債券上昇、従来通りのオペが強めの結果で買い-長期金利低下に警戒も

更新日時
  • 引き続き、手前のゾーン主導で強い-SMBC日興証
  • 長期金利マイナス0.09%、新発2年債利回りマイナス0.305%に低下

債券相場は上昇。前日の米国債相場が続伸したことに加えて、日本銀行が実施した長期国債買い入れオペが従来通りの金額となり、結果が強めとなったことで買い安心感が広がった。

  28日の長期国債先物市場で中心限月12月物は、前日比12銭高の152円27銭で取引を開始。午後に入るとオペ結果を好感して水準を切り上げ、一時152円43銭と中心限月で8月1日以来の高値を付けた。結局は21銭高の152円36銭で引けた。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、「引き続き、手前のゾーン主導で強い。10年債でマイナス0.1%に近い水準をゼロ%程度と言えるのか気になる展開だ。日銀は今朝のオペ提示を見てもまだアクションを取ってきていない」と述べた。オペ結果については、「今日は全体としてしっかりだった。10年超25年以下はしっかり、25年超は売り需要が少なく、よりしっかり。1年超3年以下は強く、3年超5年以下は無難だった」と分析した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低いマイナス0.085%で開始し、その後はマイナス0.09%と8月24日以来の水準に低下した。新発2年物の368回債利回りは一時マイナス0.305%と7月29日以来の低水準を付けた。新発20年物の158回債利回りは3bp低い0.35%、新発30年物の52回債利回りは4.5bp低い0.455%まで下げた。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「前日に米国債が買われた流れを引き継いでいる上、超長期ゾーンの国債買い入れオペがサポート要因。円高・株安でリスクオフ的な面もある。米大統領選はクリントン氏が優勢との見方からリリーフラリーも見られたが、欧州銀行不安がくすぶっており、ドル・円の上値は重い」と話した。

  日銀が実施した今月9回目の長期国債買い入れオペの結果によると、残存期間「1年超3年以下」と「10年超25年以下」の応札倍率が前回から低下した。一方、「3年超5年以下」と「25年超」は上昇した。4本とも従来通りの金額で、買い入れ下限利回りの設定などもなかった。バークレイズ証の押久保氏は、「月曜日に実施された日銀会合後の最初のオペ金額が従来通りだったので、今日も金額は変わらない」とみていた。

  長期金利が日銀が目安にしているゼロ%程度の水準から切り下がっていることへの警戒感が出ている。メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「わざわざ10年金利にゼロ%目標を設定した以上、金利低下を許容し過ぎると政策の不透明感が余計に強まる」と述べた。

日銀本店

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

国債買い入れ運営方針

  日銀は30日に、当面の長期国債買い入れの運営方針を発表する。10月から超長期ゾーンの国債買い入れが減額されるかどうかが注目されている。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケットエコノミストは、「日銀が過度のブルフラット化に懸念を示し始めたのが4月末の会合。十分下がっているなら減額しても問題ないとの意見が出ていた。その時の10年債利回りがマイナス0.1%程度、20年債は0.2%台」と指摘。「10年は許容範囲がマイナス0.1%ぐらいまで。20年は0.3%台が一つのめどか。10月の運営方針では大きな変化はないのではないか。初回のオファー額が少し減るかもしれないが、回数や金額レンジはあまり変わらないとみている」と述べた。

  一方、メリル日本証の大崎氏は、「日銀は長期国債の買い入れ量を年80兆円増から大きく減らすことは難しいのではないか」と指摘。「年80兆円の量を出すが金利にも制限を付けないと、イールドカーブ・コントロール付きQQE(量的質的金融緩和)にはならない」と述べた。

  27日の米国債相場は続伸。米10年物国債利回りは前日比3bp低い1.56%程度で引けた。一方、米国株相場は上昇。S&P500種株価指数は同0.6%高い2159.93で引けた。 前日の米大統領候補ヒラリー・クリントン、ドナルド・トランプ両氏によるテレビ討論会ではクリントン氏が優勢と市場は受け止めた。

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