債券下落、超長期債中心に売り圧力-再びぐらつきかけているとの声も

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  • 超長期債はいったん底を打ち、打診買いでも安定せず-三井住友AM
  • 新発20年債利回り0.455%まで上昇、新発30年債利回り一時0.565%

債券相場は下落。日本銀行が来週実施する異次元緩和策に対する総括的な検証をめぐる懸念が根強い中、この日の長期国債買い入れで長いゾーンのオペが通知されなかったことで超長期債を中心に売りが優勢となった。

  16日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ばいのマイナス0.045%で開始し、その後1ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.035%まで上昇した。新発2年物の368回債利回りは1bp高いマイナス0.265%、新発5年物の129回債利回りは1bp高いマイナス0.20%に上昇した。

  超長期債も安い。新発20年物の158回債利回りは横ばいの0.445%で開始後、0.455%まで上昇した。新発30年物の52回債利回りは一時2bp高い0.565%、新発40年物の9回債利回りは0.5bp高い0.64%で取引されている。

  三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループ理事兼副ヘッドは、「このところのスティープ化からちょっと落ち着きかけていた相場が、日銀の国債買い入れオペで超長期ゾーンが入らなかったことを受け、またグラッときている」と話した。「その分が日銀の検証後に入るので下支え要因とみることもできるが、方針変更で入らないままになる懸念もある。超長期債はいったん底を打って、水準感から打診買いが入っても、安定しない状況だ」と述べた。

  長期国債先物市場で中心限月12月物は、前日比5銭高の151円77銭で開始し、いったん151円80銭まで上昇。 日銀買い入れオペ通知後に水準を切り下げ、一時7銭安の151円65銭まで下落。結局は2銭安の151円70銭で引けた。

  日銀が実施した今月6回目の長期国債買い入れオペの結果によると、残存期間「1年以下」の応札倍率は1.95倍と2月1日以来の低水準となった。「1年超3年以下」は2.69倍と前回から低下し、「3年超5年以下」は2.84倍にやや上昇した。

総括的な検証

黒田日銀総裁

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  前日の国内債市場では、日銀が20、21日に開く金融政策決定会合で行う総括的な検証に伴い、マイナス金利策の強化を軸に追加緩和するとの観測を背景に中期ゾーンを中心に買いが優勢だった。半年ぶりの水準まで利回りが上昇していた超長期債にも買いが入り、利回り曲線のツイストスティープ(傾斜)化は一服した。
  
  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「昨日は相場の戻りに合わせて超長期債への売りが続いたようで、投資家の超長期債に対するセンチメントは悪化している」と指摘。「まだ日銀が望むような金利水準へ戻っていないとの不安が背景にあり、実際そうした問い合わせが相次いでいる。結論から言えば、現在の超長期債金利水準は、日銀が静観できるであろうレンジの下限にようやく到達したにすぎない」と言う。

  来週の債券相場について、岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、来週は日銀会合までは大きな動きはないと指摘。「今週の長期金利はゼロ%を上回ることなく乗り切っており、来週は追加緩和を受けて金利低下を想定。マイナス金利の小幅な深掘りと国債買い入れの若干増額を予想する。カーブを立たせたいということだが、長いゾーンを際限なく立たせることではない」と予想した。

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