ドル・円は100円後半、原油安や株安が重し-米大統領候補討論会に注目

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  • 「ドル・円のトレンドはまだ下向きだ」-みずほ証券
  • 条件そろえば、ドル99円台半ばぐらいまで落ちる可能性との見方も

26日の東京外国為替市場で ドル・円相場は1ドル=100円台後半を中心に上値の重い展開。先週末の原油価格の大幅下落や世界的な株安を受けたリスクセンチメントの悪化が重しとなった。半面、日本時間27日午前に開かれる米大統領候補者の討論会を控えて、全般的に様子見姿勢も強かった。

  午後4時34分現在のドル・円は前週末比0.4%安の100円62銭。早朝に101円15銭を付けた後、ドル売り・円買いが進行。午後にかけていったん101円ちょうど前後まで戻したが、日本株が引けにかけて一段安となると再び弱含み、終盤にかけて100円59銭を付ける場面があった。

  みずほ証券投資情報部の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、「日銀もFRB(米連邦準備制度理事会)も何もしなかったのでまだ下を攻めたい向きはいるだろう」と言い、「ドル・円のトレンドはまだ下向きだ」と指摘。「米大統領候補討論会や米経済指標などの内容によって100円を割ったときに日銀がどう動くかが日本サイドでは一番の注目」と話した。

  先週末のニューヨーク原油先物相場は約2カ月ぶり大幅安。サウジアラビアが今週アルジェで開かれる生産国協議では生産水準をめぐる決定には至らないと考えていると報じられたことが嫌気された。米国株相場は下落。原油安でエネルギー株が下げた。週明けの東京株式相場も続落した。

  上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人氏は、日米金融政策イベントを通過したことで「投資家は経済指標を確認すると同時に日米金融政策の結果をそしゃくしつつ、新たなテーマを探すことになるだろう」と指摘。テーマが見つかるまでしばらくの間、投資家センチメントは株や原油など他市場の動向に追随する形になりそうで、短期的には米大統領候補者によるテレビ討論会や石油輸出国機構(OPEC)非公式会合などが「リスクオン・オフのスイッチになる」と予想した。
  
  米大統領選の民主、共和党候補が直接対決する1回目のテレビ討論会をめぐって、週末に公表された世論調査は一部激戦州でつばぜり合いが続いていることを示した。ただ両候補とも有権者から「リスクが高く」「恐ろしい」とみられており、不人気候補同士の争いとなっている。同討論会は米国時間26日夜に開かれる。

  外為どっとコム総合研究所の石川久美子研究員は、「討論会でクリントン氏の印象が悪いとかトランプ氏の支持率が上がるということになると、市場としてはトランプ大統領リスクを強く意識するだろう」と指摘。その場合、短期的にドル売りが強まるリスクがあり、ドル・円は99円台半ばぐらいまで落ちる可能性もあると語った。  
  
  日本銀行の黒田東彦総裁は26日午後、大阪市内で講演し、今後の具体的な追加緩和の手段として、マイナス金利の深掘りと長期金利操作目標の引き下げが「中心的な手段」になるとの考えを示した。総裁はまた、講演後の質疑応答で、為替は経済や金融の実体、ファンダメンタルズを反映して推移するのが望ましいとし、為替の安定のために最大限の努力をしていくつもりであると述べた。

  みずほ証の鈴木氏は、黒田総裁の講演について、決定会合直後なだけに一定の注目はあったが、それほど目新しいところないと指摘。その上で、いざとなれば追加緩和に動くという姿勢を示しているため、一気に円高にはならないものの、「本当に100円アンダーを支えてくれるのかまだ不安が残っている」と話した。

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