【日本株週間展望】方向感出ず、日米金融政策の反応複雑か-飛び石も

  • エコノミストの54%が日銀の追加緩和予想、米利上げは見送り濃厚
  • 為替、銀行株の動向が相場全体に影響する可能性

9月3週(20ー23日)の日本株は方向感の定まらない展開となりそうだ。日米中央銀行が金融政策の変更、現状維持のいずれを選択しても為替を含む市場の反応は複雑化するとみられ、積極的にポジションを積み上げにくい。東京市場は祝日を挟む飛び石日程になることも影響する。

  日本銀行は20ー21日に金融政策決定会合を開き、異次元緩和の総括的検証を行う。ブルームバーグがエコノミスト43人を対象にした調査では、23人(54%)が追加緩和を予想。手段として、マイナス金利の深掘りや長期国債の買い入れ増額を挙げている。マイナス金利が拡大されれば、為替が円安に動く可能性がある半面、収益悪化が懸念される銀行株は下落する見込み。銀行株にとっては、利ざやの確保へ長短金利差の拡大を促す政策が同時に示されるかどうかが焦点だ。仮に緩和自体が見送られれば、銀行株が上昇する半面、円高進行リスクは高まる。

東証アローズ

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  日銀と同じ日程で、米国でも金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。9月に入り発表された経済統計が相次ぎ予想を下振れ、早期の利上げ観測は一気にしぼんだ。金利先物市場が織り込む今回の米利上げ確率は18%、1週間前は30%だった。一方、12月までの確率は49.7%となっている。利上げ後のマネーフローの変調を警戒し、直近の米国株は乱高下していたため、利上げ見送りなら米国株の安定化を通じ日本株にも好影響が及ぶが、為替市場ではドル安・円高の材料となりそうだ。米国では20日に8月の住宅着工件数、22日に中古住宅販売件数や景気先行総合指数の発表もある。

  第2週の日経平均株価は週間で2.6%安の1万6519円29銭と3週ぶりに反落。米国株波乱や為替のドル安・円高基調、原油など商品市況の下落などが嫌気されたほか、日銀によるマイナス金利の深掘り観測が強まったことで、東証1部33業種の銀行株指数は週初から下落基調となった。

  • ≪市場関係者の見方≫

アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
  「米国で早期利上げが実施されない可能性が高まり、日米でリスク資産買いの安心感が広がる。日銀がマイナス金利の深掘りと国債買い入れの拡大を打ち出せば、初動の動きは株高・円安を想定している。米国株も、早期の利上げ観測再燃に端を発した調整売りは一巡した。ただし、祝日に挟まれるタイミングで市場が動意づくとも考えづらい。米国でさえない経済指標の発表が続き、12月の利上げも難しいとなると、為替が円高方向に動き、日本株にもマイナスの影響が及ぶ」

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長
  「方向感は出ない。日銀の追加緩和の有無に対する市場の織り込みは偏っておらず、結果次第で相場が一方向に振れることはない。金融政策の据え置きで日経平均は一時的に1万6000円程度に下押ししても、緩和期待が高まっていないため、下げは限定的。マイナス金利を深掘りしないのであれば、金融株に買い戻しが入る。米国は今回利上げなしがコンセンサスだが、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の会見などで12月利上げの期待はつなごう、ドル安・円高も加速しないとみる」

DIAMアセットマネジメントの武内邦信エグゼクティブポートフォリオマネジャー
  「日米金融イベントに反応薄で横ばいを予想する。日銀は、円高局面などに備え金融緩和のカードを取っておくだろう。追加緩和見送りなら銀行株はいったん上がるだろうが、マイナス金利の深掘りはいずれあるとみられ、上昇トレンドまでは描きにくい。最近の米経済指標が低調なため、FOMCでは9月利上げは見送られる公算が大きい」

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