NY外為:円上昇、米討論会控え-欧州銀行業界の懸念も買い材料

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26日のニューヨーク外国為替市場では円が主要通貨の全てに対して上昇。ドイツ銀行の影響で欧州の銀行業界に対する懸念が再燃し、円買いが入った。米大統領選に向けたヒラリー・クリントン、ドナルド・トランプ両候補による討論会を控えていることも、安全な逃避先を求める需要が円に集まった理由。

日米紙幣

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  円は主要10カ国通貨の中ではポンドに対して最も上げた。英国民投票での欧州連合(EU)離脱決定を受け、最高経営責任者(CEO)の75%余りが本社もしくは事業所の英国外への移転を検討していることが、KPMGが実施した調査で明らかになった。ブルームバーグ・ポリティクスが実施した最新の世論調査によると、トランプ氏とクリントン氏の支持率はきっ抗しており、大統領選挙をめぐる先行きが不透明になっている。

  日本が経常黒字国であることから円は安全な逃避先としてみなされている。来年に総選挙を控えているメルケル独首相がドイツ銀への政府支援の可能性を否定していると報じられ、ドイツ銀は過去最安値を更新した。日本銀行についてはインフレ促進策が尽きかけているとの見方が引き続き強まっている。

  トロント・ドミニオン銀行の通貨戦略の欧州責任者、ネッド・ランペルティン氏(ロンドン在勤)は「外為市場は今週、慎重な姿勢で始まった。銀行業界や英国のEU離脱をめぐる問題が引き続き欧州のリスクを意識させている一方、26日夜の米大統領選討論会が主な注目材料となっている」と述べた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで3営業日ぶりに上げ、前週末比0.7%高の1ドル=100円33銭。対ポンドでは0.6%上昇した。ユーロに対しては0.4%上昇し1ユーロ=112円91銭。ユーロは対ドルで0.3%高の1ユーロ=1.1254ドル。

  過去5年間の通貨市場のポジションを比較するBNPパリバのG10相対外為データによれば、過去1週間にわたり先進国通貨に対する円に強気な持ち高が増えた。

  BNPの外為ストラテジスト、サム・リントンブラウン氏は「リスクオフのヘッジとして、市場は年初に円買い持ちに変わった」と指摘した。

  米大統領選の両候補は貿易や移民、外交など多くの分野で意見が対立。オバマ政権で国務長官を務めたクリントン氏は現政権の継続性を示す可能性が高い。一方、不動産開発業者でテレビ番組で司会者を務めたこともあるトランプ氏は従来型の候補とは違うイメージを打ち出したほか、現大統領を激しく批判している。

  スイスクオート・バンクの市場戦略責任者、ピーター・ローゼンストライヒ氏は「市場は米大統領選をリスクとしては無視してきたが、新たな世論調査の結果と今晩の討論会をめぐる不透明感から神経質になっている」と語った。

原題:Yen Rises as U.S. Politics Collide With Brexit and Deutsche Bank(抜粋)

(第6段落以降を追加し、更新します.)
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