タカタ、自動車メーカーと今週会合-リコール負担で詰めの協議

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  • スポンサー候補は10月までに2、3社に絞り、年内手続き完了目指す
  • 関係者間で利害の折り合いがつくのか、難航を予想する声も

エアバッグメーカーのタカタは今週、国内外の主要自動車メーカーと会合を開く。経営再建に向けた出資者(スポンサー)候補の絞り込みを進め、過去数年にわたり自動車業界を揺るがせてきた大規模リコール問題の解決策について協議する。

  会合は27ー29日の3日間にかけて開催し、タカタと財務アドバイザーの米ラザードがホンダなどの主要自動車メーカーと交渉のテーブルに着く。焦点は自動車メーカーが現在、肩代わりしているリコール費用の分担問題で、タカタとしてはスポンサー候補の意向も踏まえて自動車メーカーから協力を引き出したい考えだ。費用総額は1兆円規模になるとの見方も出ている。

  未公表情報を理由に匿名で話した関係者によると、スポンサー選定に向けた9月の入札には米投資ファンドのKKR、中国部品メーカー傘下で米自動車部品のキー・セーフティ・システムズ(KSS)のほか、タカタにインフレータ(膨張装置)を供給しているダイセルと米投資ファンドのベインキャピタルの連合などが参加。米自動車部品のフレックス・エヌ・ゲート、エアバッグ最大手のオートリブも応札したという。タカタは10月までに2、3社の候補に絞り込み、年内の手続き完了を目指しているという。

  事情に詳しい関係者によると、これまで自動車メーカー側はタカタが負うべき法的な負担の肩代わりに及び腰だったが、ここにきてスポンサー候補が手を引いてタカタの経営破綻を招くぐらいなら、その負担を分担する方向に傾いている可能性もあるという。

難航が予想される

  アディーレ法律事務所の池田辰也弁護士は「この件は立て直しのための出資問題と債権者の債権放棄の話が絡み合っているのが特殊だ」とし、「大口債権者がだめと言えば買い手の提案は通らなくなり、債権者の合意できる範囲での提案にすると、今度は買収後にやっていけるかも課題となる」と話した。債権額も大きく、利害の折り合いがつくのか難航が予想されるという。

  SBI証券アナリストの遠藤功治氏は、自動車メーカー側がタカタにもリコール費用を負担してもらいたいと考えており、当事者間で負担割合を探り出す必要があると指摘。自動車メーカー側の譲歩が十分でなければスポンサー候補が手を引く可能性もあると話した。

  タカタ製エアバッグの異常破裂問題では日米だけで9000万個規模のインフレータがリコール対象となり、米国を中心に15人の死者と100人以上の負傷者が報告されている。ジェフリーズの株式アナリスト、中西孝樹氏によると、リコール問題の費用は1兆3000億円規模に達する可能性がある。米国を中心とした被害者による集団訴訟の賠償費用や当局の罰金がどこまで膨らむか予想は難しく、タカタ側とスポンサー、自動車メーカーでどのように対応していくのかも焦点となる。

  事情に詳しい関係者によると、ラザードは訴訟問題に対応するためタカタとスポンサー、自動車メーカーが拠出する独自の基金設立も選択肢として挙げたが、別の関係者によると、自動車メーカー側が難色を示して実現に至っていない。スポンサー候補にはリコール費用分担や法的責任対応などについて複数シナリオに基づき、それぞれに対応した支援策の提示が求められているという。

  米国でトヨタブランド車両の販売責任者であるビル・フェイ氏は、タカタ問題について顧客対応のため「大勢の人員が精力的に動いている。他の部品メーカーとも協力して交換作業を迅速に進めるようにしたい」とし、「業界にとっても何よりも重要な仕事の一つだ」と話した。

  タカタの前期(2016年3月期)の連結売上高は7180億円。そのうち約36%をエアバッグ関連が占める。シートベルトでも高い世界シェアを持ち、ハンドルや自動車内装品も手掛ける。国内の自動車メーカーにとどまらず、海外勢とも幅広い取引があり、今回のリコールには独BMW、独ダイムラー、米フォード・モーター、フィアット・クライスラー・オートモービルズ、英国のジャガーとランド・ローバーなども関係している。

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