【今週の債券】日銀緩和決定後に金利低下、サプライズはないとの見方

  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.10%~プラス0.01%
  • 今週は投資家が買える水準を模索していく展開-三井住友アセット

今週の債券市場では長期金利の低下が予想されている。日本銀行が総括的な検証を行う今回の金融政策決定会合で、マイナス金利政策の強化を軸に追加緩和に踏み切るとの観測が背景にある。

  ブルームバーグが前週末に市場参加者4人から聞いた新発10年物国債利回りの予想レンジは全体でマイナス0.10%~プラス0.01%。前週は日銀の総括的検証による国債買い入れの柔軟化で超長期債の購入が減額されるとの観測が強まり、利回り曲線にスティープ(傾斜)化圧力が掛かった。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、日銀決定会合について、「買い入れが中短期ゾーンに若干シフトする可能性があり、要は警戒されているような超長期ゾーンの減額はないのではないか」と述べた。

日銀本店

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日銀が20、21日に開く決定会合について、ブルームバーグがエコノミスト43人を対象に実施した調査によると、追加緩和を行うとの予想が23人(54%)となった。緩和手段として、マイナス金利拡大の予想が最も多く、長期国債買い入れ増、マネタリーベース拡大などが続いた。一方、追加緩和なしは6人とゼロだった前回7月会合前の調査から増えた。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「政策予見性を重視して日銀がコミュニケーションを強化したこともあり、大きなサプライズはないだろう」と予想。「東京市場では政策決定後に恐らく数時間しか取引できず、米連邦公開市場委員会(FOMC)結果が出る翌日は祝日に当たる」と言う。

予想レンジと相場見通し

*T
◎大和証券の山本徹チーフストラテジスト
先物12月物=151円55銭-152円30銭
10年物国債利回り=マイナス0.10%~マイナス0.02%
  「先週は日銀決定会合を控え、『Sell the rumor』となったが、今週は結果が出ることで『Buy the fact』を想定している。先週は米長期金利も上昇したが、FOMCでの利上げに対する警戒感が高まったというよりも、日銀に対する不透明感が引き起こしたといえる。今月の米長期金利の上昇はタームプレミアムの上昇で説明できる。日銀決定会合後に国内金利が『Buy the fact』となって安定することで、米国金利も安定するだろう」

◎アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
先物12月物=151円25銭-152円00銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.07%~プラス0.01%
  「今回のFOMCでは利上げは見送りか。日銀会合では市場で予想されているようにマイナス金利の若干の深掘りが決まるとみている。緩和決定後には一時的に株高・円安となり、金利に若干の上昇要因になる可能性がある。もっとも、マイナス金利の深掘りだけでは、国債購入が従来通りであれば全体的に平たん化圧力が掛かる可能性もある。一方、量を増やすとの観測も出ており、今回は検証のみにとどめるとの声もある。両方でサプライズも想定されるので動きにくい」

◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長
先物12月物=151円35銭-152円10銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.10%~ゼロ%
  「注目は日米決定会合。FOMCは9月利上げがないことが見込まれている。日銀は報道などでマイナス金利深掘りや国債買い入れ柔軟化などか。年間国債買入れ額を70兆~90兆円のレンジ化する話はこの間のスティープ化でおおむね織り込まれた。80兆円を維持し、短期増額・超長期減額のオペにしても、短期債の需給がタイトで札割れリスクがあることを考えると、びっくりするような規模でやるのは困難。このため、織り込まれたモノ以上のモノが出てこない可能性が高い」

◎三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループ理事兼副ヘッド
先物12月物=151円30銭-152円30銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.10%~ゼロ%
  「今週は投資家が買える水準を模索していく展開だろう。日銀が実際にできることはそれほどないはずだとみている。過剰に織り込んだ分がいったん剥落し、その後にまたスティープ化の方向ではないか。先週末はこのところのスティープ化からちょっと落ち着きかけていた相場が、日銀の買いオペで超長期ゾーンが入らなかったことを受け、またグラッときている。その分が日銀の検証後に入るので下支え要因とみることもできるが、方針変更で入らないままになる懸念もある」
*T

今週の主なイベント

21日日銀金融政策決定会合の結果発表
23日流動性供給入札発行予定額5000億円程度

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