日本株3日ぶり反発、米討論会後に円高進まず-資源、内需中心上げる

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  • TOPIX、日経平均ともきょうの高値引け、午後に上昇鮮明
  • 銀行株は終日安い、ドイツ銀など欧州金融懸念が重し

27日の東京株式相場は3営業日ぶりに反発。米国大統領選のテレビ討論会後に為替市場で円高が進まず、投資家のリスク回避姿勢が和らぎ、午後にかけて上昇基調を強めた。海外原油価格の上昇を受け鉱業、石油など資源株が買われ、水産や電力、食料品、医薬品など内需株も高い。

  TOPIXの終値は前日比13.38ポイント(1%)高の1349.22、日経平均株価は139円37銭(0.8%)高の1万6683円93銭。

  富国生命保険の山田一郎株式部長は、米大統領選の候補者討論会を受け、「『トランプ・リスク』でショートしていた短期投資家の巻き戻しが入った」と指摘。共和党のトランプ氏には「政策が読みにくいという不安があり、市場にとってはネガティブだが、今回は民主党のクリントン氏優位となったようだ」と話した。

東証前の歩行者

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  日本時間27日午前10時から米大統領選の第1回テレビ討論会が行われ、経済問題を含むテーマに両候補が非難合戦を展開。ただし、政策問題では従来の立場を繰り返すにとどまり、新たな提言はなかった。

  討論会を受け、シカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)の米国株先物は上昇。TV討論会後のCNN・ORCの世論調査では、視聴者の62%がクリントン氏が勝利したと回答。トランプ氏勝利との回答比率は27%だった。

  この日の日本株は続落して始まり、日経平均は朝方に一時259円安の1万6285円と8月5日以来、1カ月半ぶりの安値水準まで下げ幅を拡大。財務悪化懸念の再燃で26日の欧州市場でドイツ銀行株が最安値を更新。この影響で同日の欧米株が金融株中心に下げたほか、リスク回避の動きからけさのドル・円相場が一時1ドル=100円9銭まで円高基調を強めたことなどが嫌気された。

  終日安かった銀行株については、日本銀行が前週決めた新しい金融政策の効果を疑問視する売り圧力が重しだ。きょう午前の国内債券市場では長期金利が一時マイナス0.075%と、8月31日以来の低水準となった。みずほ証券の投資情報部の三野博且シニアストラテジストは、日銀は「長短金利差のプラスを確保するとしたが、金利がゼロ%を下回った場合に日銀はどうするのか、と市場は反問している」と言う。

  ただし、米大統領選討論会後にドル・円が1ドル=100円台後半まで円安方向に戻したほか、原油高を受けた資源セクターの堅調が下支え要因になり、徐々に下げ渋ると、午後にはTOPIX、日経平均ともプラス圏に浮上。両指数ともきょうの高値引けだった。岩井コスモ証券投資調査部の堀内敏一課長は、米討論会で「互いに為替への言及がなく、1ドル=100円を割らずにきたことが日本株にとっては大きい」との見方を示した。

  また、きょうは3・9月決算銘柄の権利付き最終売買日で、配当取りなどの買いが入りやすかった側面もある。東証1部の売買高は22億3921万株、売買代金は2兆2946億円。代金は前日に比べ35%増え、2営業日ぶりに2兆円の大台乗せ。上昇銘柄数は1557、下落は315。

  • 東証1部33業種は鉱業、非鉄金属、石油・石炭製品、水産・農林、電気・ガス、食料品、医薬品、化学、海運など31業種が上昇。銀行と証券・商品先物取引の2業種のみ下落。鉱業、石油の資源セクターは、サウジアラビアの減産姿勢を材料に26日のニューヨーク原油先物が3.3%高の1バレル=45.93ドルと急反発したことが好感された。

  • 売買代金上位ではSMBC日興証券が投資判断を上げた東芝、クレディ・スイス証券が投資判断を上げた三井化学が急伸。任天堂やKDDI、LINE、村田製作所、住友金属鉱山、大日本住友製薬も高い。半面、三菱UFJフィナンシャル・グループやコマツ、三井住友トラスト・ホールディングス、りそなホールディングス、千葉銀行、常陽銀行は安い。

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