FOMC:金利据え置き、総裁3人が反対-利上げなお公算大

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米連邦公開市場委員会(FOMC)は20、21 両日に定例会合を開き、政策金利据え置きを決定した。金利据え置きには3人のメンバーが利上げを主張して反対票を投じた。声明では目標に向けた進展状況をさらに見極めるとした一方、年末までの利上げの可能性はなお高いとの認識を示した。

  声明は「経済見通しへの短期的なリスクはおおよそ均衡しているように見受けられる」と指摘。「委員会はフェデラルファンド(FF)金利引き上げの論拠は強まったと判断しているが、当面は委員会の目標に向けて進展を続けているというさらなる証拠を待つことを決めた」とした。

  海外リスクと一貫性のない景気の強さを背景に金利据え置きは6会合連続となった。今後は年内に利上げを実施する最後の機会となる12月に注目が移り、利上げは大統領選を含む今後数カ月間の景気や物価、市場の動向次第となりそうだ。

  アマースト・ピアポントのチーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は「声明はわたしが考えていたよりもはるかにタカ派的だ。それは当局がエンジンを吹かしていることを示している」と語った。

  3人のメンバーが反対票を投じたのは2014年12月以降で最多となり、この3人は0.25ポイントの利上げを求めた。カンザスシティー連銀のジョージ総裁は2会合連続で反対。クリーブランド連銀のメスター総裁は初めて反対に回った。ボストン連銀のローゼングレン総裁も引き締めを求めて反対した。同総裁は2013年12月の会合で反対票を投じたことがある。この時、総裁は資産購入プログラムの縮小が時期尚早と主張していた。

  連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は記者会見の冒頭で、この日の決定について、「景気に対する信頼感の欠如を反映しているわけではない」と発言。「金融政策がほんのわずかだけ緩和的であるため、近い将来に後手に回るリスクはほとんどないように見受けられる」と話した。

  金利予測分布図(ドット・プロット)によると、当局者の大部分は年内0.25ポイントの利上げ1回を予想している。年内の金利据え置きが最も適切だと考える当局者は3人。2017年と長期的な利上げ見通しはそれぞれ下方修正された。

  来年の利上げ見通しの中央値は2回と、前回6月の予想の3回から減少した。

  声明は「労働市場の指標はやや一層力強さを増すと見込んでいる」と指摘。前回7月の声明に「やや一層」という文言を加えた。

  さらに「失業率はここ数カ月間ほぼ変わっていないが、雇用の伸びはおおむね堅調だった」とし、「家計支出は力強く伸びているが、企業の設備投資は軟調な状態が続いた」と分析した。

  FOMCはFF金利誘導目標のレンジを0.25-0.5%で維持した。昨年12月には7年間続いた事実上のゼロ金利政策を解除し、0.25ポイントの利上げに踏み切った。

  FOMCは「引き続きインフレ指標と世界の経済・金融情勢を注視していく」との考えをあらためて示した。

  さらに、借り入れコストは恐らく「緩やかな引き上げに限って正当化される」と指摘。インフレについては中期的に2%に上昇していくとの見通しを示した。

  11月のFOMC会合は米大統領選を1週間以内に控えている上、イエレン議長の記者会見も予定されていないことから、12月会合での利上げ決定の方が可能性が高いとエコノミストの間ではみられている。

  政策金利の長期予想の中央値は2.9%と、6月の3%から引き下げられた。長期予想は金利がどのくらい高くまで上昇するかに関する当局者の見解で、その下方修正は利上げ軌道が一段と低くなることを示唆している。

  2016年成長予想の中央値は1.8%と、前回の2%から低下し、長期予測も引き下げられた。第4四半期のインフレ率予測は前年同期比1.3%と、6月時点の予想1.4%から下方修正された。2018年については目標である2%に達するとの見通しを維持した。

  ブルームバーグの調査によれば、大半のエコノミストはこの日の金利据え置きを予想していた。利上げ確率は15%にすぎなかった。12月13-14日会合での利上げ確率は54%となっている。

  

原題:Divided Fed Holds Fire, Signals 2016 Rate Increase Still Likely(抜粋)

(第9段落以降を追加し、更新します.)
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