安倍首相:天皇の公務の在り方、国民的理解の下に議論-所信演説

  • 公務負担軽減の有識者会議は10月中旬にも初会合-政府
  • 退位の問題も含めて議論へ-菅官房長官

安倍晋三首相は26日に召集された臨時国会の所信表明演説で、天皇陛下の公務負担の在り方に関する有識者会議を設置し、「国民的な理解の下に議論を深めていく」考えを示した。

  天皇陛下は8月、国民に向けたビデオメッセージで、体力の衰えなどを理由に「これまでのように、全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが難しくなるのではないかと案じています」とのお気持ちを表明。これを受け、生前退位を可能にする法改正などが政治課題として浮上している。

  安倍首相は所信表明演説で、天皇の公務の在り方について、年齢や負担の現状を考えた時に「その御心労」に思いを致し、議論を始めると述べた。菅義偉官房長官は23日の記者会見で、「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」の設置を発表。初会合は10月中旬にも開催する予定で、憲法や歴史、皇室制度などの専門家にヒアリングするなどして意見を集約し、提言をまとめる。

  菅氏は「専門家の中でも意見が分かれていることも事実」とした上で、「問題点を整理して国民に伝えた上でさらに進めていく」と述べた。有識者会議のメンバーは「組織の経営管理や会議の取りまとめなど経験が豊富な方々」を基準に人選、「退位の問題も含めて」天皇の公務の負担軽減について議論を進めると説明。一定の段階で「与野党も交えた議論も必要」との認識を示した。

  所信演説の中で安倍首相は、天皇陛下の公務の在り方について、年齢や負担の現状を考えた時に「その御心労」に思いを致し、議論を始めるとの考えをあらためて示した。皇位の継承については、憲法と皇室典範で定められているが、いずれも生前退位や譲位は想定していない。

  有識者会議は、今井敬・日本経団連名誉会長や小幡純子・上智大学大学院教授、清家篤・慶応義塾長、御厨貴・東京大学名誉教授、宮崎緑・千葉商科大学国際教養学部長、山内昌之・東京大学名誉教授の6人で構成する。

  安倍首相は天皇のビデオメッセージを受けて記者団に対し「天皇陛下が国民に向けてご発言されたということを重く受け止めている」と公務の在り方などを検討する考えを示していた。

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