円が対ドル100円近くに上昇、日銀政策の微調整は無力の表れとの見方

日本銀行の黒田東彦総裁が手を尽くせば尽くすほど、トレーダーらは円の上昇を抑える力が日銀にはないと確信するようになる。

  21日の日銀の政策発表後、円は一時下落したものの結局、前日比上昇で同日の取引を終えた。日銀の会合があった日に円が上昇して引けるのはこれで5会合連続。日銀は政策の焦点をマネーサプライ拡大から金利操作に移し、10年物国債利回りを0付近で維持する方針を打ち出した。フォワードガイダンスを強化しインフレについて「オーバーシュート型」コミットメントも表明した。マイナス金利の深掘りは控えた。

  円は日銀発表後に一時1.1%安の1ドル=102円79銭となったが、その日のうちに下げ幅を全て解消。22日は一時100円10銭まで上昇した後、ロンドン時間午前6時41分は前日比0.1%高の100円23銭。

  ブルームバーグがオプション価格からまとめたデータによれば、年末までに円が99円に達する確率は84%と、9月初め時点の59%から上昇した。

  みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケットエコノミストは、政策メニューをより複雑にすることは日銀が限界に直面していることを市場に確信させるばかりだと指摘。さらに、オーバーシュート型コミットメントがこれまでとどの程度違うのかも不明瞭だとし、従って市場は強い印象を受けず円買いシグナルだと判断したと説明した。

  またSMBCフレンド証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは、イールドカーブをコントロールするには細かい市場操作が必要で、これが軌道に乗るまでは日銀がマイナス金利深掘りを控える公算が大きいとの見方を示した。

原題:Yen Strength Shows Traders See BOJ Tweaks as Impotence Sign (1)(抜粋)

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