債券上昇、40年入札結果が予想上回る-根強い緩和観測で中期債堅調

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  • 40年入札は0.5%を超える水準なら実需の買いも-JPモルガン証
  • 目先の注目点は日銀が買い入れ減額に動く金利水準-ドイツ証

債券相場は上昇。この日の40年債入札が予想より強い結果となった上、日本銀行の黒田東彦総裁の前日の講演を受けて追加緩和観測も根強く、中長期ゾーンで買いが強まった。一方、日銀の新たな枠組み下での長期国債買い入れオペには不透明感が強く、超長期債は上値の重い展開が続いた。

  27日の長期国債先物市場で中心限月12月物は、前日比8銭高の151円94銭で取引を始め、午前は152円13銭まで上昇。午後は取引終了にかけて午前の高値を上回り、一時152円17銭と日中取引ベースで8月1日以来の高値を付けた。結局は29銭高の152円15銭で引けた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物344回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低いマイナス0.07%で取引を始め、マイナス0.08%と8月31日以来の水準まで低下した。新発2年物368回債利回りが一時5bp低いマイナス0.28%、新発5年物129回債利回りは3.5bp低いマイナス0.235%と8月1日以来の水準まで買われた。一方、新発20年物158回債利回りは0.5bp高い0.38%、新発30年物52回債利回りは2bp上昇の0.505%、新発40年物9回債利回りは1bp上昇の0.58%と、いずれも売られた。

  JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「40年債入札は事前予想より強い。0.5%を超える水準なら実需の買いも入ったのではないか。黒田総裁は講演で短期金利と長期金利の目標を下げれば追加緩和は可能と発言し、今後も追加緩和の話は出ると思うので、中短期ゾーンの金利が低下」と指摘した。一方、超長期ゾーンは「日銀の許容できる水準が見えておらず、長期国債買い入れオペのやり方を見定める必要があり、水準を探りながらの展開だ」と言う。

  財務省が午後発表した表面利率0.4%の40年利付国債(9回債)の利回り競争入札の結果によると、最高落札利回りは0.56%と予想中央値の0.57%を下回った。投資家需要の強弱を示す応札倍率は2.73倍と前回の2.89倍を下回った。

  40年債入札について、三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、「増額もあり、きちんと消化されるのかとの見方もあったが、現状の0.57%前後の水準なら需要があることが確認された。今回の日銀の政策決定はあまり影響せず、利回りがあるから買うという感じ」との見方を示した。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「日銀を試すような感じで10年債利回りが低下しているが、ゼロ%目標をわざわざ出した以上、あまり金利低下を許容するとも思えない」と指摘。超長期ゾーンについて「月内残り2回のオペで需給は締まりやすいが、利回りが低下した時に日銀がどう動くかだ」と言う。

会見する黒田総裁

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日銀の黒田東彦総裁は26日の講演で、長短金利操作付き量的・質的金融緩和について、具体的な追加緩和の手段とはマイナス金利の深掘りと長期金利操作目標の引き下げが「中心的な手段」になると述べた。会見では、長期国債買い入れペースについて、「80兆円が増減し得るというのはその通りだが、にわかに大きく増えたり減ったりするとは思わない」との見解を示した。 

  ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「市場参加者はまだ思い切った売買には踏み切れていない。目先の注目点は、日銀が買い入れ減額に動く金利水準がどの辺りかだ。明日や金曜日にオペが予想されるほか、月末に発表される翌月初回の年限別買い入れ予定額で超長期ゾーンの減額があるか。減額があるとみている向きも結構多いようだ」と指摘した。

  一方、米大統領選の民主、共和両党候補による第1回テレビ討論会が26日夜(日本時間27日午前)に行われ、民主党ヒラリー・クリントン氏が共和党ドナルド・トランプ氏に対して優勢との見方から株高や円安が進む場面もあった。ドイツ証の山下氏は、「市場ではクリントン氏の勝利を見込んでいる向きが世界的にも多く、相場へのインパクトはそれほど大きくない」と指摘した。

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