超長期債が下落、検証めぐる観測でツイストスティープ化-中期は買い

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  • マイナス金利の深掘りで超長期買い入れ減額との見方強まる-岡三証
  • どの程度スティープニングさせたいのか明確でない-三菱モルガン証

債券市場では超長期債相場が下落。日本銀行が行う総括的な検証に伴い、マイナス金利政策の深掘りとともに長短金利差の拡大に動くとの観測を背景に超長期債は売りが優勢だった。一方、期間の短いゾーンは堅調で、利回り曲線はツイストスティープ(傾斜)化した。

  14日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低いマイナス0.025%で開始。その後マイナス0.015%に上昇した。新発2年物の368回債利回りは3.5bp低いマイナス0.28%と7月29日以来の水準まで低下した。新発5年物の129回債利回りは一時3bp低いマイナス0.205%と8月2日以来の低水準を付けた。

  野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは、債券市場について、「日銀は長いゾーンの利回りをスティープ化させ、短いゾーンを多めに買うという観測報道を反映した動きとなっている」と説明した。「来週の日銀金融政策決定会合でマイナス金利の深掘りをすぐにやるかに対しては、慎重な感じ。すぐに全部やるとは思わない。買い入れ年限を短期化して、超長期ゾーンのスティープ化を行うと見込んでいる」と話した。

  新発20年物の158回債利回り一時5.5bp高い0.495%と3月14日以来の水準まで上昇した。新発30年物の52回債利回りは9.5bp高い0.605%と3月17日以来、新発40年物の9回債利回りは8bp高い0.67%と3月11日以来の高水準を付けた。

  長期国債先物市場で中心限月12月物は、前日比22銭高の151円70銭で取引を開始した。その後上値が重く、151円52銭まで伸び悩み。結局は10銭高の151円58銭で引けた。

日銀本店

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日銀が20、21日に開く決定会合で実施する異次元緩和の総括的な検証では、今後の金融緩和の軸にマイナス金利政策の深掘りを据える方針だと14日付の日本経済新聞が報じた。国債購入では長期と短期の金利差を広げるように促すことも協議するとしている。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「マイナス金利の深掘りが前提にあるが、カーブを立たせるということだろう。どこまでカーブを立たせるのか、それがうまくいくのか分からない」と指摘。「この辺の水準で落ち着きつつあるのではないかということで、先週の30年入札や昨日の20年入札では投資家の押し目買いが入った。ただ、来週の日銀会合を確認するまで何が起こるか分からない。日銀が買い入れ量をどう調整するかにかかわっており、落ち着きどころは誰も判断できない」と分析した。
  
  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「超長期債は報道を受けて売りが出ている形だが、金利上昇のめどはつきづらい。現時点では日銀がどの程度スティープニングをさせたいのか、といったところが明確ではなく、水準感がつかみづらい。超長期債の投資家もこういった中ではなかなか手が出しづらいところだと思う」と語った。

  日銀が実施した長期国債買い入れオペ(総額1.14兆円)の結果によると、残存期間「1年超3年以下」と「3年超5年以下」の応札倍率が前回から上昇した。一方、「10年超25年以下」は横ばい、「25年超」は低下した。

  野村証の中島氏は、買い入れオペ結果に関して、「長いゾーンは相場が崩れている割には悪くない。意外とテールが出ており、倍率も2倍台。短いゾーンに関してもそこまで倍率も高くない。オペ結果自体は悪くない」と分析した。

  財務省は15日に流動性供給入札を実施する。残存期間1年超から5年未満の国債が対象で、発行予定額は2000億円程度となる。中島氏は、流動性供給入札について、「ここまで相場が荒れると難しいが、マイナス金利の深掘りを多少織り込んでいる中で、取りあえず買う方向だろう。業者のカバーニーズにより好調ではないか」と述べた。  

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