9月21日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル下落、FOMCは利上げ見送り

  21日のニューヨーク外国為替市場でドルが下落。米連邦公開市場委員会(FOMC)は6会合連続で金利据え置きを決定した。さらに金融引き締めの軌道は緩やかなものになるとあらためて強調し、市場では来年末までの利上げ見通しが後退した。

  ドルは主要通貨の大半に対して下落。FOMCが発表した経済予測によれば、2017年の利上げ、さらに長期的な政策金利の見通しは後退した。FOMCメンバーの金利予測を示す「ドット」によると、今年は0.25ポイントの利上げが1度、来年は2度が見込まれている。

  シリコン・バレー・バンク(カリフォルニア州サンタクララ)の上級為替トレーダー、ミン・トラン氏は「長期的な見通しに基づくと、ドルは想定されていた利上げによる支援を受けられない」と述べた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.7%低下。ドルは対ユーロで0.3%下げて1ユーロ=1.1189ドル、対円では1.4 %安の1ドル=100円32銭。

  ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの新興市場戦略責任者ウィン・シン氏(ニューヨーク在勤)は「ドルは苦戦するだろう」と述べた。

  ワールド・ファーストUKのチーフエコノミスト兼為替戦略責任者、ジェレミー・クック氏は「やや失望した」と述べ、「もう少しタカ派的でも良かっただろう。25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) では世界は変わらない。今から12月までの道のりは長い」と続けた。  

  FOMCメンバーのうち金利据え置きには3人が利上げを主張して反対票を投じた。カンザスシティー連銀のジョージ総裁は2会合連続で反対。クリーブランド連銀のメスター総裁は初めて反対に回った。ボストン連銀のローゼングレン総裁も引き締めを求めて反対した。
原題:Dollar Falls as On-Hold Fed Casts Doubt Over Pace of Rate Hikes(抜粋)

◎米国株:上昇、FOMC金利据え置き好感-公益など高い

  21日の米株式相場は上昇。米連邦公開市場委員会(FOMC)が経済に改善の兆しが見られるとしながらも、政策金利を据え置いたことが背景にある。

  FOMCは利上げする前にインフレの勢いが力強さを増しているさらなる証拠を待つことを決定した一方、経済成長は目標の達成に向けた軌道を順調に進んでいると示唆した。これを手掛かりに株価は上昇。この日は公益やエネルギー、資源株が上げを主導した。ボーイングやキャタピラーも高い。

  S&P500種株価指数は前日比1.1%高の2163.12。ダウ工業株30種平均は163.74ドル(0.9%)上げて18293.70ドル。ナスダック総合指数は1%上げた。

  FBBキャピタル・パートナーズの調査ディレクター、マイク・ベイリー氏は「投資家にとっての短期的なリスク要因の一つが除かれた。市場は確実性を好む」とし、「今回は利上げはないとの見方が市場で一般的だったが、実際にその通りとなった。現在の問題は主要な材料は何かということだ。決算シーズンがまず挙げられる。またイタリアでの国民投票や英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる状況といった比較的重要度の低い国外要因、そして利上げだ」と続けた。

  FOMCは、利上げの論拠は強まったとしたが、「当面は委員会の目標に向けて進展を続けているというさらなる証拠を待つことを決めた」と記した。今回の決定には3人の地区連銀総裁が反対票を投じた。前回の1人から反対の数が増えた。また政策金利の道筋に関する当局者の見通しでは、2017年と長期的な利上げ回数の予想が従来よりも減った。

  声明発表後にイエレン議長が記者会見で、資産のバリュエーションは「歴史的な水準から外れていない」と発言したことを手掛かりに、米国株は上げを拡大。S&P500種の株価収益率(PER、予想ベース)は18.4倍と、2002年以来の高水準にある。

  イエレン議長は記者会見の冒頭で、、この日の決定について、「景気に対する信頼感の欠如を反映しているわけではない」と発言。「金融政策がほんのわずかだけ緩和的であるため、近い将来に後手に回るリスクはほとんどないように見受けられる」と話した。

  金利先物市場に織り込まれる年内の利上げ確率は59%となっている。

  オッペンハイマーファンズのクリシュナ・メマニ最高投資責任者(CIO)は「予想していたよりタカ派的といえるだろう。3人が反対票を投じたこと自体、よりタカ派的だ」と指摘。「12月も何もしないというのであれば、そのためにはデータが軟化する必要がある。何にも増して、それがニュアンスだ。12月利上げの可能性はなおある」と述べた。

  個別銘柄の動きを見ると、アドビ・システムズが7.1%高と、2014年12月以降で最大の上げ。同社が示した9-11月(第4四半期)の利益見通しはアナリスト予想を上回った。フェデックスは6.9%高。通期見通しの上方修正が好感された。
原題:U.S. Stocks Rise as Fed Holds, Signals Further Patience on Hikes(抜粋)

◎米国債:10年債は上昇、FOMCが長期の金利予測引き下げ

  21日の米国債市場では短期債のパフォーマンスが長期債を下回った。米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利引き上げを見送った上で、年内利上げの可能性は高いと示唆した一方、2017年以降の金利予測を引き下げた。

  米利回り曲線の指標はフラット化した。FOMCはフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25-0.5%に据え置き、長期的な利上げ見通しを下方修正した。ブルームバーグが調査したほぼ全てのエコノミストが利上げ見送りを予想していた。

  クレディ・アグリコルの債券戦略責任者、デービッド・キーブル氏は「FOMC予測が著しくハト派に傾いたことは目を引くが、明らかに当局は12月会合がかなりライブであると市場に伝えようとしている」と指摘。「年内1回の利上げがある可能性は非常に高くなったが、その後はフラットになりそうだ」と述べた。

  FOMCが示した金利予測で、長期的な金利水準は2.9%と、6月時点の3%から下方修正された。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによるとニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.65%。2年債利回りはほぼ変わらずの0.77%。

  米2年債と30年債の利回り差は4営業日連続で縮小し、約1.6ポイントとなった。

  ブルームバーグがまとめた先物動向のデータによると、市場が織り込む年内の利上げ確率は約59%と、6月以来の高水準付近となっている。この算出は利上げ後の実効フェデラルファンド(FF)金利が新たな政策金利レンジの中央値になるとの仮定に基づいている。

  ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ債券ストラテジスト、ガイ・リーバス氏(フィラデルフィア在勤)は「利上げの確率できょう織り込まれた分は小幅だ」と指摘。「12月の利上げ確率は75%以上になるはずだ」と話した。
原題:Treasuries Yield Curve Flattens as Fed Pares Long-Term Rate Path(抜粋)

◎NY金:上昇、日銀の政策シフトを好感-FOMCは金利据え置き

  21日のニューヨーク金先物相場は続伸し、2週間ぶりの大幅高となった。日本銀行の金融政策シフトを受けて、同中銀が景気刺激策拡大の取り組みを続けるとの観測が強まった。米連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利を据え置いたことから、金スポット相場は上げ幅を拡大した。

  ダニエル・ブリーゼマン氏らコメルツ銀行のアナリストは、日銀の「金融政策は極度に緩和的な状況にとどまり、それは金に恩恵となる」とリポートで指摘した。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日比1%高の1オンス=1331.40ドルで終了。6日以来の大幅上昇となった。

  ニューヨーク時間午後2時現在、金スポット相場は1.4%上げて1オンス=1333.34ドル。

  銀先物も上昇。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナ先物も値上がり、パラジウムはほぼ変わらずで引けた。
原題:Gold Gains After BOJ Policy Shift as Traders Await Fed Decision(抜粋)
Spot Gold Extends Gains After Fed Leaves U.S. Rates Unchanged(抜粋)

◎NY原油:大幅続伸、米在庫が予想外に減少し2月以来の水準

  21日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が大幅続伸。先週の米原油在庫が予想外に減少し、2月以来の水準に落ち込んだことが好感された。米連邦公開市場委員会(FOMC)が6会合連続で金利を据え置いた後も、原油は堅調を維持した。

  マニュライフ・アセット・マネジメント(トロント)のシニア株式アナリスト、キャバン・イー氏は「在庫統計は非常に強気な数字だ」と指摘した上で、「この数字は割り引いて見る必要があるかもしれない。輸入や生産、製油の数字は在庫取り崩しを指していない」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は1.29ドル(2.93%)高い1バレル=45.34ドルで終了。ロンドンICEのブレント11月限は95セント(2.1%)上げて46.83ドル。
原題:Oil Advances After U.S. Crude Stockpiles Tumble to 7-Month Low(抜粋)

◎欧州株:ストックス600が上昇、銀行株に買い-日銀政策を好感

  21日の欧州株式相場は上昇。日本銀行が発表した金融政策を手掛かりに、年初来で最悪のパフォーマンスを演じている銀行株が買われた。

  日銀が債券利回りをコントロールする政策を打ち出したため欧州でも同様の措置が講じられるとの期待が高まり、銀行株は約1カ月ぶりの大幅上昇となった。低利回りの環境が銀行の収益性を悪化させるとの懸念から、指標のストックス欧州600指数を構成する銀行銘柄の年初来下落率は一時36%に達し、同指数に対する銀行株のバリュエーションはこれまでで最も割安な水準付近にあった。

  CMCマーケッツの市場アナリスト、マイケル・ヒューソン氏(ロンドン在勤)は「過度のマイナス金利が銀行の収益性に打撃を与えていることを中銀は認識しつつある」とし、「日銀の措置がECBや恐らくイングランド銀行にとってもひな型になり得るとの見方がある。過去1年から1年半にわたり欧州の銀行に打撃を与えていたのはECBのマイナス金利政策だ」と語った。
 
   ストックス600指数は前日比0.4%高の342.46で終了。一時は1.1%上昇した。この日の取引では周辺国の銀行株の上げが目立ち、イタリアのUBIバンカは5.4%値上がり、スペインのポプラ-ル・エスパニョール銀行は9.1%高の急伸となった。
 
  投資家らは米金利見通しの手掛かりを得るため、この後行われる米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策発表とイエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見に注目している。今月の利上げ確率はわずか20%程度と見込まれている。
原題:Bruised European Lenders Rise on Yield Optimism After BOJ Move(抜粋)

◎欧州債:超長期債の下げ幅縮小、日銀の影響弱まる-FOMC発表控え

  21日の欧州債市場では、日本銀行の政策調整に伴いドイツ30年債が売りを浴びたものの、米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策発表を控えて下げ幅を縮めた。

  日銀が10年物国債利回りがおおむね現状程度(0%程度)で推移するようコントロールすると発表したことを受け、ユーロ参加国の国債が下落した。

  先物動向に基づく米利上げの確率はわずか22%で、市場ではFOMCの声明とイエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見が注目されている。

  この日の取引ではスペインなど周辺国債が上げる場面があった。欧州中央銀行(ECB)の資産購入プログラムが引き続き支援材料となっている。

  ラボバンク・インターナショナルの市場担当シニアエコノミスト、エルウィン・デフロート氏(ユトレヒト在勤)は、「現時点でこうした決定が実際にどのように作用するかを見極めるのは困難で、これが利回りが大きく動かなかった理由かもしれない」と発言。「ECBに何が実施できるかが引き続き注目されるだろう」と述べた上で、これで流れは変わらず、欧州債の利回りが低下するトレンドは続くだろうと付け加えた。

  ロンドン時間午後4時3分現在、ドイツ30年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.59%。一時は0.62%まで上昇した。前日までの3営業日で5bp下げていた。同国債(表面利率2.5%、2046年8月償還)価格はこの日、0.679下げ152.152。

  ドイツ2年債利回りはほぼ変わらずのマイナス0.65%。30年債との利回り格差は124bp。日銀の政策発表直後には127bpまで膨らんでいた。

  スペイン10年債利回りは2bp上昇し1%。8日以来の低水準となる0.95%まで下げる場面もあった。同年限のイタリア国債利回りは3bp上昇の1.28%。前日までの2営業日で9bp低下していた。
原題:Europe’s Longer-Dated Bonds Pare Declines as BOJ Impact Wanes(抜粋)

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