米大統領選でトランプ氏勝利の可能性、カナダ・ドルにも影響し始める

米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏がメキシコとの国境に壁を建設し、メキシコに費用を負担させると公約していることを受けて、メキシコ・ペソは大きく下落してきた。

  為替ストラテジストらによれば、リスクは今や北側の国境にも波及し始めており、カナダ・ドルもトランプ氏が大統領選で優勢になりつつあるとの見通しに敏感になっている。

  ソシエテ・ジェネラルのグローバル・ストラテジスト、キット・ジャックス氏は18日に顧客向けリポートで、「米国の政治はこの先も市場マインドの中心にとどまり、神経質な動きを増幅させる」と指摘。「メキシコ・ペソは初期の影響をすべて受けてきたが、影響は拡大しており、16日までにカナダ・ドルに及んだ」と記した。

トランプ氏(中央)

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  加ドルは一般的に産油国通貨として評されるが、最近はトランプ氏におびえる通貨の様相を呈している。

  ソシエテ・ジェネラルの為替デリバティブズ・ストラテジスト、オリビエ・コルベール氏はトランプ氏が北米自由貿易協定 (NAFTA)からの離脱を表明していることが、メキシコ経済だけでなく、カナダの繁栄にとっても脅威になると解説。「特権的な貿易パートナーとしてのカナダの地位に重くのしかかるこの脅威を、為替市場は次第に織り込んでいくはずだ」と話した。

  メキシコ・ペソとトランプ氏勝利の確率との間にみられる関連性は比較的明確だが、米選挙のリスクがカナダに広がったことを把握するにはデリバティブ(金融派生商品)に目を向ける必要がある。

  選挙の10日後に期限を迎える米ドルの対加ドルでのオプションのインプライド・ボラティリティ(IV、予想変動率)は過去2週間に急上昇。他の資源国通貨であるオーストラリア・ドルでの同様期限のオプションとは異なり、高い水準にとどまっている。

原題:It Looks Like the Chance of a President Trump Is Starting to Hit Canada’s Currency(抜粋)

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