超長期債が上昇、20年入札予想上回る-カーブ修正観測も先回りの買い

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  • 相当スティープ化したので買い場探しの方が適当-JPモルガンAM
  • 日銀が心地よいと考える水準まで調整しているとの見方も-みずほ証

債券相場は超長期ゾーンを中心に上昇。この日の20年債入札で最低落札価格が予想を上回ったことを好感した。日本銀行によるイールドカーブの修正観測がくすぶる一方、超長期債は利回り上昇やスティープ(傾斜)化に伴う需要が見込まれており、入札結果発表前から先回り的に買いの動きが強まった。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物344回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.01%で開始し、その後はマイナス0.02%まで戻した。20年物の157回債利回りは0.475%まで上昇した後、2.5bp低い0.43%まで買われた。新発30年物52回債利回りは一時3.5bp低い0.500%まで低下。新発40年物9回債利回りは0.62%と3月17日以来の高水準を付けた後、3bp低下の0.585%まで買われた。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、「利回り曲線が相当スティープニングしていたので買いたい人が多かったようで、良好な入札結果。買い場探しの方が適当。生保勢もここで買いを入れるべきかどうかという姿勢ではないか」と指摘。来週の日銀金融政策決定会合については、「国債買い入れを柔軟化する方向で織り込んでいるものの、金融引き締めと取られるとまずいので、柔軟性を若干高めるぐらいにしか動けないだろう」と予想する。

  13日の長期国債先物市場で中心限月12月物は、前日比横ばいの151円45銭で取引を始め、151円36銭まで下落した。その後は徐々に買われ、午前は11銭高の151円56銭まで上昇。入札結果を受けて午前高値に並んだ後、再び下落に転じるなど値動きの荒い場面も見られ、結局3銭高の151円48銭で引けた。

  
  財務省が発表した表面利率0.5%の20年利付国債(158回債)の入札結果によると、最低落札価格は101円05銭と予想中央値100円90銭を上回った。小さければ好調さを示すテール(最低と平均落札価格の差)は10銭と前回の3銭から拡大。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.33倍と前回の3.87倍から低下した。

カーブ修正と国債買い入れ柔軟化

日銀本店

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日銀が来週の決定会合で行う「総括的な検証」でイールドカーブのフラット化修正に動くとの観測に対する警戒から超長期ゾーンの利回り水準が軒並み3月以来の高水準を記録した。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「検証の後に、マイナス金利深掘りと共に、国債買い入れ柔軟化を決めるとの思惑が主因。日銀が特に超長期国債の買い入れ額を減らせば、国債買い入れ政策の持続可能性確保とイールドカーブのブルフ
ラット化是正という両面に資する」と言う。

  ロイター通信は9日、日銀が景気刺激効果の高い中期金利などの抑制を重視し、金融機関の収益減や生保・年金の運用難といった副作用をもたらしているイールドカーブのフラット化の修正策を検討すると報じた。

  一方、JPモルガン・アセットの塚谷氏は、「残存期間が1-5年のゾーンと10年超のゾーンの国債発行量と日銀買い入れのバランスを考えると、大きく短いゾーンにシフトさせることも考えにくい」として、柔軟性を若干高める程度にとどまるとみている。

  みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、「日銀がフラット化を懸念しているとは言え、超長期の利回り水準も大きく上昇し、日銀が心地良いと考える水準まで調整しているとの見方が出てきてもおかしくない」とする一方、「日銀会合まで1週間あり、引き続き金融政策に対する観測報道が出てくるリスクはある」と指摘する。

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