日銀:長期国債買い入れ年限の柔軟化を検討、総括的検証-関係者

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  • イールドカーブを調整する手段の1つとすることが狙い-関係者
  • 市場との対話は毎月公表の「買い入れ運営について」活用も-関係者

日本銀行が金融緩和の一環として買い入れている長期国債の平均残存期間の柔軟化を検討していることが、事情に詳しい関係者への取材で分かった。

  複数の関係者によると、20、21の両日開く金融政策決定会合で行う総括的な検証の一環として検討している。現在7-12年としている平均残存期間の撤廃などが選択肢とて浮上、年限が長い国債と短い国債の利回りの差が縮まり、フラット化し過ぎたイールドカーブ(利回り曲線)を調整する手段の1つとすることが狙いという。

日銀

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  
  黒田東彦総裁は5日の講演で、「今の枠組みの中だけで考えても、量、質、金利の各次元での拡大は、まだ十分可能だと考えているし、それ以外のアイデアも議論の俎上(そじょう)から外すべきではない」と述べている。

毎月の買い入れ運営方針は継続

  シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは12日のリポートで、総括的な検証後の金融政策は「イールドカーブの過度のフラット化を回避することを目指したものとなる可能性が高くなっている」としながらも、長期国債や超長期国債の買い入れを減額し、年間80兆円ペースの買い入れも減らせば、金融市場で「金融緩和の縮小」と受け止められる可能性が高いと指摘する。

  その上で、「当面、国債買い入れの総額は変更せず、平均残存期間のターゲットを柔軟化(事実上、短くする)する方向で見直しが行われる可能性が高いように思われる」としている。

  複数の関係者によると、日銀は毎月公表している「当面の長期国債買い入れの運営について」で年限ごとの買い入れ額をレンジで示しており、これを今後も継続することで市場との対話を図るという。9月の月間買い入れ予定によると、5年超10年以下の長期国債を1兆8000億円から3兆6000億円の範囲内で、6回程度に分けて買い入れる。

年限は3次にわたり延長

  日銀は2013年4月、2%の物価目標を「2年程度の期間を念頭に、できるだけ早期に実現する」として、長期国債の保有残高を年間50兆円ペースで増加するよう買い入れることを柱とする量的・質的金融緩和を導入。その平均残存期間をそれまでの3年弱から7年程度に延長した。

  14年10月の追加緩和では長期国債の買い入れペースを年間80兆円に拡大し、平均残存期間も7-10年に延長。15年12月に行った量的・質的緩和の補完措置では7-12年に拡大した。その後、今年1月のマイナス金利政策の導入により、イールドカーブにさらに強い下方圧力が加わり、20年債の利回りが一時マイナスとなるなど超長期の金利が大幅に低下した。

  黒田東彦総裁は5日の講演で、総括的な検証は2%の物価目標を「できるだけ早期に実現するために何をすべきか」を議論するもので、「緩和の縮小という方向の議論ではない」と述べた。一方で、現在の緩和策は「国債や貸し出し・社債などの金利は大きく低下し、その面で顕著な効果を発揮している」が、同時に「金融市場の流動性や金融機関の収益などにも影響を及ぼしている」と述べ、コスト面に言及した。

(第7段落目以降を追加し更新します.)
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