サウジアラビアにとって突然、形勢が一変した。

  原油価格に関して、世界最大の原油輸出国であるサウジは穏健派だったが、石油輸出国機構(OPEC)加盟国の中で長年強硬姿勢を示していたイランと、ここにきて立場が入れ替わっている。サウジは8年ぶりの生産削減を含め価格押し上げに向けた提案を行っており、イランが渋っている。立場が逆転した主因は経済的痛みに対する両国の耐性の違いだ。

  コンサルティング会社キャピタル・エコノミクスの中東担当エコノミスト、ジェーソン・ツベイ氏は「両国の立場は異なっている。イランは最近まで経済制裁を課されていたため、投資が戻り原油生産が増える中で経済が回復しつつある。一方、サウジは大幅な歳出削減を余儀なくされている」と指摘する。

  両国の違いは鮮明だ。これまでサウジほど石油収入に依存したことのないイランの見通しは、欧米諸国との関係改善で明るくなっている。これに対しサウジは、経済改革に向けた暫定的な動きはみられるものの、2年にわたる原油安が財政的混乱を引き起こすのを抑え込めていない。外貨準備を取り崩しているほか、政府の請負企業への支払いが滞り、公務員には今年ボーナスが支払われない見通しだ。

  国際通貨基金(IMF)の推計によれば、サウジの財政赤字が今年、国内総生産(GDP)の13.5%に上るのに対し、イランは2.5%未満にとどまる見込み。IMFによれば、サウジの財政が均衡するためには原油価格が1バレル=67ドル近辺である必要がある。イランの場合は61.50ドル。原油価格は26日、約45ドルに上昇した。
  
原題:In Fight Over Oil Prices With Saudi Arabia, It’s Advantage Iran(抜粋)

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