債券上昇、超長期ゾーン堅調でフラット化-投資家戻っているとの声も

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  • 流動性供給入札結果:応札倍率3.18倍と前回の同年限入札より低下
  • 新発20年債利回り一時0.36%、新発30年債利回り0.45%まで低下

債券相場は上昇。日本銀行が金融緩和の新たな枠組みを導入したものの、超長期債の買い入れが当面減額されないとの見方から同ゾーンが堅調となり、利回り曲線はフラット(平たん)化した。一方、流動性供給入札の結果が弱めとなり、午後の取引で相場の上値が重くなる場面があった。

  23日の長期国債先物市場で中心限月12月物は、前営業日の21日終値比28銭高の151円77銭で取引を開始し、151円86銭まで上昇した。午後は流動性供給入札の結果を受けて、151円60銭まで伸び悩んだが、徐々に持ち直した。結局は27銭高の151円76銭で引けた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「しばらく金利は上昇しそうにないので、プラス利回りのゾーンを買っておこうと超長期がしっかりしている。日米の金融政策会合を終えて市場は落ち着きを取り戻してきた。米利上げへの警戒は続くが、低インフレ見通しに変化のない主要国の債券相場は堅調な地合いが続く」と話した。一方、「流動性供給入札の結果が少し弱かったことが嫌がられて先物が売られ、10年債が甘くなる場面も見られた」と述べた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した21日午後3時時点の参照値より2.5ベーシスポイント(bp)低いマイナス0.055%で開始し、マイナス0.065%まで下げた。午後はマイナス0.04%まで売られた後、マイナス0.055%に戻している。

  新発20年物の158回債利回りは一時5.5bp低い0.36%、新発30年物の52回債利回りは6bp低い0.45%まで下げ、新発40年物の9回債利回りは7bp低い0.525%を付け、いずれも8日以来の低水準に達した。

  SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、「日銀はこれまで量をコントロールしてきたが、今後は利回り曲線をコントロールするため、ボラティリティが低下するだろう。金利の急上昇は許さないということなら、キャリーロールダウンで最も効果が大きい長いゾーンを買うのが正しい」と話した。

  財務省が午後発表した残存期間5年超から15.5年以下を対象とした流動性供給(発行額5000億円)の入札結果は、募入最大利回り較差がマイナス0.023%、募入平均利回り較差はマイナス0.031%となった。投資家需要の強弱を示す応札倍率は3.18倍と、同年限を対象にした前回8月25日入札の3.85倍から低下した。

新たな金融政策枠組み

日銀本店

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日銀は20、21日に開いた金融政策決定会合で、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入し、長期金利がゼロ%程度で推移するように国債買い入れを実施することを決めた。買い入れ額はおおむね現状の年間約80兆円ペースをめどとしつつ、金利操作方針を実現するよう運営する。日銀が利回りを指定して国債を買ったり、最長10年の資金を固定金利で供給する金融調節手段も採用する。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、「日銀はあくまで2%の物価目標を目指す以上、物価が下がっていけば、追加緩和せざるを得ない状況に追い込まれていく。金利を操作目標にしたので、付利の引き下げが中心となり、国債買い入れは従来と同程度の規模が目安だが、金利が低ければ減らす可能性もある」と指摘。「日銀の本音としては、できるだけ購入量を減らし、テーパリングしたいのだろう。国債発行残高に占める保有額の割合が上昇しているのと、バランスシートの膨張が赤字につながる財務上の問題があるためだ」と述べた。

  22日の米国債相場は続伸。米10年債利回りは前日比3bp低下の1.62%程度で引けた。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策の引き締めが見送りとなり、長期的な政策金利見通しを引き下げたことが引き続き支えとなった。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「日銀政策の不透明感がはく落したことに加え、米利上げ見送りを見てもグローバールにハト派的な政策が続くとの見通しが広がり、行き過ぎた緩和縮小観測によるスティープ化の流れが反転している」と述べた。「日銀が言う現状程度の水準に対する解釈は難しいが、超長期ゾーンもあまり金利上昇は許さない姿勢を示したので、様子見していた投資家が長いゾーン中心に戻ってきているのではないか」と言う。

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