【今週の債券】待機資金流入で金利低下か、超長期オペ減額には警戒も

  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.10%~ゼロ%
  • 2016年度下期運用に向けて先回り的な買いが入ると思う-SBI証

今週の債券市場では長期金利の低下が予想されている。日本と米国の金融政策のイベントを先週に終えたことで、これまで様子見姿勢だった投資家が運用資金を債券市場に振り向けるとの見方が出ている。

  ブルームバーグが前週末に市場参加者4人から聞いた新発10年物国債利回りの予想レンジは全体でマイナス0.10%~ゼロ%となった。21日には半年ぶりにプラス0.005%まで上昇する場面があった。

上空から見た日銀本店

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日銀は先週、長短金利操作付き量的・質的金融緩和を導入し、長期金利がゼロ%程度で推移するように国債買い入れを行うことを決めた。30日には日銀が新枠組み後で最初となる当面の長期国債買い入れの運営を発表する。超長期ゾーンの購入額を来月以降減額するかどうかが注目されている。

予想レンジと相場見通し

*T
◎SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジスト
先物12月物=151円60銭-152円10銭
10年物国債利回り=マイナス0.10%~マイナス0.05%
  「基本的に金利が上がる状況にはならない。下期の運用に向けて先回り買いが入ると思う。20年債利回りは0.3%割れの可能性があるとみている。日米のイベントを通過し、中間決算期末、下期運用方針やドル・円相場などに注目している。ただ、日銀が利回り曲線をコントロールするので安定的な展開だろう。40年債入札は、直近の40年利回りの水準なら良い結果になると思う。半面、金利が低下し過ぎると厳しい」

◎アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
先物12月物=151円25銭-152円00銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.07%~ゼロ%
  「基本的に底堅い展開か。中間決算期末を控えて、株式市場はドレッシング買いなどでしっかりなりやすい。一方、日銀は長期金利の水準を誘導目標化するなど管理相場的な色合いを強めている。家計や企業の予想物価上昇率を引き上げることを重視し、マネタリーベースを物価が安定的に2%超となるまで増やし続けるとの方針も打ち出したことは評価できる。今週の長期金利の予想の上限をゼロ%としているものの、この水準を超えて上昇してくとはみていない」

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
先物12月物=151円40銭-152円00銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.08%~マイナス0.02%
  「今月残り3回の日銀国債買い入れオペや、来月の運営方針などを確認しながら、徐々に利回り曲線の形状が固まり、相場は底堅い動きになっていくだろう。日銀は基本的には物価が上昇するまで金利を低位に抑えつけていくということ。あえて逆らう必要はない。買い入れオペを早速減額してくるというより、まずはその姿勢を示すのではないか。40年債入札は投資家の押し目買いに支えられて無難に消化されるだろう。利回りは徐々に低下基調を回復する」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長
先物12月物=151円20銭-152円30銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.10%~ゼロ%
  「日銀の新たな金融施策の枠組みの下で、はっきり言えるのはボラティリティがなくなっていくということ。金利が上がったら指値での買い入れや固定金利オペで抑える半面、当面の低下余地もなくなってしまった。景気と物価が今後どうなっていくのかを点検していく展開。日銀が2%の物価目標を目指す以上、物価が下がっていけば、追加緩和せざるを得ない状況に追い込まれる。金利を操作目標にしたので、付利の引き下げが中心となり、国債買い入れは従来と同程度の規模が目安だが、金利が低ければ減らす可能性が出てくる」
*T

今週の主なイベント

27日40年利付国債入札、発行額5000億円程度
29日2年利付国債入札、発行額2兆3000億円程度
30日当面の長期国債買い入れの運営について

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