「債券売りは悪化する」とゴールドマンが考える3つの理由

  • 債券バリュエーションは高過ぎ、QEの効果は薄れつつある
  • 財政政策の重要性が増している

10年物米国債の利回りはここ数日、日本とドイツの国債にならって急上昇を演じた。

  世界的な債券売りで、米10年債利回りは2営業日で15ベーシスポイントベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。同時に他の種類の資産も値下がりし、米当局が金融緩和を縮小するとの懸念が浮上した2013年の「テーパー・タントラム」との比較が取り沙汰された。

  ゴールドマン・サックス・グループのグローバルマクロ・市場調査共同責任者、フランチェスコ・ガルザレリ氏(ロンドン在勤)は、債券売りが続くとみている。ゴールドマンは米10年債利回りが2017年初めに向け現行水準より32bp程度高い2%に達すると予想。

ゴールドマン・サックスのロゴ

Photographer: Daniel Acker/Bloomberg

  その理由を3つ挙げる。

1)債券のバリュエーションはこのところ高過ぎる状態が続いている
  英国の欧州連合(EU)離脱選択を受けた債券利回り急低下には成長減速という裏付けがない、とガルザレリ氏は指摘する。ゴールドマンは先進市場の経済活動が上向くと予想しており、投資家が国債に殺到しているのは奇妙だ。

  同氏は「今後数四半期に先進国・地域の経済活動はトレンドに沿ったペースで拡大し、消費者物価指数(CPI)総合でみたインフレ率はエネルギー価格のベース効果によって上昇し、米当局は利上げをするだろう。市場は年内についてすらこのような展開を過小評価している」と指摘した。

2)量的緩和(QE)政策は効果が薄れつつある
  中銀による債券購入プログラムは国債利回り低下に寄与したが、その効果は薄れつつあるかもしれない、とガルザレリ氏は指摘。技術的制約と非伝統的政策のマイナス面が意識され始めていると論じ、最近の日本銀行と欧州中央銀行(ECB)の議論が非伝統的金融政策の限界を示しているとコメントした。

  「超長期債の利回り低下は実質金利低下の利点を打ち消すコストとゆがみをもたらした」とし、確定給付の契約を多く持ち債券に多くの資産を配分している欧州と日本の年金基金や生命保険会社にとっての問題を指摘した。

3)財政政策が待望されている
  中銀の緩和拡大能力への疑問が増すのに伴い、政府主導の景気てこ入れ策に期待する投資家が増えている。欧州と日本では財政赤字にもかかわらず財政出動への期待が高まっており、米国でもそうだ、とガルザレリ氏は指摘した。

  同氏は「金利が名目上の下限に近い現在、財政出動は国内の最終需要を支えるのにより有効だと考えられている」と論じた。

 

原題:Goldman Has Three Reasons Why the Bond Rout Is Going to Get Worse(抜粋)

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