21日の東京株式相場は急伸、銀行など金融セクターを中心に東証1部33業種は全て高い。日本銀行が追加の金融緩和措置を決定、マイナス金利の深掘りを見送る一方、長短金利の操作や上場投資信託(ETF)の購入で新機軸を導入し、特に金融株にはプラスとみられた。為替の円安進行もプラス要因。

  TOPIXの終値は前日比35.70ポイント(2.7%)高の1352.67、日経平均株価は315円47銭(1.9%)高の1万6807円62銭。TOPIXの上昇率は7月11日の3.8%以来、およそ2カ月ぶりの大きさ。

  SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリストは、「マイナス金利の深掘りがなく、銀行株のウエートが高いTOPIX型のETFを買い入れ対象とすることで金融株の上昇は継続しそう」と話した。

日銀
日銀
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  この日の日本株は、日米金融政策のイベント待ちの様相から午前は方向感に乏しい展開となったが、午後の日銀金融政策決定会合の結果を受け、上昇基調を強めた。ドル・円相場は、午後に一時1ドル=101円3銭まで円高方向に振れたものの、取引後半にかけ102円70銭台まで円安の動きが強まった。

  日銀は、長短金利操作付きの量的・質的金融緩和の導入を決定。2%物価目標の実現へこれを安定的に持続するため、必要時点まで継続するとし、長短金利の操作を行うイールド・カーブ・コントロールを導入する。また、ETFの購入をめぐっては一般型の年間購入額5.7兆円のうち、3兆円は従来通りTOPIX、日経平均、JPX日経400に連動するETFを時価総額比例で買い入れる半面、2.7兆円についてはTOPIX連動型を対象にすることとした。大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、日銀の決定は「合格点」と言う。

  午後の取引で急騰し、業種別上昇率の上位を占めたのが銀行、保険など金融セクターだ。銀行株はTOPIXへの寄与度が大きい分、ETFのTOPIX型の傾斜購入方針が好感されたほか、金利政策もプラスに寄与。損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの狩野泰宏シニア・インベストメントマネジャーは、「金融政策に関するコンセンサスで一番多かったとみられるマイナス金利の深掘りが見送られ、銀行株中心にポジティブな反応が出た」とみる。東証銀行株指数は、マイナス金利が深掘りされた場合、収益に悪影響を及ぼすリスクが警戒され、5日の高値162.10から15日の安値142.72まで12%調整していた。

  今後はTOPIX型ETFへの支援材料が増えるとみられ、TOPIXと日経平均の相対位置関係を示したNT倍率は12.4倍と6月24日以来、約3カ月ぶりの低水準となった。三井住友アセットマネジメントの吉川雅幸チーフマクロストラテジストは、ETFに関する日銀の新方針は「NT倍率の拡大を是正する意図がある」とした。東証1部の売買高は25億8902万株、売買代金は2兆7152億円で、ともに7月29日以来の高水準に膨らんだ。

  • 東証1部33業種は全て上げ、銀行、保険、証券・商品先物取引、海運、その他金融、不動産、輸送用機器、鉱業、小売、化学が上昇率上位。

  • 売買代金上位では三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループのメガバンク3社が大幅高、第一生命保険や東京海上ホールディングス、トヨタ自動車、セブン&アイ・ホールディングス、ホンダも高い。半面、任天堂や東京エレクトロン、ディー・エヌ・エーは安い。
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE