激戦制した米マリオット、今度はオンライン旅行代理店と熾烈な戦い

  • ホテル側は予約主導権めぐりエクスペディアやプライスラインに対抗
  • マリオットはその規模の大きさで前代未聞の交渉力持つ

スターウッド・ホテルズ&リゾーツ・ワールドワイドへの買収合戦で中国の安邦保険集団に競り勝った米マリオット・インターナショナル。買収で世界最大のホテル運営事業者となった同社が規模の優位性を生かして、もう一つの長期にわたる熾烈(しれつ)な戦いに立ち向かわなければならない。相手はホテル宿泊料金の10%以上を手数料として得るエクスペディアプライスライン・グループなどのオンライン旅行代理店だ。

  この戦いでマリオットなどホテル側はオンライン旅行代理店を介さず予約する頻繁な利用者に対し、宿泊料金割引や無料のWiFi接続を提供するなどの攻勢を仕掛けており、オンライン旅行代理店経由の予約だとポイントサービスの利点がないと利用者に注意喚起している。モルガン・スタンレーのアナリスト、トーマス・アレン氏によると、これに対してオンライン旅行代理店側はネット検索結果で大手ホテルサイトの順位が下になるように動いている。

マリオットホテル

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  宿泊ビッグデータ提供のカリブリ・ラブズによれば、米国のホテル宿泊支出は昨年、前年比7.3%増え1500億ドル(約15兆1700億円)近くとなったが、オンライン旅行代理店はその総宿泊日数の約15%の予約を受け付けた。マイアミとその近辺で複数のマリオットホテルを所有するロバート・フィンバーブ氏は、マイアミビーチなどの一部の市場では、オンライン代理店経由の予約はもっとずっと高い比率だとし、「予約の主導権を取り戻すことが極めて重要だ」と話す。

  マリオットにとっての朗報は、同社の規模の大きさだ。140億ドルに上るスターウッド買収を成功させたことで、マリオットは前代未聞の交渉力を持つことになる。代理店経由の予約では、宿泊客の好みや支出パターンのデータを手にすることができないため、マリオットは仲介業者の影響力を排除を望んでいる。

6大陸に110万室以上

  ロバート・W・ベアードのシニアアナリスト、デービッド・ローブ氏はこのデータは極めて重要だとし、ホテル側がこうした顧客情報を入手できれば「収益性が高まる」と指摘した。

  「ウェスティン」など10ブランドを持つスターウッドを傘下に収めたマリオットは、6大陸に110万室余りを展開する。2位の米ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスの1.5倍近い多い客室数だ。プライスウォー ターハウスクーパース(PwC)のホスピタリティ-・レジャー担当プリンシパル兼インダストリーリーダー、スコット・バーマン氏は「頻繁な利用者に狙いを定め逃さないようにすることが決定的に重要だ」と述べた。

  この業界への新規参入も相次ぐ。グーグルは「デスティネーションズ」という名称のモバイル用旅行計画ツールや「トリップス」という旅行ガイドアプリを使って旅行サービス事業への進出を図っており、フェイスブックも商品購入に客室予約を含めるようにする可能性がある。

原題:Marriott Won the Starwood Battle, Now on to the Expedia War (1)(抜粋)

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