円全面安、米討論会でクリントン氏優勢との見方-メキシコ・ペソ急伸

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  • 対ドルで100円09銭と8月26日以来の高値付けた後、100円99銭に下落
  • クリントン氏、冷静に受け流してやや優勢の印象-IG証

27日の東京外国為替市場では円が全面安。米大統領候補による討論会で民主党のヒラリー・クリントン氏が優勢だったとの見方から米株先物や日本株が上昇し、円売りが優勢となった。

  午後3時20分現在のドル・円相場は前日比0.6%高の1ドル=100円94銭。朝方に一時100円09銭と8月26日以来の水準までドル安・円高が進んだ後、100円99銭まで値を戻した。円は主要16通貨全てに対して前日終値から下落し、対メキシコ・ペソでの下落率がトップとなっている。

日米紙幣

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  IG証券の石川順一シニアFXストラテジストは、討論会について、「クリントン氏が冷静に受け流してやや優勢という印象」と言い、「米株にポジティブ要因として受け取られている」と指摘。「米株先物が上昇し、日本株の下げ幅縮小に連動してドル・円が上値トライの展開になった」と説明する。

  民主党のクリントン氏と共和党のドナルド・トランプ氏の両大統領候補は、米国時間26日午後9時(日本時間27日午前10時)からニューヨーク郊外のホフストラ大学で第1回目のテレビ討論会を行った。

  CNNとORCの世論調査によると、討論会の視聴者の62%がクリントン氏が勝利したと回答。トランプ氏が勝利との答えは27%だった。討論会前の最新のブルームバーグ・ポリティクス・ナショナル・ポール(第3党候補を含む調査)によれば、投票を予定している有権者の支持率はトランプ氏が43%、クリントン氏が41%だった。

  IG証の石川氏は、引き続き討論会後の支持率を見極める必要があるとし、「クリントン氏の健康状態を背景にトランプ氏が追い上げているだけに、さらに拮抗(きっこう)するようなことになれば、将来的な不透明感が強まる」とみる。

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  26日の米国株式相場は、ドイツ銀行をめぐる不透明感を背景に金融株主導で下落。S&P500種株価指数は前営業日比0.9%安の2146.10で引けた。この日のアジア時間は株価指数先物が討論会開始後にプラス圏へ浮上している。東京株式相場は続落して始まった後に上昇に転じ、日経平均株価は前日比0.8%高で引けた。

  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニットの細川陽介為替セールスチーム長は、市場の反応としてはトランプ氏がいまいちだという方に行っていると指摘。その上で、「日米の金融政策イベントが終わった中で、米大統領選まではまだ1カ月ちょっとあり、連邦公開市場委員会(FOMC)も利上げが12月とするならば、まだ数カ月ある」とし、「手掛かり難の中、足元のリスク要因に目が行っているのかなというのが、最近の株などの動きを見ると感じるところではある」と話す。

トランプリスク緩和

  メキシコ・ペソは27日の早朝に対ドルで一時1ドル=19.93ペソと、過去最安値を更新していたが、討論会が進むに連れて買い戻され、19.48ペソまで値を戻した。

  ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジスト、ショーン・キャロー氏(シドニー在勤)は、「トランプ政権誕生が懸念された場合、ペソ売りが最も顕著な為替市場の動きになる」と指摘。その上で、「討論会開始後の30分程度でクリントン氏優勢を反映した相場展開になった」とし、ペソの他、カナダ・ドルやS&P500種株価指数先物、オーストラリア・ドルなどリスク資産の急反騰につながったと説明した。

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