9月12日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:円上昇、先週の株・商品売り受けて安全需要強まる

  12日のニューヨーク外国為替市場では、円が主要通貨に対して上昇。先週の世界的な株・商品売りを受けて、安全資産を求める動きが広がった。

  円は対ドルでの上げを拡大。米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事が、「先制的に政策を引き締める論拠は弱まっている」と指摘したことを受けた。市場は21日の日本銀行の政策決定発表に注目している。7月の政策会合では国債買い入れペースが据え置かれ、それを背景に円は急伸した。

  ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズの為替ストラテジスト、エリック・ビロリア氏(ニューヨーク在勤)は「米金融当局が動く見込みは低いことから、短期的には円のモメンタムは日銀の会合に左右される」とし、「世界的に株式相場は下落傾向にあり、そうした状況は円にプラスになることが多い」と続けた。ビロリア氏は、円は年末かけては1ドル=103円に下落すると予想している。

  ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前週末比0.8%高の1ドル=101円85銭。対ユーロでは0.8%上げて1ユーロ=114円43銭。

  モルガン・スタンレーのチーフグローバル通貨ストラテジスト、ハンス・レデカー氏(ロンドン在勤)は「海外の資産が日本に戻りつつあり、それが円を支えている」と指摘。「債券市場では大きな変化が起きており、それは波及効果をもたらす」と続けた。

  レデカー氏は、円が年末に向けて1ドル=99円に上昇すると予想している
原題:Yen Advances as Traders Seek Safety After Risk Markets’ Rout(抜粋)

◎米国株:反発、ブレイナードFRB理事のハト派姿勢維持を好感

  12日の米株式相場は反発。ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事が金融政策について、ハト派的な姿勢を維持したことが買いを誘った。前週末は6月以来の大幅安となり、時価総額にして約5000億ドルが吹き飛んでいた。

  S&P500種株価指数は前週末に2.5%下落していたが、この日は2カ月ぶりの大幅高となった。ブレイナード理事は、金融政策の引き締めに当たっては今後も慎重さを維持する必要があるとの認識を示した。

  ナショナル・アライアンス・キャピタル・マーケッツの国際債券責任者、アンドルー・ブレナー氏は「前週末の午後、市場参加者が多くない中で手に負えない状況に陥ったが、現在は状況が落ち着いているようだ」と指摘した。

  S&P500種株価指数は前営業日比1.5%高の2159.04。ダウ工業株30種平均は239.62ドル(1.3%)上げて18325.07ドルで終えた。

  今年上半期の勝ち組が別の理由で再び脚光を浴びている。公益事業や生活必需品、通信サービスといったセクターは景気が良くない時に通常、堅調となるが、前週末は市場全体よりも下げがきつかった。年初の数少ない勝ち組で、ウォール街では安全なセクターとみなされる銘柄に異変が起きている。

  これらディフェンシブ株はこの日、下げの一部を取り戻したが、バリュエーション(株価評価)が弱点の一つになっている。生活必需品の株価収益率(PER)は22倍と、過去10年の平均を25%上回っており、他のセクターよりも高い。公益事業株は10年平均を19%上回っている。

  パビリオン・グローバル・マーケッツのグローバルマクロ調査・戦略の責任者、アレックス・ベルフルール氏は「これらセクターの高いバリュエーションは長期債保有のタームプレミアム (期間に伴う上乗せ利回り)圧縮から直接影響を受けているため、配当利回りの高い銘柄や生活必需品、公益株のバリュエーションは高くなり得る」と発言。「前週末に起こったことはそれが再考されたシナリオだった。これらセクターに加え、最近非常に堅調なグロース株が市場をけん引するだろう」と語った。

  通信サービス株はこの日2%上昇と、7カ月ぶりの大幅高。生活必需品は1.9%高。アップルは2.2%上昇し、バイオテクノロジー株は6月以来の大幅高となった。
原題:U.S. Stocks Rebound, Bond Rout Eases as Fed Rate Odds Retreat(抜粋)
Safety Trade Leaves S&P 500 on Knife’s Edge as Valuations Soar(抜粋)

◎米国債:利上げ観測がやや下火に、当局者はブラックアウト期間に

  12日の米国債市場では、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)を前に利上げ見通しに対する疑問が強まっていることが示唆された。

  ブレイナード連邦準備制度理事会(FRB)理事はこの日、金融政策の引き締めに当たっては慎重さを維持する必要があるとの認識を示した。一部トレーダーは来週の利上げが示唆されるとみていたことから、予想外の内容として受け止められた。ブレイナード理事の講演は予定されているものとしては、21日のFOMC声明を控えたブラックアウト期間に入る前の最後の当局者発言となった。同理事の発言後、9月利上げ確率は22%に低下した。発言前は28%だった。この算出は利上げ後の実効フェデラルファンド(FF)金利が新たな政策金利レンジの中央値になるとの仮定に基づいている。

  RBSセキュリティーズの米金利ストラテジスト、ブレーク・グウィン氏は「過去数週間で誰もが非常にタカ派的になっていた」と述べ、「FOMC会合を控えて9月利上げの方向で落ち着いたわけでは決してない」と続けた。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前週末比約1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 下げて1.66%。同年債価格(表面利率1.5%、償還期限2026年8月)は98 1/2。

  財務省はこの日、3年債(規模240億ドル)と10年債(同200億ドル)の入札を実施。同時に2種類の利付債の入札を実施するのは珍しいとBMOキャピタル・マーケッツのアーロン・コーリ氏が指摘した。

  投資家の需要を測る応札倍率は10年債入札が2.35倍、3年債入札では2.77倍と、いずれも過去10回の平均値を下回った。
原題:Bond Traders Left Doubting Rate Hike as Fed Speakers Go Silent(抜粋)

◎NY金:4営業日続落、米利上げ観測で買いが引っ込む-貴金属全面安

  12日のニューヨーク金先物相場は4営業日続落。米利上げが近づきつつあるとの警戒が強まった。

  RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニアマーケットストラテジスト、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで「金属は今、圧力を強く受けている」と指摘。「きょうは米金融当局がブラックアウト期間に入る前の最後の一日だった。この期間にかけて当局者らは利上げを強く主張していたようにみえる」と述べた。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前週末比0.7%安の1オンス=1325.60ドルで終了。4日続落は過去2カ月で最長。

  銀先物12月限は1.9%下げて19ドル。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナとパラジウムも値下がりした。
原題:Gold, Metals Slide as Bets on Higher U.S. Rates Erode Demand(抜粋)

◎NY原油:上昇、米国株の反発やドル下落を好感

  12日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が反発。米国株が前週末の大幅安から反発したことに加え、ドルが主要通貨に対して下落したことが原油買いを誘った。

  エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「原油は株式相場につれている。前週末の動きはやや行き過ぎだったようだ。金融政策をめぐる懸念から市場は神経質になっているが、この日はやや落ち着きを取り戻した」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前営業日比41セント(0.9%)高い1バレル=46.29ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント11月限は31セント(0.6%)上げて48.32ドル。
原題:Crude Oil Climbs as U.S. Equities Advance, Dollar Retreats(抜粋)

◎欧州株:3日続落、モルガン・スタンレーは下落局面の幕開けを警告

  12日の欧州株式相場は下落し、指標のストックス欧州600指数は3日続落となった。中央銀行が経済成長を促す目的での金融政策活用に消極的になったとの投資家の不安が背景にある。モルガン・スタンレーは先週始まった株式相場の乱調について、より深刻な下落局面の幕開けである可能性が高いと警告している。

  アンドルー・シーツ、ファニキラン・ナラパラジュ両氏を含むモルガン・スタンレーのストラテジストは11日付のリポートで、経済指標やクロスアセットの指標はユーロ圏の「下降局面」入りを示唆しており、そうなるとリスク資産はアンダーパフォームする傾向があると指摘した。

  指標のストックス欧州600指数は前週末比1%安の342.23で終了。一時は2%安となる場面があった。業種別ではすべてマイナスに沈んだ。

  バンクハウス・ランプ(デュッセルドルフ)のストラテジスト、ラルフ・ツィマーマン氏は「ファンダメンタルズの改善がなかったにもかかわらず、英国の欧州連合(EU)離脱選択以降に市場はかなりの反発を果たしていた。この下落は時間の問題にすぎなかった」と述べた。

  この日は過去2カ月にわたり上昇を続けていた銀行株が約1カ月ぶりの大きな下げを記録。HSBCホールディングスが2.2%安と売られ、指数を押し下げた。ギリシャ、イタリア、スペインの銀行株も大幅に下落し、それぞれの国の主要指数が大幅安となる元凶になった。この3カ国のアテネ総合、FTSE MIB、IBEX35の各指数はいずれも1.7%前後の下落。

  業種別では鉱業株の下げも大きく、アングロ・アメリカン、BHPビリトンは商品安につられそれぞれ3%前後下落した。
原題:Morgan Stanley Sees Possible Downturn as European Stocks Retreat(抜粋)

◎欧州債:続落、アビバやアバディーンは本格的な下落局面入りを否定

  12日の欧州債市場ではユーロ圏加盟国の国債が売られ、ドイツ債利回りは英国の欧州連合(EU)離脱選択以降で最高の水準に上昇した。ただ、アビバ・インンベスターズやアバディーン・アセット・マネジメントはこの下げが本格的な売りに発展する公算は小さいとみている。

  ドイツ10年債は3日続落。欧州全域で株安となる中、イタリア債利回りも上昇した。

  アビバ・インベスターズの金利責任者、チャールズ・ディーベル氏は12日、ブルームバーグとのテレビインタビューで「経済成長は低く、今後も低成長にとどまる見通しだ。インフレは実際のところ問題ではない」と指摘。「債券が売り込まれる環境ではない。バリュエーションが比較的高く、調整を経るのかもしれないが、大型の弱気相場の始まりになるとは考えていない」との見方を示した。

  またアバディーン・アセット・マネジメントのルーク・ヒックモア氏は「恐らく金融緩和の効果が切れつつある兆しだろう」としつつ、「各国政府がインフレに重大な違いを生み出すほどの大型の財政刺激策を実施するのは実際難しい。従って現在は債券市場の新たな混乱の始まりではなく、大したことなく終わるだろう」と語った。

  ロンドン時間午後5時現在、ドイツ10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇のプラス0.037%。一時は11週ぶりの高水準となる0.059%を付ける場面もあった。2026年8月償還債(表面利率ゼロ)の価格は0.269下落し99.633。

  イタリア10年債利回りは3bp上昇の1.28%。同国債利回りは9日も9bp上昇していた。
原題:Bond Selloff Extends Yet Aviva, Aberdeen See No Imminent Rout(抜粋)

(米国株、米国債を更新します.)
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