浜田内閣参与:円高は日銀政策の阻害要因、追加緩和の効果不十分に

  • 財務省は急激な円高に為替介入すべきだ、外債購入も選択肢-浜田氏
  • 物価目標はエネルギー除く日銀版コアCPIにすべきだ-浜田氏

浜田宏一内閣官房参与は円高は日本経済に悪影響を与え、日本銀行が追加緩和をしたとしても効果が十分に発揮されないとの見解を示した。27日、英語による電話インタビューで語った。

  米エール大学名誉教授でもある浜田氏は日本の財務省は急激な円高に対し、為替介入によって対抗すべきだと指摘。また、生鮮食品を除いた現行の2%物価安定目標について、エネルギーも除いた物価指標を採用するよう提言した。

  浜田氏は、金融政策の円滑な効果発揮を阻害する為替市場の投機的な動きを財務省が是正しない限り、日銀が追加緩和をしたとしても効果が十分に発揮されないと述べた。

浜田氏

Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  円は年初来、対ドルで19%の円高となり、デフレ脱却と経済成長に向けた日銀の努力の効果を弱めている。日銀は21日の金融政策決定会合で長短金利操作付き量的・質的金融緩和の導入を決定。同日、米国が金利引き上げを見送ったこともあり、足元では1ドル=100円台の円高水準で推移している。

財務官

  日銀が新たな枠組みの導入を決めた翌日の22日、浅川雅嗣財務官は投機的な動きが継続するなら必要な対応をとると発言した。財務省幹部が口先介入にとどめる中、浜田氏は円が1日に対ドルで5~6%程度急騰するような急激な変動があれば、財務省は介入すべきだと語った。

  浜田氏は円高は東京株式市場にも悪影響を与え、マインド面で国内の企業活動や個人消費にマイナスに働くと懸念。さらなる円高は外需や海外からのインバウンド需要に悪影響を与えるとみる。日経平均株価は今年初めから12%下がっている。

  財務省当局が米国の反発などによって為替介入に慎重な場合は、外債購入などの別の手段も検討すべきだとした。

原油価格のインパクト

  浜田氏は原油価格の下落を背景に、日銀の物価安定目標を生鮮食品とエネルギーを除いた現行の日銀版コアCPIに変更した上で、目標値を2%から1.5%に引き下げるのが妥当ではないかと語った。

  7月の生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)は前年比0.5%低下と5カ月連続で下落。日銀版コアCPIは0.5%上昇した。

  日銀の黒田東彦総裁は日銀による国債購入はまだ限界に達していないと強気の構えだ。浜田氏は、日銀はマイナス金利の深掘りをはじめ多くの追加緩和の選択肢があるとする。一方で、金融機関の収益構造に影響を与えるマイナス金利は強い薬になりかねないとし、慎重に判断すべきだと語った。

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