お年寄りがGO-スポーツジムやゲームセンターにも、若者の影薄く

  • 押し寄せる少子高齢化の波あちこちに-歯科技工士やCEO職も
  • チャートでみる日本社会の人口構造変化-入れ歯や献血にも影響

寺の境内でダンベル体操する高齢者(東京)

Photographer: Yoshikazu Tsuno/AFP via Getty Images
Photographer: Yoshikazu Tsuno/AFP via Getty Images

少子高齢化が進む中、労働力人口の減少や内需縮小による経済の衰退、年金制度の破綻懸念など問題が山積だ。その影響はフィットネスクラブやゲームセンターなど、意外な分野にも波及。高齢者の存在感が増す一方、若者の影が薄くなっている。

  健康意識の高まりを背景に、フィットネスクラブの会員に占める高齢者の割合が増えている。経済産業省の産業活動分析によると、2014年の60歳以上の会員比率は 30.3%と、03年の17.8%から上昇している。20歳代以下、30歳代の会員比率は低下している。

  14年版「厚生労働白書」によると、65歳以上の高齢者の健康意識は他の年代と比較して高く、健康のために「運動やスポーツをするようにしている」と回答した人の割合が58%だった。20~39歳の37%と対象的だ。

  住民基本台帳に基づく今年1月1日時点の全国の人口は1億2589万1742人となり7年連続で減少。調査を始めた1968年以降で最大の減少数を記録した。65歳以上の高齢者は全体の27%を占める一方で、14歳までの子供は13%にとどまっている。

ゲームセンターも様変わり

  子供のたまり場だったゲームセンターに訪れるお年寄りも増えている。少子化とスマートフォンゲームの普及などを背景に、ゲームセンターの数や利用客数は減少しており、シニア世代の増加は業界にとっても嬉しいニュースだ。

  警察庁の統計によると、許可を受けているゲームセンター等の営業所数は、15年に4856カ所と、10年前と比べて約半分に落ち込んでいる。「レジャー白書」(日本生産本部)のゲームセンターへの年代別参加率(1年間に1回以上行った人の割合)をみると、10代・20代は05年の男性50%、女性42%から、15年には男性32%、女性33%へと減少。一方、60代以上の参加率は増加している。

入れ歯製作の歯科技工士が減少

  高齢化で入れ歯などの需要が増えていくことも予想される。しかし、入れ歯や矯正装置などの製作・修理を行う歯科技工士の数は、00年をピークに減少。特に、若い世代の歯科技工士の数が不足している。厚労省の14年「衛生行政報告例」によると、歯科技工士の数は14年末で3万4495人。うち、50歳以上が約47%と半数近くを占め、29歳以下は約12%となっている。

若者の献血離れ

  少子高齢化で減少が続いている献血者数。特に、若い世代の献血離れが深刻化している。10代、20代の若年層は、この20年間で約3分の1まで減少している。一方で、輸血を受ける人の約8割を50歳以上が占めており、このままでは、医療に必要な血液が不足することが懸念されている。

社長の高齢化と後継者不足

  中小・零細企業を中心に、後継者難や代表者の高齢化も深刻化している。コンサルティング会社「PwC Strategy&」の15年「CEO承継調査」によると、新任CEOの平均年齢は60歳と世界で最も高く、世界平均の53歳に比べて7歳高い。また、帝国データバンクによると、国内企業の約3分の2が後継者不在となっている。

  帝国データバンクによると、倒産に至らないまでも事業継続を断念し、「休廃業・解散」を選択する件数が、15年は2万3914件となり、倒産件数の約3倍となった。このうち、約77%の企業が、後継者が定まらない状態だった。

  東京支社情報部の内藤修氏は、「17年以降、団塊世代が70歳に到達し始めるので、今後、後継者問題に直面している企業経営者が、廃業や事業をたたむ決断をするケースが増えてくる可能性は十分ある」と述べた。

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