9月23日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:円は週間ベースで上昇、7月以来の大幅高

  23日のニューヨーク外国為替市場では円が週間ベースで7月以来の大幅上昇。日本銀行は今週の金融政策決定会合で、新しい枠組みである「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入することを決定した。日銀がこれをうまく機能させられるのか、市場では不安が広がっている。

  円は今週、1カ月ぶりの高値をつけたがゴールドマン・サックス・グループは円安見通しを崩していない。

  チャプデレーンの為替責任者、ダグラス・ボースウィック氏(ニューヨーク在勤)は円が対ドルで上昇したのは「市場参加者が期待していた政策を日銀が発表しなかったためだ」と述べ、「ドルは1ドル=100円を割るだろう。日銀は静観するだけで介入しない」と述べた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで0.3%安の1ドル=101円02銭。週間では1.2%高と、7月29日以来の大幅上昇。22日には100円10銭と、8月以来の100円突破に迫った。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は週間ベースで0.6%安。米連邦公開市場委員会(FOMC)は金融政策の引き締めを見送り、長期的な政策金利見通しを引き下げた。

  バークレイズ証券の門田真一郎シニア為替・債券ストラジストはドル・円は100円近辺でかなり下支えされている感あるが中期的には100円割れを予想している。同氏は市場はまだ日銀の金融政策の影響や米当局が12月に本当に利上げをするのかを見極めようとしていると話した。

  菅義偉官房長官は23日、為替の神経質な動きを憂慮し、続くなら必要な対応を取ると述べた。また、浅川雅嗣財務官は22日、過度な変動や投機的な動き望ましくないと述べ、注意を払い市場動向見極めると話した。

  ゴールドマン・サックスは円が年末までに対ドルで108円まで下げるとみている。ブルームバーグが調査した予想中央値は同104円と、今よりも3%値下がりする水準が見込まれている。

  ゴールドマンでグローバルマクロ・市場調査共同責任者を務めるフランチェスコ・ガルザレリ氏(ロンドン在勤)は顧客向けリポートで、「円の上昇は反転すると見込む」とし、その理由として「日銀の政策シフトが日本国債不足についての市場懸念に対応し、金融緩和継続の持続性と信頼性を高める」点を挙げた。さらに、「オーバーシュート型の文言も基本的にハト派シフトだ」と付け加えた。
原題:Yen Heads for Its Best Week Since July as Goldman Remains a Bear(抜粋)

◎米国株:下落、エネルギー株安い-アップルも売られる

  23日の米株式相場は下落。エネルギー株やアップルの下げが目立った。S&P500種株価指数は米連邦公開市場委員会(FOMC)の金利据え置き決定も寄与し、週間ベースでは2カ月余りで最大の上げとなった。

  この日はアップルやフェイスブックなど情報技術株が下げたほか、原油相場の急落を手掛かりにエネルギー株も下落した。石油輸出機構(OPEC)が会合で生産について合意できないとの観測から、原油相場は値下がりした。アップルは「iPhone(アイフォーン)」の需要をめぐる観測から午後に入り下落。一方でバッツ・グローバル・マーケッツは急伸。ツイッターは身売り観測から2013年以降で最大の上げとなった。

  S&P500種株価指数は前日比0.6%安の2164.69。週間では1.2%上げた。ダウ工業株30種平均はこの日131.01ドル(0.7%)下げて18261.45ドル。

  ロバート・W・ベアードの機関投資家担当株式セールストレーダー、マイケル・アントネッリ氏は「きょうは必然的な小休止だ。前日までの2日間の上げはかなり顕著だった。特にFOMCの決定が市場の予想通りだったことが大きい」と分析した。

  フェイスブックは1.6%安。同社はユーザーの動画広告視聴時間の平均について、過大評価された数値を広告主に伝えていた。アップルは午後に突然下げ、一時2.7%安となった。ドイツの市場調査会社GfKは「iPhone7」の販売が期待外れに終わる可能性があると指摘したと、経済専門局CNBCが報じた。これも影響し、情報技術株の指数は大きく下げた。

  シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は2.3%上げて12.29。

  ジュリアス・ベア・グループ(チューリヒ)の戦略調査部門責任者、クリストフ・リニカー氏「今週は順調に上昇していた。不確実要素が根強く残り、大統領選も控えていることを踏まえればきょうの調整は正しい動きだ」と分析。「FOMCの決定は短期的にはポジティブだが、この先利上げはあり、コンセンサスは依然として12月だ」と続けた。

  9月のFOMC会合では3人の地区連銀総裁が決定に反対した。そのうちの一人、ボストン連銀のローゼングレン総裁はこの日、反対票を投じた理由について声明を発表し、金融当局が緩やかなペースで利上げを進める戦略に戻らなければ、米景気回復を脅かす恐れがあると指摘。政策を引き締めなければ「過去にリセッション(景気後退)につながったような著しい不均衡」を生み出す恐れがあると記した。

  この日はS&P500種の業種別11指数では9指数が下落した。

  個別銘柄の動きでは、セールスフォース・ドット・コムが7カ月で最大の下げ。事情に詳しい複数の関係者によれば、同社はツイッターの買い手候補の1社。ヤフーも安い。同社は前日、2014年に同社のネットワークから少なくともユーザー5億人の個人情報が盗まれたことが分かったと発表した。
原題:U.S. Stocks Pare Weekly Gain as Crude, Apple Slide to Halt Rally(抜粋)

◎米国債:30年債が週間で大幅高、当局の金利予測下方修正で

  23日の米国債市場では30年債が週間で7月以来の大幅高。米金融当局が政策金利の見通しを引き下げたことが買い材料となった。

  30年債利回りはこの日、2週間ぶりの低水準を付けた。米連邦公開市場委員会(FOMC)は21日、政策金利の据え置きを決定。来年の予想利上げ回数を下方修正した。2年債と30年債の利回り差は、週間ベースで8月以降最大の縮小となった。

  イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は年内に利上げを実施する姿勢を維持しながらも、米経済が抱えるさまざまな難題から金利予測分布図(ドット・プロット)で政策金利見通しが下方修正されたことを明らかにした。

  DZ銀行(フランクフルト)の市場ストラテジスト、ダニエル・レンツ氏は「ドット・プロットに示される2017年の利上げ予想は低下した。それは別として、中央銀行の全般的なスタンスはなお緩和的だ。他の中銀が近く緩和政策を解除しないことをFOMCは確実に考慮するだろう」と述べた。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによるとニューヨーク時間午後5時現在、30年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.35%。一時は2.32%まで低下する場面もあった。週間では10bp低下と、7月29日以来の大幅な下げとなった。同年債(表面利率2.25%、償還2046年8月)価格は97 29/32

  2年債と30年債の利回り差は約159ポイント。週間で9ポイント縮小した。10年債利回りは1.62%。週間で7bp低下した。

  米国債市場のボラティリティを示すバンク・オブ・アメリカ(BOA)のMOVE指数は59.75と、2014年12月以来の低水準で終えた。

  ダラス連銀のカプラン総裁は23日、「当局は辛抱強く緩和策を解除する余裕がある」と述べた。アトランタ連銀のロックハート総裁は生産性の低い伸びについて「ちょっとした難問だ」と話した。

  今週のFOMC会合で政策金利据え置きに反対票を投じたボストン連銀のローゼングレン総裁は、金融当局が緩やかなペースで利上げを進める戦略に戻らなければ、米景気回復を脅かす恐れがあるとの声明を23日に発表。「緩やかで段階的な引き締めを今開始すべきだと考えている。今それをしなければ回復の期間の長さや持続性をより大きなリスクにさらすと懸念するからだ」と説明した。
原題:Treasuries Set for Best Week Since July as Fed Tempers Rate View(抜粋)

◎NY金:週間ベースで高い、米利上げ見送りで息吹き返す

  23日のニューヨーク金相場は週間ベースで上昇し、7月以来の大幅高。米連邦公開市場委員会(FOMC)が今週、政策金利を据え置いた上で長期の金利予測を引き下げたことから、金に買いが集まった。ブルームバーグがまとめたデータによれば、金連動型上場投資信託(ETF)を通じた保有高は今週、6.3トンの純増だった。

  RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニア・マーケット・ストラテジスト、ボブ・ヘイバーコーン氏は電話インタビューで、「利上げを見送ったという事実で金市場は息を吹き返した」と指摘。「トレーダーらは買って保持するモードに入っているが、ポジションを積み増す機会をうかがっている」と述べた。

  ニューヨーク時間午後1時55分現在、金スポット価格は0.1%未満下げて1オンス=1336.48ドル。前日までは4営業日続伸していた。週間ベースでは2%上げ、7月29日以来の大幅高。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の金先物12月限は週間で2.4%上昇し、6月10日以来で最大の値上がりとなった。

  銀先物も下落。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナは下げ、パラジウムは上昇した。
原題:Gold Extends Advance as Fed Decision Breathes Life Into Demand(抜粋)

◎NY原油:急落、サウジがアルジェ会議「意見交換の場」と認識

  23日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が反落し、約2カ月ぶりの大幅安。サウジアラビアの政策に詳しい当局者によると、来週アルジェで開かれる生産国協議は意見交換の場であり、生産水準をめぐる決定には至らないと同国は考えている。

  みずほセキュリティーズUSA(ニューヨーク)の先物部門ディレクター、ボブ・ヨーガー氏は「原油が売りを浴びているのは、サウジ発のニュースのせいだ」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は前日比1.84ドル(3.97%)安い1バレル=44.48ドルで終了。7月13日以降で最大の値下がりとなった。価格は一時、今月9日以来の高値となる46.55ドルに上昇していた。週間では2%の値上がり。ロンドンICEのブレント11月限は1.76ドル(3.7%)下げて45.89ドル。
原題:Oil Tumbles as Saudis Said to See Algiers Talks as Consultation(抜粋)

◎欧州株:下落、景気停滞懸念が再燃-週ベースの上げ幅を縮小

  3日の欧州株式相場は下落。経済指標で域内の景気回復のもたつきが示され、今週の相場上昇を支えた銘柄を売る動きが優勢となった。

  英鉱山会社ポリメタル・インターナショナルは7.4%安の急落。大手株主が1300万株を手放すと明らかにしたことが嫌気された。イタリアの高級スキーウエアメーカー、モンクレールは2.2%、オンライン売買サイトを運営するドイツのスカウト24は4.1%それぞれ下げた。スペインのカイシャバンクは3.8%安と、銀行株の中で下げが目立った。ポルトガルのバンコBPIを買収するための資金調達で13億ユーロ相当の株式を売却した。

   バンクハウス・ランプ(デュッセルドルフ)のストラテジスト、ラルフ・ツィマーマン氏は「より慎重な姿勢を取るように促す兆候かもしれない」とし、「景気と企業利益が適度に加速することが株価の持続的な上昇を支える要因となるだろうが、目先にこうした状況は見込めない。そうしたことから大きな取引レンジ内にとどまっている」と語った。

  指標のストックス欧州600指数は前日比0.7%安の345.34で終了。業種別指数のほとんど全てが値下がりした。週間ベースの上げ幅を削ったものの、7月以来の大幅高となった。バンク・オブ・アメリカ(BofA)がまとめたリポートによれば、欧州株からの資金流出は過去最長の33週連続となった。

  この日発表された9月のユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)速報値は1年8カ月ぶりの低水準に落ち込み、市場予想を下回る結果となった。
原題:Europe Shares Pare Best Week in Months on Renewed Economy Worry(抜粋)

◎欧州債:ドイツ30年債が週間ベースで上昇、緩和策拡大との見方

  23日の欧州債市場ではドイツ国債が週間ベースで5月以来の大幅上昇となった。追加緩和策が講じられるとの投資家の見方は、最新の経済データでほとんど揺らいでいない。

  30年物利回りは2週間ぶり低水準付近で推移。IHSマークイットがこの日発表したサービス業と製造業を合わせた9月のユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)はエコノミストの予想以上に落ち込み、経済活動が2015年1月以来の鈍い状態にあることを示唆した。

  今週は長期債の上げが目立った。米当局が21日に来年の利上げ回数の見通しを下方修正したほか、同日に日本銀行は金融政策を調整した。これで欧州中央銀行(ECB)も追加緩和を強いられるとの観測が高まった。

  ダンスケ銀行(コペンハーゲン)のチーフアナリスト、アラン・フォンメーレン氏は「米当局のメッセージはハト派的と受け取られた。これは利回り追求とイールドカーブのフラット化が進むことを意味する」と述べた。

  ロンドン時間午後4時40分現在、ドイツ30年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.48%。週間ベースでは16bp低下し、5月6日終了週以来の大きな下げとなった。同国債(表面利率2.5%、2046年8月償還)価格は前日比0.379下げ156.095。

  2年債との利回り格差は前週末から14bp縮まり114bp。長期債の需要が強まったことを反映した。
原題:Europe’s Bond Rally Intact as Economy Keeps Stimulus Bets Alive(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE