9月16の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル上昇、米CPIが予想上回る-FOMC控え

  16日のニューヨーク外国為替市場ではドルが上昇。ドル指数は7月以来の高水準となった。米消費者物価指数(CPI)が市場の予想以上に上昇したことが手掛かり。

  ドルはG10通貨の大半に対して値上がりした。8月のCPI統計はインフレ率が米連邦公開市場委員会(FOMC)の2%目標に向かっていることを示唆した。FOMCは20、21両日に定例の政策会合を開く。日本銀行も同両日に政策決定会合を開催する。

  ジュリアス・ベアの為替調査責任者、デービッド・コール氏は米CPIを受けて、「ようやく、ドルにとって好ましい数字だ」と指摘。「ドルをめぐるシナリオは来週のFOMCの行動に関連している。データへの注目がますます高まっている。利上げへの論拠を組み立てたいのなら、インフレに目を向ければよい」と述べた。

  ジュリアス・ベアではドルが年末までに106円に上昇すると予想している。

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.7%上昇。7月28日以来の高水準に達した。ドルは対ユーロで0.8%高の1ユーロ=1.1155ドル。対円では0.2%上げて1ドル=102円29銭。

  8月のCPIは前月比0.2%上昇。7月は前月比ほぼ変わらずだった。食品とエネルギーを除くコアCPIは前年比で2.3%上昇した。前月は2.2%上昇だった。

  ブルームバーグがまとめたデータによると、金利先物市場が織り込む年内利上げの確率は54%。次回利上げ後に実効フェデラルファンド(FF)金利が新たな目標レンジの中央値で推移することを前提に、この確率は算出された。

  トロント・ドミニオン銀行のシニア為替ストラテジスト、メイゼン・アイサ氏は「ドルは主要通貨に対して若干上昇したが、結局のところは来週のFOMCと日銀という大きなイベントリスクに市場は目を向けている」と指摘。「FOMCの行動に影響する段階にはまだ達していない。当社の予想は12月だ」と述べた。
原題:Dollar Reaches Highest Since July as U.S. CPI Exceeds Forecast(抜粋)

◎米国株:反落、成長の先行きを懸念-石油や銀行株が安い

  16日の米株式相場は反落。来週に連邦公開市場委員会(FOMC)会合を控える中、まだら模様の成長を示唆した経済指標が売りを誘った。

  原油相場が1カ月ぶりの安値を付け、エネルギー銘柄が下落。ドイツ銀行を中心に欧州の銀行株が売られ、米銀行株の地合いも悪くした。ドイツ銀は住宅ローン担保証券(RMBS)販売をめぐる調査を決着させるために140億ドル(約1兆4300億円)を支払うことを米司法省に求められたが、減額を求める方針を明らかにした。四半期売上高が予想を下回ったオラクルは4.8%下落。一方、売上高見通しを上方修正したインテルは3%高。

  S&P500種株価指数は前日比0.4%安の2139.16で終了。ダウ工業株30種平均は88.68ドル(0.5%)下げて18123.80ドルで終えた。ナスダック総合指数は0.1%下落。この日は株価指数と個別株の先物とオプション取引が期限を迎える四半期ごとのクアドルプル・ウィッチングに当たったことから、商いが膨らんだ。

  S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社はこの日の取引終了後、四半期ごとの指数の銘柄入れ替えを実施する。S&P500種のウエートがほぼ20年ぶりに変更されるほか、金融株指数から不動産投資トラストが除外され、全部で11セクターとなる。

  フランク・キャピタル・パートナーズの運用担当者、ブライアン・フランク氏は「原油が40ドル割れに近づいていることは、価格が恐らく完全には回復しないことをあらためて認識させている。ドイツ銀行の話は全ての市場参加者を神経質にさせている」と述べた。

  欧州中央銀行(ECB)と英イングランド銀行が金融政策を維持した後、注目は来週のFOMCに移っている。金利先物市場が示唆する9月利上げの確率は20%と、1週間前の30%から低下している。利上げ確率が50%を超えるのは12月以降。ブルームバーグが実施したエコノミスト調査によれば、FOMCは来週の会合で政策金利を維持すると予想されているが、利上げが近いことをさらに強調するとみられている。

  この日発表された8月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想を上回る伸びを示した。9月のミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は4月以来の低水準である前月から変わらず。

  ロバート・W・ベアード(ロンドン)の株式担当副会長を務めるパトリック・スペンサー氏は「前日に弱い経済指標が発表されたため、米国のマクロ経済見通しに対する懸念が強まっている。主な株価指数は最高値近辺で推移しており、下げは意外ではないが、長期的なトレンドはなお強く、どのような調整も限定的になるとみられている」と述べた。

  S&P500種の全10セクターのうち8セクターが下落。特に金融、エネルギー、工業の下げが目立った。一方、公益事業株は3日続伸。 
原題:U.S. Stocks Slide With Investors Wary on Growth Before Fed Meets(抜粋)

◎米国債:ブラックロックは30年債敬遠、急落後も妙味なし

  ブラックロックのグローバル債券最高投資責任者(CIO)であるリック・リーダー氏にとって、米30年債に投資妙味はまったくない。2週間に及ぶ下げで同年債利回りが6月以来の高水準に押し上げられてもだ。

  30年債は9月に入って5%下落した。このままいけば過去1年半で最悪の月となる。各国の中央銀行が景気刺激のために投じてきた金融政策の限界を見極めつつあるとの見方が背景だ。イールドカーブはスティープ化が続いたが、この日は縮小した。

  リーダー氏は「30年債にそれほど大きな価値はない」と述べ、米金融政策当局は「インフレを押し上げるだろう。そしてイールドカーブがスティープ化するだろう」と続けた。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨーク時間午後5時現在、30年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.45%。同年債(表面利率2.25%、償還2046年8月)価格は95 28/32。

  米2年債利回りは4bp上げて0.76%。日本やドイツはマイナス利回りとなっている。

  SEBのシニア金利ストラテジスト、マリウス・ダハイム氏(フランクフルト在勤)は、「中央銀行が取れる手段は出尽くしつつあるのか」と述べ、「この次の段階を市場は見極めようとしており」、「それが長期債の利回りをさらに押し上げる可能性がある」と続けた。
原題:BlackRock’s Rieder Takes Dim View of Long Treasuries After Rout(抜粋)

◎NY金:続落、プラチナは週間で2013年来最長の7週連続安

  16日のニューヨーク貴金属市場は下落し、金相場は続落。プラチナは週間ベースで2013年以来最長の7週連続安となった。今週はドルが主要通貨に対して1.1%上昇、代替投資先としての貴金属の妙味が低下した。

  オプションセラーズ・ドット・コム(フロリダ州タンパ)の創業者、ジェームズ・コーディアー氏は電話インタビューで、「需要が疑問視されている」と指摘。「ドルが金や貴金属の重しになっている。プラチナは工業用需要もなく二重苦だ」と述べた。

  ブルームバーグのデータによると、ニューヨーク時間午後2時27分現在、プラチナスポット相場は前日比1.8%安の1オンス=1013.90ドル。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日比0.6%安の1オンス=1310.20ドルで終了。銀先物も下落した。
原題:Platinum Market Peters Out in Longest Losing Streak in 3 Years(抜粋)

◎NY原油:反落、1カ月ぶり安値-リビアの輸出再開を警戒

  16日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が反落。リビアとナイジェリアが原油輸出を再開すれば世界的な供給過剰がさらに進むとの見方から、1カ月ぶり安値に下げた。国際エネルギー機関(IEA)は今週、供給過剰の解消にはこれまで予想されていたより時間がかかるとの見方を示した。

  プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のシニア市場アナリスト、フィル・フリン氏は「閉鎖されているリビアの積み出し港から輸出が再開されるとのニュースが伝わり、原油は下げている」と指摘。「輸出の増加分は世界的な供給超過に加わることになる」と続けた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日比88セント(2.00%)安い1バレル=43.03ドルで終了。終値としては8月10日以来の安値。週間では6.2%下げた。ロンドンICEのブレント11月限は82セント(1.8%)下げて45.77ドル。
原題:Oil Falls to 1-Month Low as Nigeria, Libya Poised to Swell Glut(抜粋)

◎欧州株:下落、ドイツ銀ショックで売り波及-週間で3カ月ぶり大幅安

  16日の欧州株式市場ではドイツ銀行の急落が銀行業界全体に広がり、売りが加速。週間ベースでは指標のストックス欧州600指数が、英国が欧州連合(EU)離脱を選択して以降最大の下げを記録した。

  ドイツ銀行は8.5%下落し、英EU離脱選択以来の大幅安。同行は住宅ローン担保証券(RMBS)販売問題の決着に米司法省から140億ドル(約1兆4300億円)の支払いを求められたが、これに近い額で決着させる考えはないと明らかにした。

  これが材料視され、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)やクレディ・スイス・グループが4%前後の下げとなったほか、イタリアやポルトガルの銀行株も売り込まれた。ストックス欧州600の銀行株指数は週間で5.6%下げ、過去2カ月の上げ幅の3分の1を失った。

  ストックス欧州600指数は前日比0.7%安の337.82で終了。過去7営業日のうち6日で下げ、6週ぶりの安値に落ち込んだ。中央銀行が追加緩和に積極的でないとの懸念に銀行不安が加わり、同指数は6月以降で初めて2週連続で下落した。バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチのリポートによると、欧州株式投資ファンドの資金純流出入は過去最長の32週連続で出超となった。

  CMCマーケッツ(ロンドン)の市場アナリスト、ジャスパー・ローラー氏は「ドイツ銀行のニュースが市場をやや動揺させた」と指摘。「当面続きそうな低金利環境、規制当局の厳しい監視という以前からの逆風に引き続き対処しているという事実をあらためて示した」と述べた。

  西欧市場では、イタリアとポルトガルの下げが目立った。イタリアのモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナとポルトガル商業銀行は上場来安値を更新。ドイツDAX指数はドイツ銀行のほかBMWとフォルクスワーゲンの急落にも引きずられ、1.5%安で引けた。
原題:Bank Slump Triggers Worst Week in Three Months for Europe Stocks(抜粋)

◎欧州債:ドイツ10年債上昇、利回りは一時マイナスに再び突入

  16日の欧州債市場では、ドイツ10年債が上昇し週間の下げを帳消しにした。欧州中央銀行(ECB)に追加金融緩和の余地があるとの臆測を背景に、利回りは再びマイナスに低下する場面があった。

  8日の記者会見でドラギECB総裁が量的緩和延長を示唆しなかったことに伴う債券売りは消えつつある。ECB政策委員会メンバーでドイツ連銀総裁のバイトマン氏が、ECBはキャピタルキーに基づく資産購入を維持すべきだと主張したことを受け、この日は周辺国国債に比べて中核国の国債が買われた。

  みずほインターナショナルの金利ストラテジスト、アントワーヌ・ブーベ氏(ロンドン在勤)は「ドイツ10年債利回りを例に取ると、適正水準はマイナスだと思う」との見方を示し、「極めて移り気な相場展開が続いている。日銀をはじめ中央銀行の結果が得られる来週まで、この状況が恐らく続くだろう」と述べた。

  ロンドン時間午後5時現在、ドイツ10年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下のプラス0.01%。一時は今月9日以来のマイナスを付ける場面があった。2026年8月償還債(表面利率ゼロ)の価格は0.24上昇し、99.926。

  ポルトガル10年債は反発。S&Pグローバル・レーティングが同国格付けを据え置いたことが好感された。だが利回りは週間で26bp上昇し、一時は英国が欧州連合(EU)離脱を選択して以来の高水準に上昇した。
原題:Germany’s Bond Rally Pushes 10-Year Yield Back Below Zero(抜粋)

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