受け止められようと、世論調査が拮抗(きっこう)したままだと市場はさらに神経質になるだろう」と指摘した。

  ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前日比ほぼ変わらずの1ドル=100円43銭。ユーロは対ドルで0.4%安の1ユーロ=1.1215ドル。

  米大統領選挙の結果を反映するとされているメキシコ・ペソはドルに対して一時2.2%上昇。主要31通貨の中で上昇率首位となった。討論会前は1ドル=19.9333ペソと過去最安値を記録していた。
原題:Yen Erases Drop as Traders Switch Focus to Europe’s Banking Woes(抜粋)

◎米国株:上昇、討論はクリントン氏優勢も原油安でエネルギー株に売り

  27日の米国株は上昇。この日は原油が下落しエネルギー株が売られた。前日の米大統領候補ヒラリー・クリントン、ドナルド・トランプ両氏によるテレビ討論会ではクリントン氏が優勢と市場は受け止めたが、株式相場には原油安や銀行不安など、他の要素が影響した。

  S&P500種株価指数は0.6%上昇して2159.93。 ダウ工業株30種平均は133.47ドル(0.7%)高の18228.30ドル。S&P500種のエネルギー株は0.5%下げた。

  マックイーン・ボール・アンド・アソシエイツ(ペンシルベニア州ベスレヘム)の最高投資責任者(CIO)、ビル・シュルツ氏は「根本的には何も変わっていない」と述べ、「関心は金利とファンダメンタルズの動向に戻った」と続けた。

  ロバート・W・ベアード(ミルウォーキー)のチーフ投資ストラテジスト、ブルース・ビトルズ氏は「昨夜はクリントン氏が優勢だと受け止められ、市場もそのように反応した。大統領選の年は与党が勝利すると相場は大きく上昇する傾向がある」と指摘した上で、「もろ刃の剣である原油相場はこの日、相場の上げを抑制した」と続けた。

  ドイツ銀行は米国での取引で0.6%高。2.4%安から戻した。前日は同行株への売り浴びせが波及し、S&P500種は0.9%下落した。この日のS&P500種の金融株は3日ぶりに上昇した。

  朝方発表された米消費者信頼感指数の上昇も支援材料となった。米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は、低金利が米労働市場の拡大を後押しし、賃金上昇に波及しつつあるとの認識を示した。雇用に対する楽観は、米消費者信頼感指数の上昇にも反映された。

  ソラリス・アセット・マネジメントのティモシー・グリスキー最高投資責任者(CIO)は「消費者信頼感指数は極めて強かった。前向きなサプライズであり、朝方の相場を支えた」と述べ、「しかしエネルギー株が大きな圧迫材料となった。それがなければ相場はさらに上昇していただろう」と続けた。

  この日の上げでS&P500種株価指数の月間ベースの下げは0.5%に縮小したものの、依然として1月以来で最悪。CBOEボラティリティ指数はこの日9.7%低下した。前日は2週ぶりの大幅な上昇だった。

  個別銘柄ではシスコシステムズが上昇。メキシコで向こう2年間で最大40億ドルを投じる計画だと事情に詳しい関係者が明らかにした。工場の改良や契約する製造業者を通じた生産拡大を予定しているという。
原題:Clinton Rally Runs Into Oil Retreat That Energy Bears Foresaw(抜粋)

◎米国債:続伸、金融緩和維持の期待でボラティリティは14年来の低水準

  接戦が予想されている米大統領選挙やドイツ銀行の財務健全性をめぐる懸念も、金融当局の緩和政策で落ち着きを維持している国債市場を動揺させるには不十分なようだ。

  米国債市場のボラティリティを示す指数は27日に2014年12月以来の水準に低下。米国債以外の金融市場での混乱から、安全資産を求める動きが強まっている。27日の米国債市場では10年債相場が続伸した。

  米国債市場が比較的落ち着いているのは、金融政策でのサプライズは当面ほとんどないと市場が見込んでいるためだ。

  BMOキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、アーロン・コーリ氏は「ほとんど意図された通りの展開だ。主要金融当局は何もしないからリラックスしてよいと市場に伝え、市場はそれを真に受けている」と分析した。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.56%。同年債(表面利率1.5%、2026年8月償還)価格は99 15/32。

  ボラティリティの指標であるバンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチのMOVE指数は26日に58.9と、終値ベースで1年9カ月ぶり低水準となった。同日まで5営業日連続で低下した。連邦公開市場委員会(FOMC)の政策発表の前日となる20日以降では14%低下している。

  日本銀行は21日、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の導入を決定した。短期政策金利のマイナス金利を維持すると同時に10年国債利回りを0%に誘導する。

  TDセキュリティーズの金利ストラテジスト、ジェナディ・ゴールドバーグ氏は「金融危機を受けて債券市場はグローバル化が強まっている。多くの投資家がより良いリターンを求めて海外に目を移しているためだ」と指摘。日銀の決定は、米英独の国債市場で「ボラティリティの低下をもたらすだろう」と述べた。

  ブルームバーグがまとめた先物市場のデータによれば、米大統領選の約1週間前に開かれる次回FOMC会合での利上げ確率は約15%。年末までの利上げ確率は50%となっている。この算出は、利上げ後の実効フェデラルファンド(FF)金利が新たな政策金利レンジの中央値になるとの仮定に基づいている。

  BNPパリバの米国担当ストラテジスト、ティモシー・ハイ氏は、米大統領選が予想より接戦となるか、欧州銀行セクターの混乱が深まれば、それをきっかけにボラティリティが上昇する可能性があると指摘する。

  同氏は「ボラティリティ上昇につながるようなイベントが起きる前に明確な警告があるとは思わない」とし、「鳥の群れが方向を変える時の状況に似ている。一羽が方向を変えれば、他の鳥も一斉に方向を変える」と述べた。
原題:Bond Market in Deepest Central Bank-Induced Slumber Since 2014(抜粋)

◎NY金:反落、1カ月ぶり大幅安-米消費者信頼感の上昇とドル高で

  27日のニューヨーク金相場は反落し、約1カ月ぶりの大幅安。米消費者信頼感指数の上昇とドル高で価値保存手段としての金投資需要が低下した。

  RBCウェルス・マネジメントのマネジングディレクター、ジョージ・ジロ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「またドル主導の展開になった。ドル堅調と年内利上げ観測が影響しているようだ」と指摘。「市場に政治的な影響が出ないか注意して見ている」と続けた。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日比1%安い1オンス=1330.40ドル。8月24日以来の大幅下落となった。

  銀先物12月限は2.2%下げて19.165ドル。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナは下げ、パラジウムは上げた。
原題:Gold Sags Most in a Month as U.S. Confidence, Dollar Damp Demand(抜粋)

◎NY原油:大幅反落、サウジ発言でOPEC合意への期待後退

  27日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が大幅反落。サウジアラビアは28日にアルジェで開かれる産油国会議で増産凍結の合意が成立する可能性は低いが、11月のウィーン会合で合意する可能性は残されているとの見方を示した。国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は、2017年の遅い時期まで需給バランスは回復しないと述べた。

  ESAIエナジー(マサチューセッツ州ウェイクフィールド)のマネジングディレクター、サラ・エマーソン氏は「実効性のあるOPEC合意は成立しないだろうとの実感が広がり、価格が下げていたところに、IEAが2017年いっぱい供給超過が続くとの見方を示し、売りに拍車をかけた」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は前日比1.26ドル(2.74%)安い1バレル=44.67ドルで終了。ロンドンICEのブレント11月限は1.38ドル(2.9%)下げて45.97ドル。
原題:Oil Falls as Saudis Says OPEC Output Freeze Unlikely Wednesday(抜粋)

◎欧州株:下げ止まり、銀行株は下げほぼ解消-米経済指標を好感

  27日の欧州株式相場は3営業日ぶりに下げが止まった。米経済指標が予想を上回る内容だったことを受け、銀行株は日中の下げ幅をほぼ消した。

  指標のストックス欧州600指数は前日比0.1%高の340.19で終了。米民間調査機関コンファレンスボードが発表した9月の米消費者信頼感指数が2007年以来の高水準に達したほか、米リッチモンド連銀がまとめた9月の製造業景況指数は予想を上回る拡大ペースだったことを背景に、ストックス600指数は日中安値の0.7%安から切り返した。

  銀行株指数は一時の1.3%安をほぼ解消し、0.2%安で引けた。ドイツのコメルツ銀行は2.2%下落。同行が人員削減と配当停止を計画していると報じられたことが嫌気された。クレディ・スイス・グループは3.3%値下がり。グローバルマーケッツ部門で一段と経費を削減する措置を模索しているとティアム最高経営責任者(CEO)が述べた。ドイツ銀行は変わらず。

  MPPM(独エップシュタイン)のギレルモ・ヘルナンデス・サンペレ氏は「市場には緊張感があるものの、パニックを引き起こす水準には達していない」とし、「欧州の一部金融機関はあまり健全な状態になく、市場ではこれが認識されている。夏季はボラティリティが落ち着いていたが、現在高まりつつあり、この対策を学ぶ必要がある」と語った。

  個別銘柄では、ベルギーのビールメーカー、アンハイザー・ブッシュ(AB)インベブは1%上昇。事情に詳しい関係者によると、同社の英SABミラー買収計画が委任状により議決権を行使したSAB株主の大半に支持された。株主総会は28日に行われる。

  一方、独自動車メーカーのフォルクスワーゲン(VW)は2%強の値下がり。米司法省がVWの排ガス不正に対する刑事責任追及で、どの程度の罰金を科せば同社を破綻させることなく相応の責任を負わせることができるかについて検討していると伝えられたことが売り材料。VWの主要株主であるポルシェ・オートモービル・ホールディングは2%下げた。
原題:Europe Stocks Halt 2-Day Rout as Banks Pare Drop After U.S. Data(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債など上昇、ドイツ銀めぐる懸念で-周辺国債は下げる

  27日の欧州債市場では最高格付けを付与されたドイツ国債などが買われた一方、周辺国債が売られた。ドイツ銀行の財務状態に対する懸念の高まりなどが背景にある。

  欧州債の指標とされるドイツ10年債利回りが7月以来の低水準まで下げたほか、同年限のフィンランド国債利回りは初めてゼロを下回った。周辺国では政治的リスクが注目されており、売りを促した。

  市場の二極化は欧州債務危機を想起させる。欧州中央銀行(ECB)が危機克服のため量的緩和(QE)を導入して国債を支え、政治的リスクを和らげる効果を挙げたことから、しばらくの間、二極化現象は薄れていた。

  しかし、ポルトガルに対する唯一の投資適格級の格付けが10月21日に見直されるほか、イタリアでレンツィ首相の進退が問われる政治改革法案の国民投票が10週間後に迫ってきたことから、投資家のレーダーには再び二極化現象の影が現れてきた。

  DZ銀行のユーロ圏担当主任市場ストラテジスト、ダニエル・レンツ氏は「ここ数日は安全を求める動きがやや出ており、イタリアとポルトガルを中心に周辺国債のスプレッドは拡大している。各国独自のリスクのためだ」とし、「銀行業界に対する不安の再燃」が域内で最も安全とされる資産の需要を高めていると語った。

  ドイツ銀の株価は上場来安値に接近。米司法省が独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正に対する刑事責任追及で、どの程度の罰金を科せば同社を破綻させることなく相応の責任を負わせることができるかについて検討していると伝えられたことを受け、欧州全体でも株安となった。

  ロンドン時間午後4時44分現在、ドイツ10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下のマイナス0.14%。一時は7月12日以来の低水準となるマイナス0.16%まで下げた。同国債(ゼロクーポン、2026年8月償還)価格は0.232上げ101.383。フィンランド10年債利回りは2bp下げマイナス0.012%.マイナス0.03%まで低下する場面もあった。

  一方、高利回りの国債は下落。スペイン10年債利回りは2bp上昇、同年限のイタリア国債利回りは3bp上げた。
原題:Bond Market Splits Over Deutsche Bank Woe With Periphery Shunned(抜粋)

(外為、米国株を更新します.)
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