不安が欲望に勝る米国株・債券市場、陶酔感はほとんど見当たらず

  • 株式市場から資金流出、現金比率は金融危機以来の高水準付近
  • 株・債券相場は過大評価と指摘する運用者の割合、過去最高の54%

強気相場は、通説に従えば、投資家が慎重さを棚上げにし陶酔感に導かれた後に行き詰まる。しかし、今の抑制された市場センチメントから判断すると、相場は過熱にほど遠い状態だ。

  ポジションのデータでは、欲望は株式市場や債券市場で目に見えないわけではないが、依然として不安が先に立っている。株式市場では、相場は高いかもしれないが、投資意欲のある層は縮小しつつある。債券利回りは過去最低付近で推移しているものの、先物ポジションのデータは過去7カ月で最も強気派が後退していることが示されている。

  緩和マネーで市場が膨張しバブル説が浮上しているもにもかかわらず、投資家の間には陶酔感はほとんど見当たらない。ここ数回の急落が底の浅いものだったのは、投資家のこんな姿勢から説明されるとアナリストは指摘する。

  アドバイザーズ・アセット・マネジメントのマット・ロイド最高投資責任者(CEO)は「ここしばらくの間で最も不安に支配された相場の一つだ。こうした相場は、より長期の上昇軌道にあることを意味する傾向がある」と指摘。「投資家は極めて長期間にわたり、いかなる種類の相場暴落への備えも取ってきたため、実際に相場が暴落しても下振れは大きくならないだろう」と付け加えた。

ウォール街を歩く歩行者

Photographer: David Williams/Bloomberg

  中央銀行の政策や大統領選挙をめぐる不透明感に加え、企業利益の減少など投資家の安眠を妨げる要因は増えつつある。バンク・オブ・アメリカ(BofA)の9月のマネーマネジャー調査によれば、株・債券相場が過大評価されていると回答したのは過去最高の54%に上った。現金保有比率は5.5%と、2008年の世界金融危機以来の高水準付近にある。

  米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、9月9日の急落に先立つ週にヘッジファンドやマネーマネジャーの米国債先物ポジションが2万4134枚の買い越しと、今年の平均の半分に落ち込んだ。米10年債利回りが2週連続で上昇した先週も買い越しは減り、7カ月ぶりの低水準となった。

原題:Fear Trumps Greed in Global Markets Few Can Describe as Euphoric(抜粋)

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