債券上昇、マイナス金利強化観測で買い-ツイストスティープ化は一服

更新日時
  • 先物中心限月14銭高の151円72銭で終了、一時1カ月半ぶり高値
  • 新発5年債利回りマイナス0.215%と8月1日以来の水準まで低下

債券相場は上昇。日本銀行が来週の金融政策決定会合で、マイナス金利政策の強化を軸に追加緩和を実施するとの観測を背景に中期債を中心に買いが優勢となった。前日まで売り込まれていた超長期債にも買いが入り、利回り曲線のツイストスティープ(傾斜)化は一服した。

  15日の長期国債先物市場で中心限月12月物は、前日比10銭高の151円68銭で開始。一時151円79銭と中心限月で8月2日以来の高値を付けた。その後151円66銭まで伸び悩んだが、午後に入って、流動性供給入札結果を受けて再び151円79銭まで上昇。結局14銭高の151円72銭で引けた。

  モルガン・スタンレーMUFG証券の杉崎弘一債券ストラテジスト は、「マイナス金利深掘りとツイストオペをやってくる形で市場コンセンサスができつつある」と指摘。日銀が政策金利をマイナス0.2%へ拡大するとの観測報道もあるとし、「その可能性を短いゾーンの金利に織り込んだ感じ。ここからさらにツイストスティープは進まないので、逆の動き。総括的な検証が不透明だったので、償還資金の再投資需要があるにせよ、投資家は迷っていた。しかし、観測記事でまとまってきたので、少しずつ買いに入っている」と述べた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1.5ベーシスポイント(bp)低いマイナス0.035%で開始。いったんマイナス0.03%を付けた後、再びマイナス0.035%に下げた。新発5年物の129回債利回りは一時1bp低いマイナス0.215%と8月1日以来の低水準を付けた。

  超長期債も上昇。新発20年物の158回債利回りは一時3.5bp低い0.44%、新発30年物の52回債利回りは3.5bp低い0.54%まで買われ、新発40年物9回債利回りは5bp低い0.615%まで低下した。前日の取引では、超長期ゾーンの国債買い入れが減額されるとの観測などから、0.495%、0.605%、0.67%といずれも半年ぶりの高水準まで達した。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「海外市場で金利が低下して返ってきたほか、昨日のスティープニングでいったん日銀の国債買い入れ柔軟化の報道を織り込んだ形となっている。国債償還もあるため、そういったフローも債券を支えているかもしれない」と述べた。

黒田日銀総裁

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  共同通信は14日、日銀が20、21日開く金融政策決定会合で、総括的検証に合わせ追加緩和を決める案が浮上しており、政策金利のマイナス幅を0.1%から0.2%への拡大を検討すると報じた。国債の購入方法も見直すという。
  
  JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「短いゾーンは利下げをあまり織り込んでいなかったが、10bpのカットを織り込むような水準になっている。利下げはほぼ堅い」と指摘した。

  財務省が午後発表した流動性供給入札(発行額2000億円)の結果によると、募入最大利回り較差がマイナス0.026%、募入平均利回り較差はマイナス0.033%となった。今回は残存期間1年超から5年以下の既発国債が対象。投資家需要の強弱を示す応札倍率は4.89倍と、同年限を対象にした前回の5.41倍から低下した。

  モルガン・スタンレーMUFG証の杉崎氏は、流動性供給入札について、「かなり強い結果となり、需要はある」と分析した。

  14日の米国債相場は上昇。米10年債利回りは前日比3bp低下の1.70%程度。少なくとも来週の連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利は据え置かれるとの見方が強まっている。

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