日立:風況に合わせた製品群で海外勢に対抗-ダウンウインド型風力

日立製作所は風力発電設備で「ダウンウインド型」と呼ばれる風車の翼の部分が発電機など機器を収めた「ナセル」と呼ばれる本体部分の後ろ側にあるタイプを導入し、さまざまな風の状況に対応できる製品をそろえることで販売体制を強化している。

  ダウンウインド型はブレードがタワーの後ろにあるため、国内に多い山岳地では山の斜面に沿って下から吹き上がる風に合わせて風車の面を下方に向けることができるため、ブレードがタワーの前にある従来型の風車よりも効率的に捕らえることができる。また、風向風速計がブレードの前にあるために正確な風の状態を計測することが可能で、風向の変化などへの追随性が高まることで装置全体にかかる荷重を抑制できることも利点。

  同社新エネルギーシステム本部の松信隆チーフプロジェクトマネージャーは「持っている製品の特長を生かせるところでないと勝てない」とし、欧州型の機器が強い市場に「われわれの日本型風車を持って行っても競争力が出しづらい」と指摘した。日本と環境の条件が近いところに可能性があるとし台湾の市場を調査中だとした。

  ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスのアナリスト、トム・ハリーズ氏(ロンドン在勤)は電子メールでの取材に対し、ダウンウインド型は「非常にニッチな風力設備」とコメント。「風車が下に向いているということは、強風下ではブレードがタワー部分から離れるように外側にたわむことになる」と述べ、台風接近時のような強風が発生したときなどにタワーにブレードが接触して起こる損傷のリスクを軽減することができると話した。

  同社のダウンウインド型設備は洋上風力事業にも採用されている。同社は2メガワット(2000キロワット)の機器1基を、2013年に運転開始した長崎県で進められている国内初の浮体式洋上風力発電の実証事業向けに供給。また、福島県沖の浮体式洋上風力実証事業向けにも、2メガワットと5メガワットの機器2基を供給している。

原題:Hitachi Bets on Rough Weather, Downwind Turbine for Market Share(抜粋)

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